【完結】【R18】組長さんと年下彼女~今日から同棲始めます~

鷹槻れん

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4.京介の家

頼まれていたもの

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 袋を手にした京介は、すぐさま中へ入った鍋焼きうどんに気が付いたみたいだ。

「子ヤギ、ひょっとして……夕飯ゆうめしまだなのか?」

 その言葉にうなずく芽生めいに、「中のモン、出すな?」と一応断りを入れた京介が、鍋焼きうどんセットを手に取った。

「風呂から上がってくる頃にゃ、食えるようにしといてやるよ」

 ニヤッと笑った京介の顔は思わず見惚れてしまうくらいかっこいい。

 でも――。

「あ、あの、京ちゃん。けど、私……着替えがない……」

 京介が言うように、身体中からはなんともいえないいぶされしゅう――火災臭というらしい――と、細波さざなみのキツイ香水の香りが混ざった嫌なにおいがしている。

 すぐにでも洗い流したいのはやまやまだけれど、せっかく身体を清めても風呂上がり、またこの服にそでを通したのでは台無しではないか。

「ああ、それなら心配すんな。ちゃんと手配済みだ」

 京介の言葉に芽生めいが「え?」とつぶやいたと同時、まるで見計らったようにチャイムが鳴った。

 京介がインターフォンに応じて操作すると、程なくして姿を現したのは京介の補佐役・千崎せんざき雄二ゆうじだった。

 芽生は火災現場で迷惑を掛けたのみならず、京介の自宅にまで押し掛けていることを千崎からとがめられやしないかとソワソワしたのだけれど、どうやら千崎も家を焼け出された芽生に対してそこまで非情ではないらしい。

「災難でしたね」

 淡々と告げられた言葉の中に、ほんの少しいたわりの情を垣間見かいまみた気がして、芽生は驚きのあまり大きく瞳を見開いた。そうしてすぐさま、千崎からの気遣いへの謝辞も述べられないことを叱られるかと構えたのだけれど、千崎は今の芽生にはそれすら求めていないらしい。ショックなことがあったから、お目こぼしいただけたという感じだろうか。

「カシラ、頼まれていたものです」

 言うことは言ったし……といったさま。もうキミに興味はありません、とばかりにスッと芽生から視線を外すと、千崎は京介に持っていた大きな紙袋を手渡した。

「おう、疲れてるトコ、悪かったな」

「まぁ、仕事ですから。――では、私はこれで」

 千崎が、用は済んだとばかりにやけにあっさり引き上げることに、芽生は正直驚いてしまう。

「あ、あのっ、千崎せんざきさん! 私、ここにいてもいいんです、か?」

 てっきり、何か釘を刺されたりお小言を言われたり……下手をすると『二人きりにするのは心配なので私もここで寝泊まりします』とか言い出されてしまうんじゃないかとすら思っていた芽生めいは、思わずそう問い掛けてしまったのだけれど。
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