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第7章 新国テンプルム
第320話 うっかり…
ネネの衝撃の発言でゾディーさんたちと僕はパニックを起こしかけたが、すぐに我に返り、アダマンキャタピラーへと向き直って態勢を整える。
しかし、ネネは意外と天然だな。自分がどんなヤバいこと言ったのか全然理解してないみたいだし。
外見が13、4歳にしか見えないだけに、さっきの言葉にはみんな度肝を抜かれたよ。
実年齢は27歳のクセに、ひょっとして眷女メンバーの誰よりもあの手のことに無知なのでは……?
「こりゃとんでもない大物と当たっちまったね。怪物の正体が、まさかアダマンキャタピラーだったとは……コイツにはアタシの石化が効かない!」
ゾディーさんの言う通り、解析してみるとアダマンキャタピラーは『石化無効』を持っていた。なので、レベル10である僕の『石化視線』でも効かない。
外殻がアダマンタイトだもんなあ……これを石には変化させられないよね。
まあ『即死無効』は持ってないようなので、『呪王の死睨』ですぐ殺せそうだけど、こういうモンスターを失うのは勿体ないと感じるようになったんだよね。
試してみたいことがいっぱいあるので。
とりあえず、『魔獣支配』を使ってみよう。
「テイム!」
アダマンキャタピラーにテイムを仕掛けてみる。
……おっと、従僕度が足らないと出た。これは力関係を教えてやれば、忠誠を誓ってくれるというサインだ。
つまり、アダマンキャタピラーを屈服させればいいんだけど、このデカさのモンスターを降参させるまで痛めつけるのは、ちょっと骨が折れるかな。
現在『魔獣支配』はレベル7なので、レベル8にすれば問題なくテイムできると思う。
1つレベルが上がるだけで、効果は格段に上がるからね。
ということで、12億8000万経験値を使って、『魔獣支配』をレベル8に上げる。
残りの経験値ストックは29億3000万。
「バカだねこの子は! アダマンキャタピラーなんてテイムできるわけないだろうに……! 勝手に付いてきたうえにコレじゃ、全く困った坊やだよ! いくよアンタたちっ!」
「御意!」
「ゾディー様、我らにお任せを!」
「いいかい、コイツの気を引き付けるんだよ。アタシが一撃でケリを付けてやる! コイツはまさに、アタシの『蒼魂鋼の剣』を使うに相応しい相手だよ!」
ああああ、ちょ、ちょっと待ったーっ!
僕としたことが、みんなの安全を確保してからスキルをレベルアップさせるべきだった!
あと少し待ってくれればアダマンキャタピラーをテイムできるから、皆さんそのまま動かないで……!
という僕の思いも虚しく、ゾディーさんたちは瞬時に戦闘態勢を整えて、アダマンキャタピラーへと突進してしまった。
まずい、上位スキルを高レベルに強化するときは、少しのあいだ僕に隙ができてしまう。
今回は12億8000万経験値も使っただけに、いつもよりも隙が長めだ。
ほんの数秒なんだけど、僕はその間ほぼ何も行動ができない。
さすが手練れのチームだけに、あっという間にアダマンキャタピラーに接近し、『剣妃親衛隊』の3人が一気に攻撃を叩き込みにいく。
恐らく、この攻撃でアダマンキャタピラーを怯ませたあと、ゾディーさんの剣――『蒼魂鋼の剣』でトドメを刺すつもりなんだ!
が、しかし、ゾディーさんの『蒼魂鋼の剣』はニセ物だ!
このままじゃゾディーさんが危ない!
「怪物よ、我らの攻撃を喰らうがいいっ!」
『剣妃親衛隊』の3人が、攻撃力重視の一撃をアダマンキャタピラーに撃ち込もうとする。
仮にダメージを与えられずとも、衝撃で動きが鈍れば、その隙にゾディーさんの持つ『蒼魂鋼の剣』を喰らわせるという作戦なんだろう。
確かに、悪くない狙いだが……。
「フッシャアアアアッ!」
アダマンキャタピラーは泡を吹くような湿った声で鳴いたあと、巨大な身体の下に隠れていた足をわさわさと外に出した。
これは……思ってたよりもずっと長く、そしてしなやかで柔軟な動きをしている。
足の先は硬い爪のように尖っていて、これで地面を掘って土中に潜るのだろう。
その長い足をふわっと上にあげ、飛び掛かってきた『剣妃親衛隊』を、その愚鈍そうな見た目からは想像もつかない速さで叩き落とした。
さらに、詠唱を終えて魔法を撃とうとしていた男も、長い足で素早く薙ぎ払う。
「おぐっ」
「がはあっ」
「まずいっ、ネネ、頼むっ」
「任せろダーリン!」
強烈に弾き飛ばされた『剣妃親衛隊』たちは、このままでは身体を木などに打ちつけて大怪我してしまう!
