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第7章 新国テンプルム
第339話 滅びの乙女
テンプルムを1ヶ月で作った証拠を見せるため、僕はみんなを連れて『空間転移』で移動する。
転移した場所は、法王国王都の裏側にある山の麓だ。
多少王都からは離れているけど、来たときに周りは見ていたので、『空間転移』でも正確に移動できた。
「バ……バカな、この人数を一気に転移させるだと!? これほどの『空間魔法』が使えるとは……」
「おいおいジークヘルトよぉ、これくらいで驚いてたら、ユーリの本気を見たらションベンちびっちまうぜ?」
「牙無魔っ、ジークヘルト将軍になんていう口の利き方だ!」
「しかし、これは……幻術ではないのか? 我ら全員を転移させるなど、とても信じられぬ……!」
ジークヘルト将軍だけでなく、気絶していた聖騎士たちも起こして一緒に連れてきた。
どうせ僕の力を見せるなら、複数の人に見てもらったほうが信じてもらいやすいかなと。
「『魔王ユーリ』よ、我らをこんな所に連れてきて、いったい何を見せるつもりなのだ?」
「将軍閣下、ここより西にはもう何もありませんね?」
「西だと? ああ、この先にはもう険しい山が続くだけだが、それがどうかしたのか?」
「本当ですね? 隠された人里などはありませんね?」
「もちろんだ、法王国を少し離れれば、聖地の効力は無くなる。凶悪な魔物も多く潜んでいるし、ここより奥はとても人が住めるような場所ではない」
パスリエーダ法王国は、この世界の最西にある国だ。
まあその先は人跡未踏な部分が多いから、ほとんど謎に包まれている地帯だけど、知られている限りではもう人は居ないはず。
ここならぶっ放しても大丈夫だろう。
おっと、その前に一応確認しておくか。
「将軍閣下、僕がテンプルムを作った証拠を見せるために、この奥を整地しちゃってイイですか?」
「この奥? この山々を整地するというのか? もしできるというならありがたいくらいだが、ただの冗談なら笑えんな」
「小僧っ、ハッタリにしても酷すぎるぞ。こんな場所、100年かけても整地などできるわけなかろう」
「幻術か何かで我らをたばかろうとしても無駄だ。騙されるものか!」
「まあ待て、どんな手品を見せてくれるのか、楽しみにしようではないか」
よし、承諾はもらったし、遠慮なくやらせてもらおう。
せーの、とりゃあっ!
「『分子破壊砲』~っ!」
ドドドオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォン……!
うーん、相変わらず気持ちいい……!
目の前の山々が全て吹っ飛び、前方は見渡す限り綺麗な平地となる。
ちょっと張り切っちゃって、20%増しのパワーで撃たせてもらいました。
「こ……お…………がっ……!?」
「ひっ……ひいいいいいいいいいいいいいいっ」
「ば……けもの…………」
聖騎士の3人は、一瞬呼吸困難のように息を詰まらせたあと、腰を抜かして地面にへたり込んだ。
「これは……現実か!? 人間が可能な業なのか?」
ジークヘルト将軍も、全身を硬直させて、目を見開いたまま唖然としている。
これで信じてくれたかな?
一応整地だけじゃまだ足りないので、『空間双移転』で更地へ適当に自然を持ってくる。
「こ、これも『空間魔法』なのか!? どこかと場所を入れ替えているようだが、そんなの聞いたこともないぞ!?」
「さすがユーリ様! わたしの『空間魔法』なんてまるで足元にも及びません。この魔法だけでも、ユーリ様に敵は居ないでしょう! ああ、ユーリ様のあまりの凄さに、わたしまた失禁しそう……」
「なんかこの子、私たちと似た匂いを感じるわね……」
「わたくしたちと同じ変態ということでしょうか」
あ、リノもフィーリアも、変態の自覚はあるんだ……。
しかし、久魅那がリノやフィーリアと同類だと、また頭痛のネタが増えちゃう……。
「こりゃあしかし、目眩がする強さだぜ。ユーリ、ほんとにゴーグはお前と同レベルの強さなのか? こんなのがもう1人居るなんて到底信じられねーんだが?」
「え? 実は会ってないからよく分からない……」
いや、牙無魔にはちゃんとゴーグの危険性を分かってもらわないと!
