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1章
学び舎の日々・1
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冬の朝は、夜が名残惜しく縋るのだと思う。
太陽が高さを増して冷気が緩んでも、ピンと張った冷気と海風が僕たちの足を急かす。
僕たちの周りにも、足早に街の中心へ向かう幾人もの子供たち。
僕たちの通う学校は、街の中心地にある。
始業の時間にはまだあるけど、のんびり歩いていたら遅刻してしまうくらいの時刻。
港の奥さんたちが作ってくれる漁師鍋はいつもおいしくておかわりをしてしまうし、番屋は暖かいしで、いつもつい外へ出る足が鈍って、学校へ向かうのが遅れがち。僕たち以外の子供もそうだから、僕とレオが特別食いしん坊なわけじゃない。
港から中心へ向かう大通りを海風に背中を押されながらせかせかと歩く子供たちの姿は、街の風物詩のひとつ。
「レオ、僕のカバン返して」
「すぐに学校につく。シーラは転ばないようにだけ気を付けて」
繋いだレオリムの手を少し引くと、首を少し傾げて僕を見て、真面目な顔でそう言った。
毎朝のことなんだけど、レオリムは番屋を出る時、一緒にしておいたカバンを二つとも持って出てしまう。数冊の教本と筆記具、お弁当が入っている程度だけど、二つも持っていたら重いはず。
片手は僕と手を繋いで、僕の足が遅れないように、軽く引っ張るように学校への道を急ぐんだ。
転んだことなんて、一度もない。たとえ躓いたって、レオが支えてくれるから。
「僕、カバン持っていたって転ばないよ?」
「うん。でも俺がそうしたいから」
そう言われてしまえば、後はただ手を引かれて学校への道を歩くだけ。
この時間、レオは、僕のことを甘やかす。
港での作業で僕から仕事を取り上げたりするわけじゃない。ちゃんと僕が出来ること、したいことを分かっていて、むやみやたらに甘やかすわけじゃないところが、絶妙なんだ。
赤ん坊の頃から一緒にいるから、そういうところはもう、空気みたいにお互いに分かる。
でも、最近少し考えるんだ。
このままでいいのかなって。
さっき訊きそびれた言葉がまた、胸の中を漂った。
学校へはいつも通り、始業前に着いた。門を通ると予鈴の鐘が鳴った。
うん、ちょうどいい。
小教室の子供たちが、おうちの人に見送られて、わらわらと校舎へ吸い込まれていく。小教室は、勉強というより、まだ親の手伝いの出来ない小さな子供たちをまとめて面倒見るような感じ。僕たちもお世話になった優しいおばあちゃん先生が、おはようと声を掛けている。
中教室の子供たちも、走ったり笑ったりしながら教室へ入っていく。やんちゃ盛りの子供たちに、先生たちはいつも手を焼いてる。
僕たちは大教室。
教室へ入れば、もう半数以上埋まっている。まだ来ていない子は、港の手伝いをしてきた子ばかり。その子たちも、鐘が鳴る前に到着して、教室はすっかり満たされる。
レオリムと隣同士の席に着いて、今朝の大漁について話している内、始業の鐘が鳴った。
今の時期、授業はもうない。
12歳から14歳の子が共に学ぶ大教室では、冬の弐の月の終わりと共に学校を去る僕たちのお見送り会の準備の最中だ。去年も盛大に一つ上の子たちのお見送り会をしたけど、今度は僕たちが見送られる番。なんだかくすぐったい。
今はこうして街中の子供たちが学校へ学びに来ているけど、一昔前はそうじゃなかったんだって。
15年程前、この街は季節外れの大きな嵐に見舞われて、多くの人が海に流され、街も大きな被害を受けたのだと、聞いている。
僕の母さんも、その時亡くなった一人だ。
そのせいか、うちでは大嵐の話はあまりしない。
普段は陽気な父さんだけど、母さんの話になると、眉毛を少し歪めて、肩が少し落ちる。訊けばなんでも教えてくれるけど。姉さんも、同じ。
ただ、二人共、母さんが僕を大切に思っていたことは伝えてくれた。
僕はそれで充分だと思ったし、父さんも姉さんも、レオもいるから、あまりさみしいと思ったことはない。
だから、学校で大嵐や街の歴史を習えたのは良かった。
