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ミゼアスの一日~朝~
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ミゼアスの朝は遅い。
大体は昼近くになってようやく起き、まずは目を覚ますべく風呂に入る。
そして身支度を整えると、食堂に行く。外に食べに行くこともあったが、一人では滅多に行くことはない。たいていは食堂で済ませてしまう。
今日ものそのそと食堂で遅めの朝食を食べていた。
「ミゼアス兄さん、おはようございます。もう遅いですけれど」
声をかけられる。見れば、そこにはヴァレンが料理の乗った盆を持って立っていた。
「……きみこそ、これから朝食かい? きみにしては遅いね」
「ええ、昨夜はちょっと無理をしてしまったので」
ヴァレンはミゼアスの向かいの席に座りながら言う。
「へえ、何をしたんだい? 激しい体位? それともいやらしい道具でも使われちゃった?」
目を輝かせながらミゼアスは問いかける。
「すっごく楽しそうなところ申し訳ありませんが、飲み比べです。客と飲み比べになりました」
「……きみにはがっかりだよ」
大げさにため息を漏らすミゼアス。
「大体、どうして客と飲み比べになるんだい。おかしいだろう」
「そう言われても……その場のノリとしか。ああ、客は潰しました。俺の勝ちです」
「勝ちって……潰しちゃまずいだろう……。きみは酒豪王でも目指しているのかい。賭博王の次は酒豪王で、称号でも集めているのかい?」
「いやー、別にそういうわけじゃないんですけれどね。そのあたりは人生のおまけってやつで」
ヴァレンは笑いながら答える。
「きみはつくづく白花らしくないよね。ここは娼館なんだから、もう少しいやらしいことをしなよ」
「それ、ミゼアス兄さんには言われたくないなー。ろくに床入りしない方には」
「床入りしないのと、いやらしいことをしないのは同じじゃないよ。色々やりようはある。手とか足とか」
「足っていうのが不穏なんですけれど。それ、何ですか」
ヴァレンの言葉に、ミゼアスはお茶を一口含むとゆっくり頷いた。
「そうか、知りたいのか。よし、わかった。きみに技術指導をしてあげようじゃないか。たっぷりとその身に叩き込んであげるよ」
「いえ、口頭でお願いします」
「遠慮するんじゃないよ。きみと僕の仲じゃないか。逃げ出せないような縛り方も教えてあげるから、覚悟するんだね」
大体は昼近くになってようやく起き、まずは目を覚ますべく風呂に入る。
そして身支度を整えると、食堂に行く。外に食べに行くこともあったが、一人では滅多に行くことはない。たいていは食堂で済ませてしまう。
今日ものそのそと食堂で遅めの朝食を食べていた。
「ミゼアス兄さん、おはようございます。もう遅いですけれど」
声をかけられる。見れば、そこにはヴァレンが料理の乗った盆を持って立っていた。
「……きみこそ、これから朝食かい? きみにしては遅いね」
「ええ、昨夜はちょっと無理をしてしまったので」
ヴァレンはミゼアスの向かいの席に座りながら言う。
「へえ、何をしたんだい? 激しい体位? それともいやらしい道具でも使われちゃった?」
目を輝かせながらミゼアスは問いかける。
「すっごく楽しそうなところ申し訳ありませんが、飲み比べです。客と飲み比べになりました」
「……きみにはがっかりだよ」
大げさにため息を漏らすミゼアス。
「大体、どうして客と飲み比べになるんだい。おかしいだろう」
「そう言われても……その場のノリとしか。ああ、客は潰しました。俺の勝ちです」
「勝ちって……潰しちゃまずいだろう……。きみは酒豪王でも目指しているのかい。賭博王の次は酒豪王で、称号でも集めているのかい?」
「いやー、別にそういうわけじゃないんですけれどね。そのあたりは人生のおまけってやつで」
ヴァレンは笑いながら答える。
「きみはつくづく白花らしくないよね。ここは娼館なんだから、もう少しいやらしいことをしなよ」
「それ、ミゼアス兄さんには言われたくないなー。ろくに床入りしない方には」
「床入りしないのと、いやらしいことをしないのは同じじゃないよ。色々やりようはある。手とか足とか」
「足っていうのが不穏なんですけれど。それ、何ですか」
ヴァレンの言葉に、ミゼアスはお茶を一口含むとゆっくり頷いた。
「そうか、知りたいのか。よし、わかった。きみに技術指導をしてあげようじゃないか。たっぷりとその身に叩き込んであげるよ」
「いえ、口頭でお願いします」
「遠慮するんじゃないよ。きみと僕の仲じゃないか。逃げ出せないような縛り方も教えてあげるから、覚悟するんだね」
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