「うん、そうだよ、ゴーグはこの程度の力は持ってるから、ヤツには絶対に近付かないで!」
「マジか!? こんなの絶対倒すの無理だぜ……」
よし、上手くいった。
実際、ゴーグはどれくらい成長しているのか、僕にも分からないからね。
「おい、聖騎士のおっさんたち、『魔王ユーリ』と出会ったら引っ捕らえるんだろ? 目の前に居るぜ? 怒らせたら、塵にされちまうだろーけどな」
「わ、わかった、『魔王ユーリ』は本物の魔王だ、も、もう逆らいはせんっ!」
「いえ、魔王じゃないですよ、人間ですからご安心ください」
魔王軍とグルを疑われて、自力で国を作った証拠を見せろというから見せたら、今度は『魔王ユーリ』認定されちゃうなんて、相変わらず理不尽だ。
でもこれで、少なくとも魔王軍の力を借りなくてもテンプルムを作れたことは証明できたはず。
「どうでしょう、将軍閣下? 納得していただけましたか?」
「こ、この力……まさか我が国が探し求めた伝説の『滅びの乙女』なのか!?」
「えっ、れぎ……?」
なんだ、変なコト言いだしたぞ!?
「……いや、絶対に違う、これは『滅びの乙女』ではない。悪魔の力でもない。悪魔であれば聖地法王国へ近付けぬはずだし、いったいコレはなんなのだ!? こんなのが存在していいはずが……」
な、なんか将軍が混乱していて、僕の言葉も耳に届いていないような感じだ。
僕と周りのみんなは、静かに将軍の様子を見守る。
「……いいだろう。いや、失礼した。テンプルム国王ユーリ陛下、あなた自身の力で国を作り上げたことを信じよう。もし宜しければ法王猊下のもとにご案内するが、如何されますか?」
えっ、法王様に会えるの?
***********************************
12/11から、『無限のスキルゲッター』の電子書籍版が販売開始となります。
「番外編 ユーリ大好き」というSSも付いておりますので、是非よろしくお願いいたしますm(_ _)m
ちなみに、SSはとらのあな様の書籍版にも特典で付いております。
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多少王都からは離れているけど、来たときに周りは見ていたので、『空間転移』でも正確に移動できた。
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「おいおいジークヘルトよぉ、これくらいで驚いてたら、ユーリの本気を見たらションベンちびっちまうぜ?」
「牙無魔っ、ジークヘルト将軍になんていう口の利き方だ!」
「しかし、これは……幻術ではないのか? 我ら全員を転移させるなど、とても信じられぬ……!」
ジークヘルト将軍だけでなく、気絶していた聖騎士たちも起こして一緒に連れてきた。
どうせ僕の力を見せるなら、複数の人に見てもらったほうが信じてもらいやすいかなと。
「『魔王ユーリ』よ、我らをこんな所に連れてきて、いったい何を見せるつもりなのだ?」
「将軍閣下、ここより西にはもう何もありませんね?」
「西だと? ああ、この先にはもう険しい山が続くだけだが、それがどうかしたのか?」
「本当ですね? 隠された人里などはありませんね?」
「もちろんだ、法王国を少し離れれば、聖地の効力は無くなる。凶悪な魔物も多く潜んでいるし、ここより奥はとても人が住めるような場所ではない」
パスリエーダ法王国は、この世界の最西にある国だ。
まあその先は人跡未踏な部分が多いから、ほとんど謎に包まれている地帯だけど、知られている限りではもう人は居ないはず。
ここならぶっ放しても大丈夫だろう。
おっと、その前に一応確認しておくか。
「将軍閣下、僕がテンプルムを作った証拠を見せるために、この奥を整地しちゃってイイですか?」
「この奥? この山々を整地するというのか? もしできるというならありがたいくらいだが、ただの冗談なら笑えんな」
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「幻術か何かで我らをたばかろうとしても無駄だ。騙されるものか!」
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うーん、相変わらず気持ちいい……!