その頃、街はもっと小さくて、ちょっと人の多い集落のようだったらしい。父さんは顔役としてみんなをまとめていたけど、領主なんて堅苦しいモンじゃなかったんだがなぁと、時々零す。
大嵐をきっかけに、州侯様が父さんを領主に任命して、一緒に街を整備して今のマウリの街があるのだと、街のみんなは、州侯様と、ウルマーさん(僕の父さん)のおかげだよって言ってくれる。
ちなみに、マウリという家名はその時賜ったんだって。
この辺りは元々マウリと呼ばれていて、領主に任じられた時に同時に準男爵に叙爵されて、マウリを名乗ることになったそうだ。領主は貴族以上じゃないとなれないから、一代限りの貴族位を与えられたってことみたい。
家名は、貴族や功績をあげた者にしかない。
どこそこのだれだれ、なんて、みんな、家名みたいもの、持ってるけどね。正式な家名は国に登録されたものだけ。マウリの街だと、うちだけかなぁ。義兄さんはお婿に入ったからマウリだし。
次の顔役はコイツかな、娘とも気が合うしと思っていた若者を、今は次の領主にするべく、びしばし鍛えてるんだって。
州侯様は、今はまだ準男爵だけど、マウリ家にはいずれ男爵になって、末永くマウリの街を守ってもらうからね、と街に視察に来るたび父さんと義兄さんに言って震え上がらせている。
貴族って柄じゃないのになぁ、だって。
姉さんと義兄さんの子は、男爵かもしれない。
今、姉さんのお腹には赤ちゃんがいるんだ。姪っ子のアランカは、お姉ちゃんになるのを楽しみにしてる。
僕も赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてるけど、まだ半年以上も先だから、生まれる頃は学園都市にいるんだろうなぁ。
レオと一緒に、赤ちゃんに会いたいなぁ。
そう思って隣のレオリムを見たら、目が合った。
僕のことずっと見てたの?
レオリムが大きな手で僕のほっぺたを撫でて、首を傾げた。
「どうした?」
「…姉さんの赤ちゃんに会えるの、いつかなぁと思って」
「うん。一緒に会いに帰ってこような」
うん。
レオと一緒なら、故郷を離れていても、きっとさみしくない。
頬に当てられた手に、僕も上から手を重ねて、ほっぺたと手で、ぎゅ、とした。
太陽が高さを増して冷気が緩んでも、ピンと張った冷気と海風が僕たちの足を急かす。
僕たちの周りにも、足早に街の中心へ向かう幾人もの子供たち。
僕たちの通う学校は、街の中心地にある。
始業の時間にはまだあるけど、のんびり歩いていたら遅刻してしまうくらいの時刻。
港の奥さんたちが作ってくれる漁師鍋はいつもおいしくておかわりをしてしまうし、番屋は暖かいしで、いつもつい外へ出る足が鈍って、学校へ向かうのが遅れがち。僕たち以外の子供もそうだから、僕とレオが特別食いしん坊なわけじゃない。
港から中心へ向かう大通りを海風に背中を押されながらせかせかと歩く子供たちの姿は、街の風物詩のひとつ。
「レオ、僕のカバン返して」
「すぐに学校につく。シーラは転ばないようにだけ気を付けて」
繋いだレオリムの手を少し引くと、首を少し傾げて僕を見て、真面目な顔でそう言った。
毎朝のことなんだけど、レオリムは番屋を出る時、一緒にしておいたカバンを二つとも持って出てしまう。数冊の教本と筆記具、お弁当が入っている程度だけど、二つも持っていたら重いはず。
片手は僕と手を繋いで、僕の足が遅れないように、軽く引っ張るように学校への道を急ぐんだ。
転んだことなんて、一度もない。たとえ躓いたって、レオが支えてくれるから。
「僕、カバン持っていたって転ばないよ?」
「うん。でも俺がそうしたいから」
そう言われてしまえば、後はただ手を引かれて学校への道を歩くだけ。
この時間、レオは、僕のことを甘やかす。
港での作業で僕から仕事を取り上げたりするわけじゃない。ちゃんと僕が出来ること、したいことを分かっていて、むやみやたらに甘やかすわけじゃないところが、絶妙なんだ。
赤ん坊の頃から一緒にいるから、そういうところはもう、空気みたいにお互いに分かる。
でも、最近少し考えるんだ。
このままでいいのかなって。
さっき訊きそびれた言葉がまた、胸の中を漂った。
学校へはいつも通り、始業前に着いた。門を通ると予鈴の鐘が鳴った。
