竜王様のヘタレな恋 ーR18バージョンー

Arara

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終編

番いの意味2

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 アルは優しかった。
 ずっと痛くないか、大丈夫かと気遣ってくれる。
 だから、本当は痛かったけど、大丈夫痛くないよと言って我慢した。
 肉体の苦痛より、アルに求められる悦びの方がずっと大きくて、嬉しくて幸せな気持ちになる。
 そして、アルが喜悦の声を洩らせば、身も心も歓喜に震えた。
 夢中になって互いを求め合う。

「ローリー、すまぬ、もうこれ以上は、抑えられぬっ」

 アルに翻弄されてくらくらする中、その呟きを聞いた。
 と同時に、アルに深く口づけされて、怒涛の如く魔力を流し込まれる。
 わたしはその魔力に呑み込まれ、溺れ、苦しくて、もがいてアルから逃れようとしたけど、ゆるしてもらえなかった。

「駄目だ、ローリー。拒絶してはならぬ。我を受け入れよ」

 アルに命令されて、わたしは抵抗を解き、身をゆだねる。
 貫かれた痛みの比ではないほどの苦痛に、肉体は悲鳴を上げていたけれど、心はすでにアルに寄り添っていて、精神的な悦びに満たされていた。


「ああっ」

 アルがわたしの中で射精し、痺れるような快感がわたしを襲う。
 思わず洩らした声は、アルのものなのかわたしのものなのか。
 わたしはとても幸せだった。

『アル、何コレ。わたし達ひとつになってる』

『ああ、本当に。我もこのような経験は初めてゆえ、不思議だな。だが大層心地よい』

『うん。満たされてる。それに、とっても幸せ』

『ああ、その通りだ。また再び逢うことが出来たな』

『ええ、わたし達は恋をして、また一つになった』

『ああ、その通りだ』


 ようやく一つに戻れて、安堵の気持ちでいっぱいになった。
 なんとなくそんな気がするだけだけど、わたしはとても嬉しかった。
 だから、ずっとこのままでいたかったけど、アルがわたしの肉体に負担がかかると言って、融合を解いてしまった。

 魂が引き裂かれた時、痛みこそなかったものの、ひどい悲しみにわたしは襲われた。
 はらはら涙を流すわたしをアルはしっかり抱きとめてくれる。

「心配せずともよい。我はそなたから離れはせぬ。我らはずっと一緒だ」

「うん、そうだよね。アル、傍にいて。ずっとわたしを離さないで」

 力強く抱きしめてくれていたアルが体を離し、わたしの目の前に顔をぬっと近付けると、ニヤリといやらしい笑いを浮かべる。

「ああ、それにな、肉体だけなら何度でもひとつに出来るぞ?」

 

 アルは、ずっと綺麗だ綺麗だって言ってくれたし、何度も何度も愛してくれた。
 ってことは、この小さな胸でもがっかりしてないってことよね?
 






 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 アルはわたしの唯一無二の半身であり、愛しい夫でもある。

「アル、ルカをこちらに渡して」

「父上、お願い。母上に渡さないで。殺されちゃうよ」

「馬鹿ね、愛しい息子を殺すわけないじゃない。ちょっと締め上げるだけよ」

「い、いやだ! 父上助けて!」

「アル、聞いちゃ駄目! ルカはね、触らないでって言ってあったのに、わ、わたしの大切な研究資料を全部パアにしたのよ!」

「だから、謝ったじゃないか! 出しっぱなしにしておくからだよ」

「実験の途中だったのよ!」

「まあまあ、ほら、ダイアナがそなたを見て怯えておるぞ? ルカウスのことは我に免じて許してやってくれ」

 間に挟まっていたアルが仲裁に割って入り、わたしじゃなくて子供の味方についた。
 愛しい夫でも、こういう時は少々小憎らしい。
 アルはイクメンだけど、子供に甘過ぎる!
 
「甘やかさないで!」

「母上、あまり怒ると体に障りますよ。仕置きは僕に任せて、母上は父上に慰めてもらって下さい。さあ、ダイアナ、こちらにおいで」

 長男のゼファーが三女のダイアナに腕を差し出し、ダイアナは名残惜しそうな素振りを見せながらも「キュキュ」と鳴いて、アルの肩からゼファーの方に移った。

「ルカ、行くぞ」

 二人と一匹がアルの執務室から出て行くのを見送ってから、アルに文句を言った。

「もう、子供に甘過ぎるわよ! しつけにならないじゃない!」

「そうか? 皆、そなたにうりふたつで可愛くてな。叱る気にならんのだ」

 アルに導かれるまま、膝の上に座り、アルの胸にもたれ掛かった。

「苦しくないか?」

「うん」

 わたしは今、七番目の子供を妊娠中。
 アルとわたしの魔力の相性は良く、ぽこぽこ子竜が産まれる。
 わたしが妊娠する度にぴりぴりナーバスになっていたアルでさえ、今ではもう慣れっこだ。
 頭を撫でて、優しくキスして、ゼファーの言った通りにわたしを慰めてくれている。

「うりふたつって、アルにでしょう?」

 ダイアナはまだ人型になれないから分からないけど、でも黒い鱗に金の瞳は上の五人と同じだから、多分人型になってもアルや他の五人と同じ、黒髪に黒い瞳の美形になるに違いない。
 
「いや、そなたにだ。聡明で皆、心優しい」

 心優しい性質はアルの方だと思うんだけどな。

「ルカはな、身重のそなたを手伝いたかっただけなのだ。失敗したようだがな」

「え? そうなの!? それならそうと言えばいいのに」

「ルカは特にプライドが高いゆえな、失敗したとは言いたく無かったのだろう。な? 誰かと同じだろう? ははは」

 ・・・・・・


 アルは明るく、よく笑うようになった。アルが笑うと嬉しい。

「ね、今度はどっちかな? どう思う?」

「さぁな? でもどっちにしてもそなた似の可愛い子竜が産まれる。我は幸せだ」

 アルはわたしの膨らんだお腹を優しく撫でながら言った。

「わたしも幸せよ」

 あなたとあなた・・・によく似た子供達に囲まれて、ね。
 

 

 
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