文字の大きさ
大
中
小
173 / 258
第7章 新国テンプルム
第340話 封印の腕輪
ジークヘルト将軍は、僕が自力でテンプルムを作ったことを信じてくれたようで、なんと法王様にお目通りがかなうことになった。
これは願ってもないことだ。僕に掛かっている疑念を払拭したいし、是非お会いして親交を深めたいところ。
「ただ大変申し訳ないが、法王猊下の御前では、このブレスレットをお着けいただきたい」
そう言うと、ジークヘルト将軍は銀色の小さな腕輪を取り出した。
なんだろうコレは?
「コレは『臣下の誓錠』という法王国に伝わる神器で、コレを着けた者は能力をほぼ封じられる。今回に限らず、法王猊下に謁見される方には必ず着けていただいている物です。そうだな、牙無魔?」
「あ、ああ、確かに、法王と会うときには着けさせられる。まあ3年間で数回しか会ったことないけどな」
「お連れの女性も含め、全員がコレを着けていただかない限り法王猊下にはお会いさせることはできませんが、如何しますかユーリ陛下?」
なるほど、フィーリアが持っていた『隷属の首輪』と同じようなアイテムだな。
アレよりも圧倒的に効果は強力みたいだけど。
装着者の力を大幅に制限して管理するための魔道具らしい。
そして法王国に伝わる神器と言っていたけど、コレも古代文明の遺産だ。
この感じだと、法王国の魔導器類は、全て古代文明が作った物と思っていいな。
「ユーリ、これって……」
「どうするのですか、ユーリ様?」
メジェールとフィーリアが不安そうに聞いてくる。
そう、2人は気付いているのだ。
……ジークヘルト将軍に悪意があることを。
口調では僕を信用したように穏やかに謁見を勧めてくれているが、内心では間違いなく何かを企んでいる。
さっきの僕の魔法を見て、危険人物と見なされちゃったか……まあそれも想定のうちだったけどね。
今までもずっとそんな感じで誤解されてきたし。
もちろん、法王様に会いに行く。
このまま帰ったら、僕に対する敵意だけ残すことになっちゃうからね。
誤解を解いておきたいし、そして法王国の本当の姿も知っておきたい。
古代文明の力とは、いったいどれほどのモノなのか……もしかしたら、牙無魔たちを元の世界に戻すカギが見つかるかもしれないし。
法王国は、どうやら僕が考えていた国とは違うようなので、この機会にしっかり真実を掴んでおこうと思う。
「将軍閣下、法王様にお会いできるなら、その『臣下の誓錠』という神器を喜んでお着けいたします」
「ユーリ陛下、誠にかたじけない。ではちょうど10個あるので、皆にお渡しする。一度着けると自分では外せないので、もう一度よくお考えになってからお着けください」
「ご心配には及びません、将軍閣下を信じてますので」
ジークヘルト将軍から渡された腕輪を、僕たち6人と牙無魔たち4人が着ける。
解析で見ると、確かに凄い強力な封印効果があって、勇者のメジェールですら力が1/100以下になっている。
牙無魔も同様だ。恐らく、2人ともSSランク程度……いやSランクまで強さが下がっているかもしれない。
ほかのリノたちなどは、一般人と同じくらいまで弱体化されている。
さすが古代文明の遺産だけに、凄い魔導器だ。
自力で外せないというのも本当だ。メジェールや牙無魔でも、多分外すのは難しいだろう。
まあ僕にはほとんど効果は無いし、簡単に外せそうだけどね。
「ユーリ……気のせいか、お前全然弱くなってないんじゃねーか? 腕輪の封印ホントに効いてるか?」
「え、ええっ? そ、そんなことないよ? 全然力が出せないって!」
牙無魔にするどいツッコミをされて慌てて否定する僕。
牙無魔は悪気ないんだろうけど、将軍に僕が弱体化してないことがバレたらまずい!
