3 / 86
1章
学び舎の日々・1
しおりを挟む
冬の朝は、夜が名残惜しく縋るのだと思う。
太陽が高さを増して冷気が緩んでも、ピンと張った冷気と海風が僕たちの足を急かす。
僕たちの周りにも、足早に街の中心へ向かう幾人もの子供たち。
僕たちの通う学校は、街の中心地にある。
始業の時間にはまだあるけど、のんびり歩いていたら遅刻してしまうくらいの時刻。
港の奥さんたちが作ってくれる漁師鍋はいつもおいしくておかわりをしてしまうし、番屋は暖かいしで、いつもつい外へ出る足が鈍って、学校へ向かうのが遅れがち。僕たち以外の子供もそうだから、僕とレオが特別食いしん坊なわけじゃない。
港から中心へ向かう大通りを海風に背中を押されながらせかせかと歩く子供たちの姿は、街の風物詩のひとつ。
「レオ、僕のカバン返して」
「すぐに学校につく。シーラは転ばないようにだけ気を付けて」
繋いだレオリムの手を少し引くと、首を少し傾げて僕を見て、真面目な顔でそう言った。
毎朝のことなんだけど、レオリムは番屋を出る時、一緒にしておいたカバンを二つとも持って出てしまう。数冊の教本と筆記具、お弁当が入っている程度だけど、二つも持っていたら重いはず。
片手は僕と手を繋いで、僕の足が遅れないように、軽く引っ張るように学校への道を急ぐんだ。
転んだことなんて、一度もない。たとえ躓いたって、レオが支えてくれるから。
「僕、カバン持っていたって転ばないよ?」
「うん。でも俺がそうしたいから」
そう言われてしまえば、後はただ手を引かれて学校への道を歩くだけ。
この時間、レオは、僕のことを甘やかす。
港での作業で僕から仕事を取り上げたりするわけじゃない。ちゃんと僕が出来ること、したいことを分かっていて、むやみやたらに甘やかすわけじゃないところが、絶妙なんだ。
赤ん坊の頃から一緒にいるから、そういうところはもう、空気みたいにお互いに分かる。
でも、最近少し考えるんだ。
このままでいいのかなって。
さっき訊きそびれた言葉がまた、胸の中を漂った。
学校へはいつも通り、始業前に着いた。門を通ると予鈴の鐘が鳴った。
うん、ちょうどいい。
小教室の子供たちが、おうちの人に見送られて、わらわらと校舎へ吸い込まれていく。小教室は、勉強というより、まだ親の手伝いの出来ない小さな子供たちをまとめて面倒見るような感じ。僕たちもお世話になった優しいおばあちゃん先生が、おはようと声を掛けている。
中教室の子供たちも、走ったり笑ったりしながら教室へ入っていく。やんちゃ盛りの子供たちに、先生たちはいつも手を焼いてる。
僕たちは大教室。
教室へ入れば、もう半数以上埋まっている。まだ来ていない子は、港の手伝いをしてきた子ばかり。その子たちも、鐘が鳴る前に到着して、教室はすっかり満たされる。
レオリムと隣同士の席に着いて、今朝の大漁について話している内、始業の鐘が鳴った。
今の時期、授業はもうない。
12歳から14歳の子が共に学ぶ大教室では、冬の弐の月の終わりと共に学校を去る僕たちのお見送り会の準備の最中だ。去年も盛大に一つ上の子たちのお見送り会をしたけど、今度は僕たちが見送られる番。なんだかくすぐったい。
今はこうして街中の子供たちが学校へ学びに来ているけど、一昔前はそうじゃなかったんだって。
15年程前、この街は季節外れの大きな嵐に見舞われて、多くの人が海に流され、街も大きな被害を受けたのだと、聞いている。
僕の母さんも、その時亡くなった一人だ。
そのせいか、うちでは大嵐の話はあまりしない。
普段は陽気な父さんだけど、母さんの話になると、眉毛を少し歪めて、肩が少し落ちる。訊けばなんでも教えてくれるけど。姉さんも、同じ。
ただ、二人共、母さんが僕を大切に思っていたことは伝えてくれた。
僕はそれで充分だと思ったし、父さんも姉さんも、レオもいるから、あまりさみしいと思ったことはない。
だから、学校で大嵐や街の歴史を習えたのは良かった。
