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(19)もう待てねぇよ*

イかせたくない理由

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「え……?」

 下腹部でくすぶる熱が解放を求めて身体の中で暴れまわっている。
 それをどうにかして欲しい日和美は、正直恥も外聞も捨てて目の前の信武にすがりつきたいのに。

 どこか拒絶するみたいに告げられた信武の言葉に、突き放されたと感じた日和美は、にわかに不安になる。

(私、こんなところでやめられちゃったら……自分じゃどうにも出来ない……)

 胸に触れる自慰しか知らない日和美は、自分で膣内なかを擦って、その続きを出来るとは到底思えなくて。 

 涙目で信武を見上げたら、
「――聞えなかったか? かしてやんねぇって言ったちゅったんだよ」
 とか、どんな意地悪だろう。

「な、んで……?」

 もう少しで訪れそうだった、身体の中心からり上がってくるような何とも言えない感覚が〝く〟ということなのだとしたら――。

 その一歩手前まで日和美のことを追い立てておいて、最後まで責任を取ってくれないと言うのはあまりにも酷すぎる。

「……バーカ。んな不服そうな顔すんな。何もこのまま放置しようってわけじゃねぇよ。――ただ……その……何だ。ゆ、指なんかでかれたくねぇって思っちまっただけ……だ……から」

 言っていて段々恥ずかしくなったんだろう。
 しどろもどろになりながらそう告げた信武が、そっぽを向いて、「俺もこんなん思ったの、お前が初めてで正直ぶっちゃけ戸惑ってんだよ。察しろ」と付け加えてくるから。

 日和美はこういうことには至極慣れていそうなくせに、やたら初々ういういしくさえ見えた信武の様子に瞳を見開いた。

 そんな日和美ひなみの眼前で。
 信武しのぶがベッド横へ置かれた半円型のサイドテーブルに手を伸ばして、避妊具を手に取ったのが見えた。

「――どうせならで気持ちよくなって欲しいって言ったちゅったら、引く?」

 信武の言葉に半ば条件反射。
 日和美がフルフルと首を横に振ったら、安心したように微笑まれた。

 余裕のない手つきで性急に前立てをくつろげた信武が、雄々しくそそり立った局部へゴムを装着する姿から目が離せなくなった日和美だ。

 父親や祖父以外の男性の裸なんて見たことがなかったから、ダラリと力なくぶら下がっているわけではない状態の〝ソコ〟を見たの自体生まれて初めてで。

 服越しに膨らみを見せつけられた時にも感じていたけれど、信武のソコは大きすぎるんじゃ!?と思って不安になった。

「……あ、あのっ、信、武さん……」

「信武、――な?」

 ゴムを付け終えたたかぶりに片手を添えたまま、信武が日和美の上に覆い被さってくる。

 距離を詰められて、視界からは見えなくなった信武のアレだけれど、太ももの辺りに触れている硬いのがきっと……。
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