【完結】【R18】溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜

鷹槻れん

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(19)もう待てねぇよ*

お預け

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「あ、っ。待って。……ダメっ」

 いきなり増やされた指に、ほんの少し侵入されただけなのに下腹部の異物感が半端なくて……。
 慌てて静止の言葉を発して足を閉じようとした日和美ひなみだったけれど、信武しのぶの身体が邪魔で出来なかった。

「なぁ、日和美。さっき言っただろ? 俺もゆとりがねぇんだって」

 信武は日和美の抗議の声を受け入れるつもりはないのだと明言してから。
 それでも日和美のなかの具合を確かめるようにゆっくりと蜜壺の中へと指が進められてくる。

「んーっ」

 我慢が出来ないほど痛いわけじゃない。

 だけど怖くてたまらない日和美は、必死で自分に伸し掛かっている信武を押し戻した。


「……日和美。俺の背中に爪立ててもいいから……頼む。こらえてくれ」

 言葉と同時。
 違和感を逃そうと、必死でにあえがせていた唇を塞がれて。

 ぬるりと舌で口中をかき回された。

 口蓋こうがいを撫でるように信武の舌先で擦られるたび、ゾクリとした快感が這い上がってきてだらしなく唇が緩んでしまう。

 信武から与えられるディープおとなのキスは、いつも信じられないくらい心地よくて……。日和美の思考能力を鈍らせる。

 クチュクチュと淫猥いんわいな水音を立てているのは上の口なのか、下の口なのか、日和美にはもう分からなかった。

 キュッと指の間に胸の飾りを挟まれた日和美は、余りの気持ちよさにビクッと身体を震わせて。

 それと同時、ある一点をゆるりと指の腹でこすり上げられた下腹部から、ぞわぞわと強い刺激が這い上ってきた。

「んんっ、んーっ!」

 唇を塞がれたままで何も言えない日和美に、信武は執拗にそこを攻めるのをやめてくれないから。

 身体の中心からき上がってきた快感に身体をつらぬかれそうなった日和美ひなみは、信武しのぶの背中へ回した腕にギューッと力を込めた。

 ――何か……来ちゃう!

 そう思った矢先、まるでそれを見計らったみたいにスッと指が引かれて。

「ふ、ぇっ!?」

 日和美は思わず信武の口付けから逃れると、間の抜けた抗議の声を上げた。

 大きな波が来て、何もかもが分からなくなるくらい気持ち良くなれそうな気がしたのに。

「――ィかせねぇよ」

 寸前で快感をお預けにされた日和美が、非難がましく信武を見上げたら、どこか余裕のなさそうな口調でそう吐き出された。
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