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第7章 新国テンプルム
第319話 硬くて黒くて大きい
テンプルムを出発して3日目。
すでに巨大モンスターが目撃されたというヴィルカーム山脈近辺まで来ているんだけど、未だ遭遇することができず。
この辺は全く未開の地なので、そもそもここで場所が合っているのかも分からない。
報告を聞いた限りでは、多分この辺りだとは思うんだけど……。
『飛翔』で空から探したいところなんだけど、巨大モンスターは地面から現れたという話なんだよね。
森を探索していたところ、突然土が盛り上がって、そこから見たこともない恐ろしいモンスターが出てきたんだとか。
そのあまりの大きさと見た目の恐ろしさから、あまりよく確認せずにすっ飛んで逃げてきたらしい。
木がビッシリと生い茂ったこの森では、上空からでは恐らく見つけることはできないので、こうして歩いて探しているというわけだ。
ちなみに、土の中に棲息するような魔物は、昆虫型モンスターなんかに多く存在している。
しかし、そこまで巨大となると、先日モンスター集めで遭遇したジャイアントスコロペンドラくらいしか思い当たらない。
ジャイアントスコロペンドラは、蛇のような身体の両脇に100本くらい細長い足が付いてる気持ち悪いモンスターで、全長は30mにもなる。
ただ、確かに土中に潜んでいることもあるけど、かなり特徴のある外見なので、見れば正体が分かるはず。
遭遇した人たちが言うには、山のように大きな身体をしていたらしいので、ジャイアントスコロペンドラとは恐らく違うようだ。
森といっても広いだけに、果たして首尾よく遭遇できるかどうか……。
「ふぅむ、どうもこの辺じゃないようだね。もう少し南へ行ってみるかい」
ゾディーさんの提案で、僕たちは少し南下することにした。
◇◇◇
南へ進んでみると、この辺りは心なしか少し暖かく、植物の成長なども周囲より活発となっていた。
あまり見たことないような花も、あちこちに咲いている。
「ふぅー、なんとも嫌な空気を漂わせているねえ。毒霧があってもおかしくないね。アタシらは毒をくらうようなヤワな耐性じゃないが、坊やたちは気をつけな!」
「あ、はい……」
僕たちも特殊な猛毒でもない限り大丈夫だけどね。
特に僕は、状態異常になることなんてまず考えられないけど、メジェールのように『超異常耐性』スキルを持ってるわけじゃないから油断は禁物だ。
……と、この感覚は……!
「ダーリン、何かいる!」
さすがナンバー1、ネネもこの異様な気配に気付いたようだ。
今まで遭遇してきた雑魚モンスターとは格が違う。多分巨大モンスターというのはコイツだ!
ゾディーさんたちはまだ気付いてないらしく、周りを窺いながらズンズン進んでしまっている。
「ゾディーさん止まってください! なにか居ますよ!」
「はぁん? なに言ってんだい、そんな気配アタシは何も感じないよ。怖がってないで早く来な!」
「いや、居ます! 恐らく、目当てのモンスターだと思います。一度こっちに戻ってきてください!」
「小僧、ここまできてビビっちまったか? オレたちが何も探知してないのに、なぜお前に怪物の気配が分かるってんだ?」
「確かに、この辺りはちと粘っこい空気を感じるが、何も怪しいヤツなんて……なっ、うおおおおおおっ!?」
ゾディーさんに付き従う男たち――『剣妃親衛隊』の3人が嘲笑していると、その足元の地面が一気に盛り上がった。
土と一緒に『剣妃親衛隊』の3人が吹き飛ばされるが、ゾディーさんは一瞬前に異変に気付いたらしく、振り落とされる前に飛び退いた。
『剣妃』の名に恥じないさすがの体捌き……ナンバーズに匹敵すると言われるだけのことはある。
巨大なモンスターは、背中に木々を乗っけたまま浮上した。
その大きさ、なるほど山のようだ。
俗にイモムシと呼ばれる、昆虫の幼虫に似た外見で、体長は50mほど、盛り上がった背の高さは15mくらいあるように思う。
これはデカい……普通の冒険者なら、一目散に逃げ出すのも無理はない。
身体の前面には赤い半球体がいくつも付いており、多分コレが怪物の目なんだろう。その多数の目で、僕らをじっくり観察しているかのようだ。
しかしコレ、なんていうモンスターなんだ?
