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婚約者編
求愛行動1
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「レーナ、わたし、どうしたらいいの?! アルが数多の女性と関係を持ってたことがわかったの!」
レーナは三つ年上で、市井にいた時は薬師のおばあさんのもと、見習いとして大勢の人々の医療に携わっていた。 見聞きした知識は豊富で人生経験が豊かなレーナは、わたしにとって人生の先輩であり、姉のように頼れる存在だ。
アルのことも、竜族とは言ってないけど、恋人なのだと紹介して、いろいろ相談にのってもらっていた。
あまりのショックに離宮を飛び出し、レーナの部屋に飛び込んで、おいおい泣きながら訴える。
きっとフォンテーヌ様みたいな、胸の大きな女としてたに決まってる!
美しい美貌とナイスバディを持つ自分の肉体に自信がある千人もの女性達・・・・・・かなうわけない。
バカだった。
わたしはアルが大好きで、アルもわたしを愛してくれてる。
初恋にすっかり浮かれていたわたしは、周りが目に入っていなかった。
この幾万もの男女が入り乱れる世界を、女はわたし一人きりで、男はアルだけしかいない二人きりの世界だと錯覚してしまっていた。
「リアの気持ちはわかるけど、仕方がないわよ。アルさんはいい年なんだし、イケメンだからさ、周りの女が放っておくわけないもの」
「でも、アルは安心していいって、言ったんだもん! 恋人も愛した人もいないって、言ってたのに! わたしだけって! わたしだけって言ってたのに! アルの嘘つき! どうして、愛してもいないそんな行きずりの人とするの? キスとかそういうのって、愛情を確かめ合うためにするものでしょう?」
そんなのって、不潔よ! アルの節操なし! エロじじい! 不埒者! 色情魔!
ここに居ないアルに向けて罵詈雑言を浴びせた。
「あー、リアって普段は聡明で大人びたことを言うくせに、意外にウブというか子供っぽいと言うか・・・」
レーナにも子供っぽいと言われて、忘れてしまいたかったフォンテーヌ様とのやりとりを思い出す。
『婚約者がこんなに子供っぽい方では、シュヴァイツ侯爵様もお可哀想に。でも、そうね、ふふ、これならまだまだチャンスはありそうだから、今日のところは帰ってあげる。侯爵様もどなたかのお部屋で朝寝をされていることでしょうしね。でも、せっかくここまで来たのだから、伝言をお願い出来るかしら? 私、侯爵様を満足させる自信はあるの』
『どれだけ待っても、チャンスなんてありませんから!!』
フォンテーヌ様にコンプレックスの小さな胸を笑われて、悔しくて悲しくて、一言言い返すのがやっとだった。
アルは疑いようがないくらいわたしを愛してくれてるし、恋人でもなかった過去の大昔のことで、アルを責めるのはお門違いだって頭ではわかってるけど、女性として自信がないわたしはどうしようもなく心が波立った。
「夢を壊すのは可哀想な気がするけど、いつかは登らなきゃいけない大人の階段かもね」
おいおい泣くわたしに、なぜかレーナは生物学に基づいた性教育の講義をし始め、わたしはできれば一生知りたくなかった、水族館のアイドルであるラッコの雄が、雌やアザラシの赤ちゃんをレイプするという話を聞かされた。
のんびりぷかぷか、仲良く手を繋いで浮いている姿に癒されていたのに。
「つまり、雄が健気に物をプレゼントしたり求愛ダンスを踊ったりするのは、強制的か平和的かの違いだけで、ラッコの雄と同じよ。すべて交尾がしたいからなの」
レーナの講義によると、雄とは繁殖力を牽引するために、本能的に性欲が旺盛にできているらしい。
生理的にも精子を巻き散らかすようにつくられているのだとか。
「恋愛も性愛も愛のひとつの形よ。いいこと、リア、私達女は、そんな男の性質を十分理解した上で、自らが望む愛を勝ち得るの」
あとは自分で勉強しなさいと生物学の本を渡される。
部屋に引きこもり、レーナに借りた本で学びながら、いろいろ思考を巡らせた。
どうして、アルは数多の女性の中から、わたしを選んでくれたのだろう。
そして、どうしてわたしはアルでなければならないと思うのだろう。
レーナは三つ年上で、市井にいた時は薬師のおばあさんのもと、見習いとして大勢の人々の医療に携わっていた。 見聞きした知識は豊富で人生経験が豊かなレーナは、わたしにとって人生の先輩であり、姉のように頼れる存在だ。
アルのことも、竜族とは言ってないけど、恋人なのだと紹介して、いろいろ相談にのってもらっていた。
あまりのショックに離宮を飛び出し、レーナの部屋に飛び込んで、おいおい泣きながら訴える。
きっとフォンテーヌ様みたいな、胸の大きな女としてたに決まってる!