その心配を瞬時にネネも察してくれて、動けない僕の代わりにネネが男たちを救いに行ってくれた。
ここは周りに木々があるため、影には困らない。
ネネは影の中を一瞬で移動できる『影飛び』を使って、『剣妃親衛隊』たち3人を激突の衝撃から守る。
さすがだ!
「お、お前たちっ! このデカブツっ、よくもアタシの従僕を……!」
「ああ、待ってゾディーさんっ!」
あーもう、どうしてほんのちょっと待ってくれないんだ!?
足で『剣妃親衛隊』を払ったため、その背が無防備となった瞬間を狙って、ゾディーさんが飛び込む。
そして、アダマンタイトよりも硬い『蒼魂鋼の剣』で、必殺の一撃を叩き込んだ!
確かにタイミングとしては完璧だった。
『剣妃親衛隊』が身を挺して作ってくれたこのチャンスを逃さない、その判断力もけっして間違ってはいない。
そして、ナンバーズに匹敵すると言われる戦闘力――その斬撃も、充分必殺の威力に値するだろう。
……『蒼魂鋼の剣』が本物だったらね。
パ キ ー ン !
「なっ、そんなバカな!? 『蒼魂鋼の剣』が折れるわけ……!?」
案の定、あっさりとそのニセの剣は折れてしまった。
一撃で決めようとしたゾディーさんは、攻撃に全力を注ぎ込んでしまったため、いま完全に隙だらけとなってしまっている。
そこに、アダマンキャタピラーの足が唸りをあげて襲い掛かった。
「ち、ちくしょーっ、このアタシがこんなところで……っ!」
ゾディーさんはもはや観念して、アダマンキャタピラーの鋭い爪を受け入れようとした。
大丈夫ですよ、ゾディーさん。僕の強化がいま完了しました。
「時間よ止まれっ、『万物完全静止』っ!」
しかし、ネネは意外と天然だな。自分がどんなヤバいこと言ったのか全然理解してないみたいだし。
外見が13、4歳にしか見えないだけに、さっきの言葉にはみんな度肝を抜かれたよ。
実年齢は27歳のクセに、ひょっとして眷女メンバーの誰よりもあの手のことに無知なのでは……?
「こりゃとんでもない大物と当たっちまったね。怪物の正体が、まさかアダマンキャタピラーだったとは……コイツにはアタシの石化が効かない!」
ゾディーさんの言う通り、解析してみるとアダマンキャタピラーは『石化無効』を持っていた。なので、レベル10である僕の『石化視線』でも効かない。
外殻がアダマンタイトだもんなあ……これを石には変化させられないよね。
まあ『即死無効』は持ってないようなので、『呪王の死睨』ですぐ殺せそうだけど、こういうモンスターを失うのは勿体ないと感じるようになったんだよね。
試してみたいことがいっぱいあるので。
とりあえず、『魔獣支配』を使ってみよう。
「テイム!」
アダマンキャタピラーにテイムを仕掛けてみる。
……おっと、従僕度が足らないと出た。これは力関係を教えてやれば、忠誠を誓ってくれるというサインだ。
つまり、アダマンキャタピラーを屈服させればいいんだけど、このデカさのモンスターを降参させるまで痛めつけるのは、ちょっと骨が折れるかな。
現在『魔獣支配』はレベル7なので、レベル8にすれば問題なくテイムできると思う。
1つレベルが上がるだけで、効果は格段に上がるからね。
ということで、12億8000万経験値を使って、『魔獣支配』をレベル8に上げる。
残りの経験値ストックは29億3000万。
「バカだねこの子は! アダマンキャタピラーなんてテイムできるわけないだろうに……! 勝手に付いてきたうえにコレじゃ、全く困った坊やだよ! いくよアンタたちっ!」
「御意!」
「ゾディー様、我らにお任せを!」
「いいかい、コイツの気を引き付けるんだよ。アタシが一撃でケリを付けてやる! コイツはまさに、アタシの『蒼魂鋼の剣』を使うに相応しい相手だよ!」
ああああ、ちょ、ちょっと待ったーっ!