「……ま、そんなわけねーか。この腕輪が効かないわけないからな」
「そ、そう、その通りだよ。あー全然力が入らないなー」
「ユーリ、芝居が下手すぎて見てられないから、あんまり喋らないほうがいいよ」
「あ……うん、そうします……」
リノに小声で忠告されて、余計なことをするのはやめた。
大人しくしていよう。
「では、王城までお連れしよう。久魅那、ゲートを開くのだ。王城内ではなく、正門で我らを下ろしてくれ。腕輪を装着していても、この程度の移動は可能だろう」
「分かりました。開け、『時空通穴』!」
僕たちは法王様の待つ王城へと向かった。
***********************************
12/11から、『無限のスキルゲッター』の電子書籍版が販売開始となります。
「番外編 ユーリ大好き」というSSも付いておりますので、是非よろしくお願いいたしますm(_ _)m
ちなみに、SSはとらのあな様の書籍版にも特典で付いております。
これは願ってもないことだ。僕に掛かっている疑念を払拭したいし、是非お会いして親交を深めたいところ。
「ただ大変申し訳ないが、法王猊下の御前では、このブレスレットをお着けいただきたい」
そう言うと、ジークヘルト将軍は銀色の小さな腕輪を取り出した。
なんだろうコレは?
「コレは『臣下の誓錠』という法王国に伝わる神器で、コレを着けた者は能力をほぼ封じられる。今回に限らず、法王猊下に謁見される方には必ず着けていただいている物です。そうだな、牙無魔?」
「あ、ああ、確かに、法王と会うときには着けさせられる。まあ3年間で数回しか会ったことないけどな」
「お連れの女性も含め、全員がコレを着けていただかない限り法王猊下にはお会いさせることはできませんが、如何しますかユーリ陛下?」
なるほど、フィーリアが持っていた『隷属の首輪』と同じようなアイテムだな。
アレよりも圧倒的に効果は強力みたいだけど。
装着者の力を大幅に制限して管理するための魔道具らしい。
そして法王国に伝わる神器と言っていたけど、コレも古代文明の遺産だ。
この感じだと、法王国の魔導器類は、全て古代文明が作った物と思っていいな。
「ユーリ、これって……」
「どうするのですか、ユーリ様?」
メジェールとフィーリアが不安そうに聞いてくる。
そう、2人は気付いているのだ。
……ジークヘルト将軍に悪意があることを。
口調では僕を信用したように穏やかに謁見を勧めてくれているが、内心では間違いなく何かを企んでいる。
さっきの僕の魔法を見て、危険人物と見なされちゃったか……まあそれも想定のうちだったけどね。
今までもずっとそんな感じで誤解されてきたし。
もちろん、法王様に会いに行く。
このまま帰ったら、僕に対する敵意だけ残すことになっちゃうからね。
誤解を解いておきたいし、そして法王国の本当の姿も知っておきたい。
古代文明の力とは、いったいどれほどのモノなのか……もしかしたら、牙無魔たちを元の世界に戻すカギが見つかるかもしれないし。
法王国は、どうやら僕が考えていた国とは違うようなので、この機会にしっかり真実を掴んでおこうと思う。
「将軍閣下、法王様にお会いできるなら、その『臣下の誓錠』という神器を喜んでお着けいたします」
「ユーリ陛下、誠にかたじけない。ではちょうど10個あるので、皆にお渡しする。一度着けると自分では外せないので、もう一度よくお考えになってからお着けください」
「ご心配には及びません、将軍閣下を信じてますので」
ジークヘルト将軍から渡された腕輪を、僕たち6人と牙無魔たち4人が着ける。
解析で見ると、確かに凄い強力な封印効果があって、勇者のメジェールですら力が1/100以下になっている。
牙無魔も同様だ。恐らく、2人ともSSランク程度……いやSランクまで強さが下がっているかもしれない。
ほかのリノたちなどは、一般人と同じくらいまで弱体化されている。
さすが古代文明の遺産だけに、凄い魔導器だ。
自力で外せないというのも本当だ。メジェールや牙無魔でも、多分外すのは難しいだろう。
まあ僕にはほとんど効果は無いし、簡単に外せそうだけどね。
「ユーリ……気のせいか、お前全然弱くなってないんじゃねーか? 腕輪の封印ホントに効いてるか?」
「え、ええっ? そ、そんなことないよ? 全然力が出せないって!」
牙無魔にするどいツッコミをされて慌てて否定する僕。
牙無魔は悪気ないんだろうけど、将軍に僕が弱体化してないことがバレたらまずい!