その頃、街はもっと小さくて、ちょっと人の多い集落のようだったらしい。父さんは顔役としてみんなをまとめていたけど、領主なんて堅苦しいモンじゃなかったんだがなぁと、時々零す。
大嵐をきっかけに、州侯様が父さんを領主に任命して、一緒に街を整備して今のマウリの街があるのだと、街のみんなは、州侯様と、ウルマーさん(僕の父さん)のおかげだよって言ってくれる。
ちなみに、マウリという家名はその時賜ったんだって。
この辺りは元々マウリと呼ばれていて、領主に任じられた時に同時に準男爵に叙爵されて、マウリを名乗ることになったそうだ。領主は貴族以上じゃないとなれないから、一代限りの貴族位を与えられたってことみたい。
家名は、貴族や功績をあげた者にしかない。
どこそこのだれだれ、なんて、みんな、家名みたいもの、持ってるけどね。正式な家名は国に登録されたものだけ。マウリの街だと、うちだけかなぁ。義兄さんはお婿に入ったからマウリだし。
次の顔役はコイツかな、娘とも気が合うしと思っていた若者を、今は次の領主にするべく、びしばし鍛えてるんだって。
州侯様は、今はまだ準男爵だけど、マウリ家にはいずれ男爵になって、末永くマウリの街を守ってもらうからね、と街に視察に来るたび父さんと義兄さんに言って震え上がらせている。
貴族って柄じゃないのになぁ、だって。
姉さんと義兄さんの子は、男爵かもしれない。
今、姉さんのお腹には赤ちゃんがいるんだ。姪っ子のアランカは、お姉ちゃんになるのを楽しみにしてる。
僕も赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてるけど、まだ半年以上も先だから、生まれる頃は学園都市にいるんだろうなぁ。
レオと一緒に、赤ちゃんに会いたいなぁ。
そう思って隣のレオリムを見たら、目が合った。
僕のことずっと見てたの?
レオリムが大きな手で僕のほっぺたを撫でて、首を傾げた。
「どうした?」
「…姉さんの赤ちゃんに会えるの、いつかなぁと思って」
「うん。一緒に会いに帰ってこような」
うん。
レオと一緒なら、故郷を離れていても、きっとさみしくない。
頬に当てられた手に、僕も上から手を重ねて、ほっぺたと手で、ぎゅ、とした。
太陽が高さを増して冷気が緩んでも、ピンと張った冷気と海風が僕たちの足を急かす。
僕たちの周りにも、足早に街の中心へ向かう幾人もの子供たち。
僕たちの通う学校は、街の中心地にある。
始業の時間にはまだあるけど、のんびり歩いていたら遅刻してしまうくらいの時刻。
港の奥さんたちが作ってくれる漁師鍋はいつもおいしくておかわりをしてしまうし、番屋は暖かいしで、いつもつい外へ出る足が鈍って、学校へ向かうのが遅れがち。僕たち以外の子供もそうだから、僕とレオが特別食いしん坊なわけじゃない。
港から中心へ向かう大通りを海風に背中を押されながらせかせかと歩く子供たちの姿は、街の風物詩のひとつ。
「レオ、僕のカバン返して」
「すぐに学校につく。シーラは転ばないようにだけ気を付けて」
繋いだレオリムの手を少し引くと、首を少し傾げて僕を見て、真面目な顔でそう言った。
毎朝のことなんだけど、レオリムは番屋を出る時、一緒にしておいたカバンを二つとも持って出てしまう。数冊の教本と筆記具、お弁当が入っている程度だけど、二つも持っていたら重いはず。
片手は僕と手を繋いで、僕の足が遅れないように、軽く引っ張るように学校への道を急ぐんだ。
転んだことなんて、一度もない。たとえ躓いたって、レオが支えてくれるから。
「僕、カバン持っていたって転ばないよ?」
「うん。でも俺がそうしたいから」
そう言われてしまえば、後はただ手を引かれて学校への道を歩くだけ。
この時間、レオは、僕のことを甘やかす。
港での作業で僕から仕事を取り上げたりするわけじゃない。ちゃんと僕が出来ること、したいことを分かっていて、むやみやたらに甘やかすわけじゃないところが、絶妙なんだ。