僕としたことが、みんなの安全を確保してからスキルをレベルアップさせるべきだった!
あと少し待ってくれればアダマンキャタピラーをテイムできるから、皆さんそのまま動かないで……!
という僕の思いも虚しく、ゾディーさんたちは瞬時に戦闘態勢を整えて、アダマンキャタピラーへと突進してしまった。
まずい、上位スキルを高レベルに強化するときは、少しのあいだ僕に隙ができてしまう。
今回は12億8000万経験値も使っただけに、いつもよりも隙が長めだ。
ほんの数秒なんだけど、僕はその間ほぼ何も行動ができない。
さすが手練れのチームだけに、あっという間にアダマンキャタピラーに接近し、『剣妃親衛隊』の3人が一気に攻撃を叩き込みにいく。
恐らく、この攻撃でアダマンキャタピラーを怯ませたあと、ゾディーさんの剣――『蒼魂鋼の剣』でトドメを刺すつもりなんだ!
が、しかし、ゾディーさんの『蒼魂鋼の剣』はニセ物だ!
このままじゃゾディーさんが危ない!
「怪物よ、我らの攻撃を喰らうがいいっ!」
『剣妃親衛隊』の3人が、攻撃力重視の一撃をアダマンキャタピラーに撃ち込もうとする。
仮にダメージを与えられずとも、衝撃で動きが鈍れば、その隙にゾディーさんの持つ『蒼魂鋼の剣』を喰らわせるという作戦なんだろう。
確かに、悪くない狙いだが……。
「フッシャアアアアッ!」
アダマンキャタピラーは泡を吹くような湿った声で鳴いたあと、巨大な身体の下に隠れていた足をわさわさと外に出した。
これは……思ってたよりもずっと長く、そしてしなやかで柔軟な動きをしている。
足の先は硬い爪のように尖っていて、これで地面を掘って土中に潜るのだろう。
その長い足をふわっと上にあげ、飛び掛かってきた『剣妃親衛隊』を、その愚鈍そうな見た目からは想像もつかない速さで叩き落とした。
さらに、詠唱を終えて魔法を撃とうとしていた男も、長い足で素早く薙ぎ払う。
「おぐっ」
「がはあっ」
「まずいっ、ネネ、頼むっ」
「任せろダーリン!」
強烈に弾き飛ばされた『剣妃親衛隊』たちは、このままでは身体を木などに打ちつけて大怪我してしまう!
その心配を瞬時にネネも察してくれて、動けない僕の代わりにネネが男たちを救いに行ってくれた。
ここは周りに木々があるため、影には困らない。
ネネは影の中を一瞬で移動できる『影飛び』を使って、『剣妃親衛隊』たち3人を激突の衝撃から守る。
さすがだ!
「お、お前たちっ! このデカブツっ、よくもアタシの従僕を……!」
「ああ、待ってゾディーさんっ!」
あーもう、どうしてほんのちょっと待ってくれないんだ!?
足で『剣妃親衛隊』を払ったため、その背が無防備となった瞬間を狙って、ゾディーさんが飛び込む。
そして、アダマンタイトよりも硬い『蒼魂鋼の剣』で、必殺の一撃を叩き込んだ!
確かにタイミングとしては完璧だった。
『剣妃親衛隊』が身を挺して作ってくれたこのチャンスを逃さない、その判断力もけっして間違ってはいない。
そして、ナンバーズに匹敵すると言われる戦闘力――その斬撃も、充分必殺の威力に値するだろう。
……『蒼魂鋼の剣』が本物だったらね。
パ キ ー ン !
「なっ、そんなバカな!? 『蒼魂鋼の剣』が折れるわけ……!?」
案の定、あっさりとそのニセの剣は折れてしまった。
一撃で決めようとしたゾディーさんは、攻撃に全力を注ぎ込んでしまったため、いま完全に隙だらけとなってしまっている。
そこに、アダマンキャタピラーの足が唸りをあげて襲い掛かった。
「ち、ちくしょーっ、このアタシがこんなところで……っ!」
ゾディーさんはもはや観念して、アダマンキャタピラーの鋭い爪を受け入れようとした。
大丈夫ですよ、ゾディーさん。僕の強化がいま完了しました。
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