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27.捨てられたんじゃ、ない?
遺産をネタに
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孫が男の子か女の子か、鳴矢へ告げなかったのもわざとだったが、鳴矢はそれを何故か訊いてこなかった。その時点でグッと鳴矢への不信感が高まったのは言うまでもない。
奈央子から沙奈のお腹にいた子は女の子だったと報告を受けていた栄蔵は、唯一の法定遺産相続人である子が、結婚適齢期の異性だと知った場合、鳴矢がどう動くか……何となく察しがついていた。
孫が無事見つからなかった場合、栄蔵の資産はほとんど全てが会社へ渡ると示唆していたのは、もしものとき孫に危害が及ばないようにするための保険のつもりだった。
悪知恵の働く鳴矢のことだ。もしも彼が孫の居場所を知っていたとしたら、栄蔵の全財産を手に入れるため、何としても孫を取り込もうとするはず。
そう思っていたのだが――。
まさか栄蔵が孫娘を探し始めるよりも遥かに前の段階で、鳴矢が用意周到にも孫娘への接触をはかっていたとは考えもしなかった。
もっと言えば鳴矢を跡継ぎにしないと告げるより先、息子に靡かない孫娘へ鳴海が短慮を起こして、唯一の法定相続人である芽生を亡き者にしようとするだなんて思いもしなかったのだ。きっと鳴海は栄蔵の血を引く孫さえいなくなれば、跡継ぎとして嘱望された鳴矢に田畑家の資産相続のチャンスが訪れると考えたんだろう。
鳴矢に跡継ぎの資質がないと通告したあと、細波母子はきっと、あのとき芽生を殺さなくて良かったと心底安堵したに違いない。
奈央子から聞かされた話を総合して鑑みるに、沙奈が産み落とした赤子を攫い、『陽だまり』へ捨てたのはきっと細波鳴海だ。
栄一郎が沙奈に話したという〝遠縁の者〟も鳴海だろう。
栄一郎が亡くなった当時、鳴矢はまだ七つかそこらの子供だったから、そうとしか考えられなかった。
物証こそなくて追い詰められないでいたけれど、鳴海にはある程度警戒をしていた栄蔵である。だが、まさか鳴矢までがそこまで卑劣な真似をするとは思わなかった。鳴矢が、芽生を何らかの形で自分の前へ連れてきたら、そのときに彼女を保護すればいいと安直に考えていた自分の浅はかさを呪いたくなった栄蔵である。
奈央子から沙奈のお腹にいた子は女の子だったと報告を受けていた栄蔵は、唯一の法定遺産相続人である子が、結婚適齢期の異性だと知った場合、鳴矢がどう動くか……何となく察しがついていた。
孫が無事見つからなかった場合、栄蔵の資産はほとんど全てが会社へ渡ると示唆していたのは、もしものとき孫に危害が及ばないようにするための保険のつもりだった。
悪知恵の働く鳴矢のことだ。もしも彼が孫の居場所を知っていたとしたら、栄蔵の全財産を手に入れるため、何としても孫を取り込もうとするはず。
そう思っていたのだが――。
まさか栄蔵が孫娘を探し始めるよりも遥かに前の段階で、鳴矢が用意周到にも孫娘への接触をはかっていたとは考えもしなかった。
もっと言えば鳴矢を跡継ぎにしないと告げるより先、息子に靡かない孫娘へ鳴海が短慮を起こして、唯一の法定相続人である芽生を亡き者にしようとするだなんて思いもしなかったのだ。きっと鳴海は栄蔵の血を引く孫さえいなくなれば、跡継ぎとして嘱望された鳴矢に田畑家の資産相続のチャンスが訪れると考えたんだろう。
鳴矢に跡継ぎの資質がないと通告したあと、細波母子はきっと、あのとき芽生を殺さなくて良かったと心底安堵したに違いない。
奈央子から聞かされた話を総合して鑑みるに、沙奈が産み落とした赤子を攫い、『陽だまり』へ捨てたのはきっと細波鳴海だ。
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物証こそなくて追い詰められないでいたけれど、鳴海にはある程度警戒をしていた栄蔵である。だが、まさか鳴矢までがそこまで卑劣な真似をするとは思わなかった。鳴矢が、芽生を何らかの形で自分の前へ連れてきたら、そのときに彼女を保護すればいいと安直に考えていた自分の浅はかさを呪いたくなった栄蔵である。
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