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*ふたりの初めて

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「――力抜けっ、なか、傷つけちまう」

 無意識に閉じようとする足を開かせておくため、音芽の足の間に身体を滑り込ませて内腿うちももを閉じられないようにしてからそうたしなめたら、

「そ、んなのっ、無理っ。温和はるまさっ、お願っ、指、抜い……っ」


 緊張のためか余計に音芽の下腹部に力が入って、内壁をこじ開けようと忍ばせていた俺の指を食いちぎりそうなくらい締め付けてくるんだ。


音芽おとめ。力入れたら余計痛いだろーが」

 言えば、「だったら指を抜いてくれたらいいのに」と言わんばかりの涙目で俺を見つめてイヤイヤをする。


 俺は仕方なく音芽の中に埋めた指を少し浅めの位置まで引き抜くと、入り口近くでツン、と張り詰めている敏感な突起をやんわりとこすった。

「ひゃ、っ、……あ?」

 俺の刺激にしっかり反応して固くちあがっていた秘芽は、ほんの少し触れただけでも音芽を狂わせる。
 そこから湧き上がる快感は、痛みを凌駕りょうがするのか、下腹部に込められていた音芽の力がふわりと弛緩して。


 俺はその波に乗って、音芽の中に再度深く指を侵入させた。


「あぁっ、はるま、さっ、ダメっ。おかしくなっちゃっ」


 音芽おとめが涙に潤んだで俺を見上げてきて……。
 彼女の中に沈めた指がきゅ、っと締め付けられた。


 ザラザラとうねるその感触に、理性まで根こそぎ持っていかれそうになる。



「おかしく……なれよ、音芽。俺も……お前が欲しくて狂いそうだ」


 欲望のままに音芽の耳元に唇を寄せると、俺は吐息まじりに願望を吐露した。


 もちろん、今まで異性とこう言う事をしたことがないわけじゃない。


 けど、ここまで相手の中に挿入はいりたいと渇望して、痛いくらいにが張り詰めたことはないんだ。



 俺はその熱を逃すみたいに熱い吐息を吐きながら……。それでもなお一刻も早く音芽とひとつになりたいと言う欲求から逃れられなくて。

 かなり性急に彼女に沈める指をもう一本増やしてしまう。



「……んんっ」

 
 途端音芽が苦しそうに眉根を寄せて……それでも俺の所業を許したいみたいに懸命に俺の指を受け入れてくれるんだ。


 そればかりか――。



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