「……ま、そんなわけねーか。この腕輪が効かないわけないからな」
「そ、そう、その通りだよ。あー全然力が入らないなー」
「ユーリ、芝居が下手すぎて見てられないから、あんまり喋らないほうがいいよ」
「あ……うん、そうします……」
リノに小声で忠告されて、余計なことをするのはやめた。
大人しくしていよう。
「では、王城までお連れしよう。久魅那、ゲートを開くのだ。王城内ではなく、正門で我らを下ろしてくれ。腕輪を装着していても、この程度の移動は可能だろう」
「分かりました。開け、『時空通穴』!」
僕たちは法王様の待つ王城へと向かった。
***********************************
12/11から、『無限のスキルゲッター』の電子書籍版が販売開始となります。
「番外編 ユーリ大好き」というSSも付いておりますので、是非よろしくお願いいたしますm(_ _)m
ちなみに、SSはとらのあな様の書籍版にも特典で付いております。
感想 679
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
処刑される悪役貴族に転生したので、全財産配って逃げます ~俺が全部手放した瞬間、王国が回らなくなったけどもう遅い~
「ヴァルトハイム伯爵家嫡男ユリウス。貴様の断罪を、ここに宣言する」
断罪の場で、俺は前世の記憶を取り戻した。ここはかつて遊んだノベルゲームの世界で、悪役貴族ユリウスは一年後に処刑される。
冗談じゃない。領地も金も地位も、全部置いて逃げる。それだけを決めた。
ところが、解放した罪人が。配った財産が。放り出したはずの領民が。
なぜか勝手に力をつけて、次々と俺のところへ戻ってくる。
一方その頃、王都では――ユリウスなしで回らない事態が始まっていた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
【老化返却】聖女の若さは俺の寿命だった〜回復魔法の代償を肩代わりしていた俺を追放した報いだ。回復のたびに毛が抜け、骨がスカスカになるが良い〜
「寿命を削って回復してやってたのに……感謝すらしないんだな」
聖女パーティの荷物持ち兼回復術師だった俺は、ある日突然パーティを追放された。
理由は「回復魔法のコストが寿命で、もうすぐ死ぬ無能はいらない」という勝手な思い込み。
だが、彼らは知らなかった。
俺の正体が、この世界の生命を司る世界樹の根源そのものだったことを。
俺の寿命は無限であり、俺がパーティにいたからこそ、彼らは「若さ」と「健康」を維持できていたのだ。
「俺がいなくなったら、誰が君たちの老化を止めるの?」
俺がいなくなった途端、聖女たちの身体に異変が起きる。
回復魔法を唱えるたびに、自慢の金髪はバサバサと抜け落ち、肌は土色に。
若さに溺れていた彼女たちは、骨がスカスカになり、杖なしでは歩けない老婆のような姿へと変わり果てていく。
一方、解放された俺は隣国の美少女皇女に拾われ、世界樹の力で枯れた大地を森に変える「現人神」として崇められていた。
「今さら戻ってきて? ……悪いけど、そのハゲ散らかした老婆、誰だっけ?」
すべてを失ってから「俺」の価値に気づいても、もう遅い。
これは、恩を仇で返した連中が、自らの美容と健康を代償に破滅していく物語。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第五章リード王国編