美しい美貌とナイスバディを持つ自分の肉体に自信がある千人もの女性達・・・・・・かなうわけない。
バカだった。
わたしはアルが大好きで、アルもわたしを愛してくれてる。
初恋にすっかり浮かれていたわたしは、周りが目に入っていなかった。
この幾万もの男女が入り乱れる世界を、女はわたし一人きりで、男はアルだけしかいない二人きりの世界だと錯覚してしまっていた。
「リアの気持ちはわかるけど、仕方がないわよ。アルさんはいい年なんだし、イケメンだからさ、周りの女が放っておくわけないもの」
「でも、アルは安心していいって、言ったんだもん! 恋人も愛した人もいないって、言ってたのに! わたしだけって! わたしだけって言ってたのに! アルの嘘つき! どうして、愛してもいないそんな行きずりの人とするの? キスとかそういうのって、愛情を確かめ合うためにするものでしょう?」
そんなのって、不潔よ! アルの節操なし! エロじじい! 不埒者! 色情魔!
ここに居ないアルに向けて罵詈雑言を浴びせた。
「あー、リアって普段は聡明で大人びたことを言うくせに、意外にウブというか子供っぽいと言うか・・・」
レーナにも子供っぽいと言われて、忘れてしまいたかったフォンテーヌ様とのやりとりを思い出す。
『婚約者がこんなに子供っぽい方では、シュヴァイツ侯爵様もお可哀想に。でも、そうね、ふふ、これならまだまだチャンスはありそうだから、今日のところは帰ってあげる。侯爵様もどなたかのお部屋で朝寝をされていることでしょうしね。でも、せっかくここまで来たのだから、伝言をお願い出来るかしら? 私、侯爵様を満足させる自信はあるの』
『どれだけ待っても、チャンスなんてありませんから!!』
フォンテーヌ様にコンプレックスの小さな胸を笑われて、悔しくて悲しくて、一言言い返すのがやっとだった。
アルは疑いようがないくらいわたしを愛してくれてるし、恋人でもなかった過去の大昔のことで、アルを責めるのはお門違いだって頭ではわかってるけど、女性として自信がないわたしはどうしようもなく心が波立った。
「夢を壊すのは可哀想な気がするけど、いつかは登らなきゃいけない大人の階段かもね」
おいおい泣くわたしに、なぜかレーナは生物学に基づいた性教育の講義をし始め、わたしはできれば一生知りたくなかった、水族館のアイドルであるラッコの雄が、雌やアザラシの赤ちゃんをレイプするという話を聞かされた。
のんびりぷかぷか、仲良く手を繋いで浮いている姿に癒されていたのに。
「つまり、雄が健気に物をプレゼントしたり求愛ダンスを踊ったりするのは、強制的か平和的かの違いだけで、ラッコの雄と同じよ。すべて交尾がしたいからなの」
レーナの講義によると、雄とは繁殖力を牽引するために、本能的に性欲が旺盛にできているらしい。
生理的にも精子を巻き散らかすようにつくられているのだとか。
「恋愛も性愛も愛のひとつの形よ。いいこと、リア、私達女は、そんな男の性質を十分理解した上で、自らが望む愛を勝ち得るの」
あとは自分で勉強しなさいと生物学の本を渡される。
部屋に引きこもり、レーナに借りた本で学びながら、いろいろ思考を巡らせた。
どうして、アルは数多の女性の中から、わたしを選んでくれたのだろう。
そして、どうしてわたしはアルでなければならないと思うのだろう。
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