うん、ちょうどいい。
小教室の子供たちが、おうちの人に見送られて、わらわらと校舎へ吸い込まれていく。小教室は、勉強というより、まだ親の手伝いの出来ない小さな子供たちをまとめて面倒見るような感じ。僕たちもお世話になった優しいおばあちゃん先生が、おはようと声を掛けている。
中教室の子供たちも、走ったり笑ったりしながら教室へ入っていく。やんちゃ盛りの子供たちに、先生たちはいつも手を焼いてる。
僕たちは大教室。
教室へ入れば、もう半数以上埋まっている。まだ来ていない子は、港の手伝いをしてきた子ばかり。その子たちも、鐘が鳴る前に到着して、教室はすっかり満たされる。
レオリムと隣同士の席に着いて、今朝の大漁について話している内、始業の鐘が鳴った。
今の時期、授業はもうない。
12歳から14歳の子が共に学ぶ大教室では、冬の弐の月の終わりと共に学校を去る僕たちのお見送り会の準備の最中だ。去年も盛大に一つ上の子たちのお見送り会をしたけど、今度は僕たちが見送られる番。なんだかくすぐったい。
今はこうして街中の子供たちが学校へ学びに来ているけど、一昔前はそうじゃなかったんだって。
15年程前、この街は季節外れの大きな嵐に見舞われて、多くの人が海に流され、街も大きな被害を受けたのだと、聞いている。
僕の母さんも、その時亡くなった一人だ。
そのせいか、うちでは大嵐の話はあまりしない。
普段は陽気な父さんだけど、母さんの話になると、眉毛を少し歪めて、肩が少し落ちる。訊けばなんでも教えてくれるけど。姉さんも、同じ。
ただ、二人共、母さんが僕を大切に思っていたことは伝えてくれた。
僕はそれで充分だと思ったし、父さんも姉さんも、レオもいるから、あまりさみしいと思ったことはない。
だから、学校で大嵐や街の歴史を習えたのは良かった。
その頃、街はもっと小さくて、ちょっと人の多い集落のようだったらしい。父さんは顔役としてみんなをまとめていたけど、領主なんて堅苦しいモンじゃなかったんだがなぁと、時々零す。
大嵐をきっかけに、州侯様が父さんを領主に任命して、一緒に街を整備して今のマウリの街があるのだと、街のみんなは、州侯様と、ウルマーさん(僕の父さん)のおかげだよって言ってくれる。
ちなみに、マウリという家名はその時賜ったんだって。
この辺りは元々マウリと呼ばれていて、領主に任じられた時に同時に準男爵に叙爵されて、マウリを名乗ることになったそうだ。領主は貴族以上じゃないとなれないから、一代限りの貴族位を与えられたってことみたい。
家名は、貴族や功績をあげた者にしかない。
どこそこのだれだれ、なんて、みんな、家名みたいもの、持ってるけどね。正式な家名は国に登録されたものだけ。マウリの街だと、うちだけかなぁ。義兄さんはお婿に入ったからマウリだし。
次の顔役はコイツかな、娘とも気が合うしと思っていた若者を、今は次の領主にするべく、びしばし鍛えてるんだって。
州侯様は、今はまだ準男爵だけど、マウリ家にはいずれ男爵になって、末永くマウリの街を守ってもらうからね、と街に視察に来るたび父さんと義兄さんに言って震え上がらせている。
貴族って柄じゃないのになぁ、だって。
姉さんと義兄さんの子は、男爵かもしれない。
今、姉さんのお腹には赤ちゃんがいるんだ。姪っ子のアランカは、お姉ちゃんになるのを楽しみにしてる。
僕も赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてるけど、まだ半年以上も先だから、生まれる頃は学園都市にいるんだろうなぁ。
レオと一緒に、赤ちゃんに会いたいなぁ。
そう思って隣のレオリムを見たら、目が合った。
僕のことずっと見てたの?
レオリムが大きな手で僕のほっぺたを撫でて、首を傾げた。
「どうした?」
「…姉さんの赤ちゃんに会えるの、いつかなぁと思って」
「うん。一緒に会いに帰ってこような」
うん。
レオと一緒なら、故郷を離れていても、きっとさみしくない。
頬に当てられた手に、僕も上から手を重ねて、ほっぺたと手で、ぎゅ、とした。
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