赤ん坊の頃から一緒にいるから、そういうところはもう、空気みたいにお互いに分かる。
でも、最近少し考えるんだ。
このままでいいのかなって。
さっき訊きそびれた言葉がまた、胸の中を漂った。
学校へはいつも通り、始業前に着いた。門を通ると予鈴の鐘が鳴った。
うん、ちょうどいい。
小教室の子供たちが、おうちの人に見送られて、わらわらと校舎へ吸い込まれていく。小教室は、勉強というより、まだ親の手伝いの出来ない小さな子供たちをまとめて面倒見るような感じ。僕たちもお世話になった優しいおばあちゃん先生が、おはようと声を掛けている。
中教室の子供たちも、走ったり笑ったりしながら教室へ入っていく。やんちゃ盛りの子供たちに、先生たちはいつも手を焼いてる。
僕たちは大教室。
教室へ入れば、もう半数以上埋まっている。まだ来ていない子は、港の手伝いをしてきた子ばかり。その子たちも、鐘が鳴る前に到着して、教室はすっかり満たされる。
レオリムと隣同士の席に着いて、今朝の大漁について話している内、始業の鐘が鳴った。
今の時期、授業はもうない。
12歳から14歳の子が共に学ぶ大教室では、冬の弐の月の終わりと共に学校を去る僕たちのお見送り会の準備の最中だ。去年も盛大に一つ上の子たちのお見送り会をしたけど、今度は僕たちが見送られる番。なんだかくすぐったい。
今はこうして街中の子供たちが学校へ学びに来ているけど、一昔前はそうじゃなかったんだって。
15年程前、この街は季節外れの大きな嵐に見舞われて、多くの人が海に流され、街も大きな被害を受けたのだと、聞いている。
僕の母さんも、その時亡くなった一人だ。
そのせいか、うちでは大嵐の話はあまりしない。
普段は陽気な父さんだけど、母さんの話になると、眉毛を少し歪めて、肩が少し落ちる。訊けばなんでも教えてくれるけど。姉さんも、同じ。
ただ、二人共、母さんが僕を大切に思っていたことは伝えてくれた。
僕はそれで充分だと思ったし、父さんも姉さんも、レオもいるから、あまりさみしいと思ったことはない。
だから、学校で大嵐や街の歴史を習えたのは良かった。
その頃、街はもっと小さくて、ちょっと人の多い集落のようだったらしい。父さんは顔役としてみんなをまとめていたけど、領主なんて堅苦しいモンじゃなかったんだがなぁと、時々零す。
大嵐をきっかけに、州侯様が父さんを領主に任命して、一緒に街を整備して今のマウリの街があるのだと、街のみんなは、州侯様と、ウルマーさん(僕の父さん)のおかげだよって言ってくれる。
ちなみに、マウリという家名はその時賜ったんだって。
この辺りは元々マウリと呼ばれていて、領主に任じられた時に同時に準男爵に叙爵されて、マウリを名乗ることになったそうだ。領主は貴族以上じゃないとなれないから、一代限りの貴族位を与えられたってことみたい。
家名は、貴族や功績をあげた者にしかない。
どこそこのだれだれ、なんて、みんな、家名みたいもの、持ってるけどね。正式な家名は国に登録されたものだけ。マウリの街だと、うちだけかなぁ。義兄さんはお婿に入ったからマウリだし。
次の顔役はコイツかな、娘とも気が合うしと思っていた若者を、今は次の領主にするべく、びしばし鍛えてるんだって。
州侯様は、今はまだ準男爵だけど、マウリ家にはいずれ男爵になって、末永くマウリの街を守ってもらうからね、と街に視察に来るたび父さんと義兄さんに言って震え上がらせている。
貴族って柄じゃないのになぁ、だって。
姉さんと義兄さんの子は、男爵かもしれない。
今、姉さんのお腹には赤ちゃんがいるんだ。姪っ子のアランカは、お姉ちゃんになるのを楽しみにしてる。
僕も赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてるけど、まだ半年以上も先だから、生まれる頃は学園都市にいるんだろうなぁ。
レオと一緒に、赤ちゃんに会いたいなぁ。
そう思って隣のレオリムを見たら、目が合った。
僕のことずっと見てたの?