目の前の山々が全て吹っ飛び、前方は見渡す限り綺麗な平地となる。
ちょっと張り切っちゃって、20%増しのパワーで撃たせてもらいました。
「こ……お…………がっ……!?」
「ひっ……ひいいいいいいいいいいいいいいっ」
「ば……けもの…………」
聖騎士の3人は、一瞬呼吸困難のように息を詰まらせたあと、腰を抜かして地面にへたり込んだ。
「これは……現実か!? 人間が可能な業なのか?」
ジークヘルト将軍も、全身を硬直させて、目を見開いたまま唖然としている。
これで信じてくれたかな?
一応整地だけじゃまだ足りないので、『空間双移転』で更地へ適当に自然を持ってくる。
「こ、これも『空間魔法』なのか!? どこかと場所を入れ替えているようだが、そんなの聞いたこともないぞ!?」
「さすがユーリ様! わたしの『空間魔法』なんてまるで足元にも及びません。この魔法だけでも、ユーリ様に敵は居ないでしょう! ああ、ユーリ様のあまりの凄さに、わたしまた失禁しそう……」
「なんかこの子、私たちと似た匂いを感じるわね……」
「わたくしたちと同じ変態ということでしょうか」
あ、リノもフィーリアも、変態の自覚はあるんだ……。
しかし、久魅那がリノやフィーリアと同類だと、また頭痛のネタが増えちゃう……。
「こりゃあしかし、目眩がする強さだぜ。ユーリ、ほんとにゴーグはお前と同レベルの強さなのか? こんなのがもう1人居るなんて到底信じられねーんだが?」
「え? 実は会ってないからよく分からない……」
いや、牙無魔にはちゃんとゴーグの危険性を分かってもらわないと!
「うん、そうだよ、ゴーグはこの程度の力は持ってるから、ヤツには絶対に近付かないで!」
「マジか!? こんなの絶対倒すの無理だぜ……」
よし、上手くいった。
実際、ゴーグはどれくらい成長しているのか、僕にも分からないからね。
「おい、聖騎士のおっさんたち、『魔王ユーリ』と出会ったら引っ捕らえるんだろ? 目の前に居るぜ? 怒らせたら、塵にされちまうだろーけどな」
「わ、わかった、『魔王ユーリ』は本物の魔王だ、も、もう逆らいはせんっ!」
「いえ、魔王じゃないですよ、人間ですからご安心ください」
魔王軍とグルを疑われて、自力で国を作った証拠を見せろというから見せたら、今度は『魔王ユーリ』認定されちゃうなんて、相変わらず理不尽だ。
でもこれで、少なくとも魔王軍の力を借りなくてもテンプルムを作れたことは証明できたはず。
「どうでしょう、将軍閣下? 納得していただけましたか?」
「こ、この力……まさか我が国が探し求めた伝説の『滅びの乙女』なのか!?」
「えっ、れぎ……?」
なんだ、変なコト言いだしたぞ!?
「……いや、絶対に違う、これは『滅びの乙女』ではない。悪魔の力でもない。悪魔であれば聖地法王国へ近付けぬはずだし、いったいコレはなんなのだ!? こんなのが存在していいはずが……」
な、なんか将軍が混乱していて、僕の言葉も耳に届いていないような感じだ。
僕と周りのみんなは、静かに将軍の様子を見守る。
「……いいだろう。いや、失礼した。テンプルム国王ユーリ陛下、あなた自身の力で国を作り上げたことを信じよう。もし宜しければ法王猊下のもとにご案内するが、如何されますか?」
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※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中