「ダーリン、コイツは『アダマンキャタピラー』という、山の守り神のようなモンスターだ」
「アダマンキャタピラー?」
「そうだ。地中をゆっくり移動するので滅多に会うことはないが、外殻はアダマンタイトでできているうえ、怒らせると手の付けられない凶獣となる。この硬さと大きさだけに、まず倒すのは不可能な怪物だ」
この巨体で、身体がアダマンタイトだもんなあ……。
山の神様というのも分かる気がする。
それにしても、魔王復活の影響なのか、ホントに色々なモンスターが活発化してるなあ。
「アダマンキャタピラーなどネネも初めて見たが、硬くてデカくて黒光りしてるなんて、まるでダーリンのアレのようだな」
「な……なんだとおおおおおおっ」
「こ、小僧っ、お前まさかこんな幼気な少女に手を出したのか!?」
「坊や、アンタって子は……見損なったよ!」
「こんな美少女となんてずるいぞ~っ!」
「し、してない、してない、僕は何もしてないですううううううううっ」
な、なんだ、ネネの今の爆弾発言は!?
いくらなんでも下品すぎるぞ!?
「ネ……ネネっ、なんてコト言うんだ! パパはそんな子に育てた憶えは……」
あ~なんかパニックになってる、パパじゃなくて、えっと、この場合なんて言うんだ?
「す……すまぬダーリン、あの『冥霊剣』という剣をそういう言い方してはダメだったか……?」
『冥霊剣』のことかああああああああああああああああっっ!
まぎらわしすぎる! いや、ひょっとして僕の心が穢れてきてしまったのかも?
これもみんな眷女ガールズのせいだあああああああああっ!
すでに巨大モンスターが目撃されたというヴィルカーム山脈近辺まで来ているんだけど、未だ遭遇することができず。
この辺は全く未開の地なので、そもそもここで場所が合っているのかも分からない。
報告を聞いた限りでは、多分この辺りだとは思うんだけど……。
『飛翔』で空から探したいところなんだけど、巨大モンスターは地面から現れたという話なんだよね。
森を探索していたところ、突然土が盛り上がって、そこから見たこともない恐ろしいモンスターが出てきたんだとか。
そのあまりの大きさと見た目の恐ろしさから、あまりよく確認せずにすっ飛んで逃げてきたらしい。
木がビッシリと生い茂ったこの森では、上空からでは恐らく見つけることはできないので、こうして歩いて探しているというわけだ。
ちなみに、土の中に棲息するような魔物は、昆虫型モンスターなんかに多く存在している。
しかし、そこまで巨大となると、先日モンスター集めで遭遇したジャイアントスコロペンドラくらいしか思い当たらない。
ジャイアントスコロペンドラは、蛇のような身体の両脇に100本くらい細長い足が付いてる気持ち悪いモンスターで、全長は30mにもなる。
ただ、確かに土中に潜んでいることもあるけど、かなり特徴のある外見なので、見れば正体が分かるはず。
遭遇した人たちが言うには、山のように大きな身体をしていたらしいので、ジャイアントスコロペンドラとは恐らく違うようだ。
森といっても広いだけに、果たして首尾よく遭遇できるかどうか……。
「ふぅむ、どうもこの辺じゃないようだね。もう少し南へ行ってみるかい」
ゾディーさんの提案で、僕たちは少し南下することにした。
◇◇◇
南へ進んでみると、この辺りは心なしか少し暖かく、植物の成長なども周囲より活発となっていた。
あまり見たことないような花も、あちこちに咲いている。
「ふぅー、なんとも嫌な空気を漂わせているねえ。毒霧があってもおかしくないね。アタシらは毒をくらうようなヤワな耐性じゃないが、坊やたちは気をつけな!」
「あ、はい……」
僕たちも特殊な猛毒でもない限り大丈夫だけどね。
特に僕は、状態異常になることなんてまず考えられないけど、メジェールのように『超異常耐性』スキルを持ってるわけじゃないから油断は禁物だ。
……と、この感覚は……!
「ダーリン、何かいる!」
さすがナンバー1、ネネもこの異様な気配に気付いたようだ。
今まで遭遇してきた雑魚モンスターとは格が違う。多分巨大モンスターというのはコイツだ!
ゾディーさんたちはまだ気付いてないらしく、周りを窺いながらズンズン進んでしまっている。
「ゾディーさん止まってください! なにか居ますよ!」
「はぁん? なに言ってんだい、そんな気配アタシは何も感じないよ。怖がってないで早く来な!」
「いや、居ます! 恐らく、目当てのモンスターだと思います。一度こっちに戻ってきてください!」
「小僧、ここまできてビビっちまったか? オレたちが何も探知してないのに、なぜお前に怪物の気配が分かるってんだ?」
「確かに、この辺りはちと粘っこい空気を感じるが、何も怪しいヤツなんて……なっ、うおおおおおおっ!?」
ゾディーさんに付き従う男たち――『剣妃親衛隊』の3人が嘲笑していると、その足元の地面が一気に盛り上がった。
土と一緒に『剣妃親衛隊』の3人が吹き飛ばされるが、ゾディーさんは一瞬前に異変に気付いたらしく、振り落とされる前に飛び退いた。
『剣妃』の名に恥じないさすがの体捌き……ナンバーズに匹敵すると言われるだけのことはある。
巨大なモンスターは、背中に木々を乗っけたまま浮上した。
その大きさ、なるほど山のようだ。
俗にイモムシと呼ばれる、昆虫の幼虫に似た外見で、体長は50mほど、盛り上がった背の高さは15mくらいあるように思う。
これはデカい……普通の冒険者なら、一目散に逃げ出すのも無理はない。
身体の前面には赤い半球体がいくつも付いており、多分コレが怪物の目なんだろう。その多数の目で、僕らをじっくり観察しているかのようだ。
しかしコレ、なんていうモンスターなんだ?
「ダーリン、コイツは『アダマンキャタピラー』という、山の守り神のようなモンスターだ」
「アダマンキャタピラー?」
「そうだ。地中をゆっくり移動するので滅多に会うことはないが、外殻はアダマンタイトでできているうえ、怒らせると手の付けられない凶獣となる。この硬さと大きさだけに、まず倒すのは不可能な怪物だ」
この巨体で、身体がアダマンタイトだもんなあ……。
山の神様というのも分かる気がする。
それにしても、魔王復活の影響なのか、ホントに色々なモンスターが活発化してるなあ。
「アダマンキャタピラーなどネネも初めて見たが、硬くてデカくて黒光りしてるなんて、まるでダーリンのアレのようだな」
「な……なんだとおおおおおおっ」
「こ、小僧っ、お前まさかこんな幼気な少女に手を出したのか!?」
「坊や、アンタって子は……見損なったよ!」
「こんな美少女となんてずるいぞ~っ!」
「し、してない、してない、僕は何もしてないですううううううううっ」
な、なんだ、ネネの今の爆弾発言は!?
いくらなんでも下品すぎるぞ!?
「ネ……ネネっ、なんてコト言うんだ! パパはそんな子に育てた憶えは……」
あ~なんかパニックになってる、パパじゃなくて、えっと、この場合なんて言うんだ?
「す……すまぬダーリン、あの『冥霊剣』という剣をそういう言い方してはダメだったか……?」
『冥霊剣』のことかああああああああああああああああっっ!
まぎらわしすぎる! いや、ひょっとして僕の心が穢れてきてしまったのかも?
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