レオリムが大きな手で僕のほっぺたを撫でて、首を傾げた。
「どうした?」
「…姉さんの赤ちゃんに会えるの、いつかなぁと思って」
「うん。一緒に会いに帰ってこような」
うん。
レオと一緒なら、故郷を離れていても、きっとさみしくない。
頬に当てられた手に、僕も上から手を重ねて、ほっぺたと手で、ぎゅ、とした。
31
あなたにおすすめの小説
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
四天王一の最弱ゴブリンですが、何故か勇者に求婚されています
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
「アイツは四天王一の最弱」と呼ばれるポジションにいるゴブリンのオルディナ。
とうとう現れた勇者と対峙をしたが──なぜか求婚されていた。倒すための作戦かと思われたが、その愛おしげな瞳は嘘を言っているようには見えなくて──
「運命だ。結婚しよう」
「……敵だよ?」
「ああ。障壁は付き物だな」
勇者×ゴブリン
超短編BLです。
過去のやらかしと野営飯
琉斗六
BL
◎あらすじ
かつて「指導官ランスロット」は、冒険者見習いだった少年に言った。
「一級になったら、また一緒に冒険しような」
──その約束を、九年後に本当に果たしに来るやつがいるとは思わなかった。
美形・高スペック・最強格の一級冒険者ユーリイは、かつて教えを受けたランスに執着し、今や完全に「推しのために人生を捧げるモード」突入済み。
それなのに、肝心のランスは四十目前のとほほおっさん。
昔より体力も腰もガタガタで、今は新人指導や野営飯を作る生活に満足していたのに──。
「討伐依頼? サポート指名? 俺、三級なんだが??」
寝床、飯、パンツ、ついでに心まで脱がされる、
執着わんこ攻め × おっさん受けの野営BLファンタジー!
◎その他
この物語は、複数のサイトに投稿されています。
炎の精霊王の愛に満ちて
陽花紫
BL
異世界転移してしまったミヤは、森の中で寒さに震えていた。暖をとるために焚火をすれば、そこから精霊王フレアが姿を現す。
悪しき魔術師によって封印されていたフレアはその礼として「願いをひとつ叶えてやろう」とミヤ告げる。しかし無欲なミヤには、願いなど浮かばなかった。フレアはミヤに欲望を与え、いまいちど願いを尋ねる。
ミヤは答えた。「俺を、愛して」
小説家になろうにも掲載中です。
【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話
日向汐
BL
「好きです」
「…手離せよ」
「いやだ、」
じっと見つめてくる眼力に気圧される。
ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26)
閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、
一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
📚 **全5話/9月20日(土)完結!** ✨
短期でサクッと読める完結作です♡
ぜひぜひ
ゆるりとお楽しみください☻*
・───────────・
🧸更新のお知らせや、2人の“舞台裏”の小話🫧
❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21
・───────────・
応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪)
なにとぞ、よしなに♡
・───────────・
後宮に咲く美しき寵后
不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。
フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。
そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。
縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。
ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。
情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。
狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。
縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。
猫カフェの溺愛契約〜獣人の甘い約束〜
なの
BL
人見知りの悠月――ゆづきにとって、叔父が営む保護猫カフェ「ニャンコの隠れ家」だけが心の居場所だった。
そんな悠月には昔から猫の言葉がわかる――という特殊な能力があった。
しかし経営難で閉店の危機に……
愛する猫たちとの別れが迫る中、運命を変える男が現れた。
猫のような美しい瞳を持つ謎の客・玲音――れお。
彼が差し出したのは「店を救う代わりに、お前と契約したい」という甘い誘惑。
契約のはずが、いつしか年の差を超えた溺愛に包まれて――
甘々すぎる生活に、だんだんと心が溶けていく悠月。
だけど玲音には秘密があった。
満月の夜に現れる獣の姿。猫たちだけが知る彼の正体、そして命をかけた契約の真実
「君を守るためなら、俺は何でもする」
これは愛なのか契約だけなのか……
すべてを賭けた禁断の恋の行方は?
猫たちが見守る小さなカフェで紡がれる、奇跡のハッピーエンド。
強欲なる花嫁は総てを諦めない
浦霧らち
BL
皮肉と才知と美貌をひっさげて、帝国の社交界を渡ってきた伯爵令息・エルンスト──その名には〝強欲〟の二文字が付き纏う。
そんなエルンストが戦功の褒美と称されて嫁がされたのは、冷血と噂される狼の獣人公爵・ローガンのもとだった。
やがて彼のことを知っていくうちに、エルンストは惹かれていく心を誤魔化せなくなる。
エルンストは彼に応える術を探しはじめる。荒れた公爵領を改革し、完璧な伴侶として傍に立つために。
強欲なる花嫁は、総てを手に入れるまで諦めない。
※性描写がある場合には*を付けています。が、後半になると思います。
※ご都合主義のため、整合性は無いに等しいです、雰囲気で読んでください。
※自分の性癖(誤用)にしか配慮しておりません。
※書き溜めたストックが無くなり次第、ノロノロ更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる