聖女落第の私を、龍神様は離してくれない

「エリナ・リュミエール。本日付で放校処分とする」

 貧しい辺境の村に生まれたエリナは、光魔法の才能を見出され、王立セレスティア魔法学校へ入学した。

 平民というだけで蔑まれ、笑われ、それでも必死に努力を重ねた六年間。
 やがて彼女は主席卒業を目前に控え、王太子妃候補として妃教育を受けることまで決まっていた。

 ――けれど、その全ては突然奪われる。

 公爵令嬢クラリスによる悪評。
 盗まれた研究ノート。
 王太子からの失望。
 そして、学長からの放校宣告。

 夢を見すぎたのだと自分に言い聞かせながら、エリナは故郷へ帰ることを決める。

 その帰路で出会ったのは、傷だらけの謎の龍人族の青年・カイ。

 無愛想で、口数も少なくて、けれど不思議なくらい優しい彼は、なぜかそのままエリナの故郷についてきた。

 治療師もいない辺境の寒村。
 そこでエリナは、学園で学んだ光魔法で、人々を少しずつ救っていく。

 熱病に苦しむ子供。
 怪我を負った猟師。
 命を落としかけた妊婦。

 王都では価値を認められなかった力が、村では“奇跡”だった。

 傷つき、自信を失っていた少女は、やがて人々に必要とされることで、少しずつ自分を取り戻していく。

 一方その頃、エリナを追放した王都では、彼女がいなくなったことで様々な問題が噴き出し始めていた。

 そしてカイにもまた、大きな秘密があって――。

 これは、夢を踏みにじられた少女が、本当の居場所と愛を見つける物語。

 追放された元聖女候補は、辺境で幸せになります。
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