魔法少女 ミルティ=クラウゼ

桜雨ゆか

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【おまけ話】7の後日談

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 ノクスからミリア・ユマモリの話を聞いてから数日。
 その日、ミルティはソファの上で膝を抱えながら、ひとり考え込んでいた。

(……ノクスは興味ないって言ってたけど、本当なのかな?)


『だいたい、僕、君以外に反応しないから』


 ノクスが言っていた言葉が脳裏をよぎる。
 嘘はないと思う。
 あのときは嬉しく思ったけれど――。

(ノクスだって男の人だし……。わたしとこうなる前はそりゃいろいろあっただろうし……)

 考えたところで不毛だとわかっているし、嫉妬などしてもどうしようもないことだとわかっている。それでもなぜか気になってしまうのだ。

「……実際のところ、好みとかってあるのかな?」

 ぽつりと呟いて、ミルティは膝に顔を埋めた。
 と、そのとき。

「――何が気になってるの?」

 突如耳元で聞こえた声に、ミルティはびくりと肩を震わせた。
 振り向くとそこには――いつの間に入ってきたのか――ノクスが立っていた。

「ノクス⁉」
「入るときにいちおー声はかけたよ?」

 ノクスが身を屈め、ミルティの顔を覗き込む。

「なにか悩みごと?」
「ううん……別に」
「ほんとに?」

 ノクスはミルティの隣に腰を下ろし、肩を抱き寄せた。
 優しい声音にほだされてしまいそうになるが、どう言ったらいいかわからず口ごもる。

「あの……えっと……」
「うん?」
「こ、この前、ミリアの動画のとき、えっと、その……。反応しないって言ってましたけど――」
「えっ⁉ あ! あ、うん。そのことか……」

 ノクスは一瞬困惑した表情を見せたが、すぐに穏やかな笑みを浮かべた。

「ほんとだよ……? 君以外にそういう気持ちにはならない」

 ミルティはノクスをじっと見上げた。
 嘘じゃないのはわかっている。
 わかっているが――。

「――……この前も言ったけど、じゃあ、確かめてみる?」
「え……⁉」
「本当に反応しないかどうか」

 ノクスの顔が近づき、吐息がかかる距離で囁かれる。

「………………」

 ミルティはしばし沈黙したあと、改めてノクスを見上げて頷いた。

「わたし、確かめたいです」
「え…………」

 ノクスの方はミルティの反応が意外だったのか、少しだけ目を丸くして、それから宙を仰いだ。
 ちらりと視線を泳がせたノクスの目に、部屋の隅でむくりと頭をお越し、こちらを見て笑うような顔をしたアテルの姿が映った。



 
「……本当に確認したいの?」

 ベルトをはずしながら、ノクスはもう一度、ミルティを見た。

「はい」

 真剣な眼差しで即答されたからか、ノクスもそれ以上何も言えなくなったようだ。
 ノクスは一つ大きく息を吐き出すと、ズボンの前をくつろげ、スマホを取り出した。

「じゃあ……試してみようか」
「はい」

 ノクスはスマホを操作し、例の動画ページを開くとテーブルの上に置いた。

「とりあえず……最後まで再生してみて。僕のがどう反応するか見たいってことでしょ?」
「……はい」

 ミルティの視線を受けながら再生ボタンを押すと動画はすぐに始まった。
 画面の中ではミリア・ユマモリがなにやら怪しげなマッサージ店に入っていくところだった。

「先に言っておくけど、ミルティに見られてるって時点で少しは勃つからね? これは動画の影響じゃないから」
「わかりました」

 動画を見ながら話しかけるノクスにミルティはこくりと頷いた。

「通常時のコレ、見られるのって結構恥ずかしいんだけど……」

 ノクスが苦笑しながら言う。
 ミルティも確かに、起き上がっていないときのノクスのそれを見るのは初めてだった。
 いつもの凶悪さはないものの、それなりの質量のそれを間近でじっと見つめる。

「っ……。ミルティ、ちょっと近くない?」

 ノクスが言うとおり、多少興奮しているのかすでに緩く芯があるのがわかる。
 ――だが勃起と呼べるほどではない。

(……本当に全然反応してない)

 画面の中では施術師の男に胸を揉まれているミリアが見える。
 淡い水色のブラジャーを捲られ、豊かな乳房が晒される。
 薄桃色の先端がツンと尖り、そこを長い指が摘み上げる。

『んんっ♡ だめぇ……♡』

 ミリアの声が室内に響いたけれど、ノクスの方はしれっとした顔で画面を見ている。
 股間のほうも勃ち上がった様子はない。

『ひゃっ♡ そこっ♡ 弱いんです……♡』

「ホントなんですね……」

 ミルティは小さく呟いて、何気なく手を伸ばした。
 ちょん、と指先で亀頭に触れる。すると明らかにぴくり、と反応がある。

「ミルティ⁉」

 驚いた声を上げたノクスを見上げると、いつになく困ったように眉尻を下げていた。

「君に触られたらさすがに……反応するでしょ」
「あ、ごめんなさい」

 ぱっと手を引っ込めようとしたミルティの手首をノクスが掴む。

「ねえ」
「え……?」
「ちょっかい出して反応させたんだから、ちゃんと触ってよ」

 ノクスが身をかがめ、ミルティの耳元で低く囁いてくる。
 見れば、さっきまでおとなしくしていたノクスのそれはむくむくと大きくなっていた。

「もう確認はいいよね。動画止めるよ?」
「あ……」
「ミルティの可愛い手でシコシコしてほしいな?」
「っ……」

 その熱っぽい声に逆らえるはずもなく、ミルティは恐る恐るそれを握った。
 柔らかな手のひらに包まれた途端、ノクスのものが一気に質量を増す。

「あーあ……♡ やっぱり君に触られてるとすぐ勃っちゃ――あ。ミルティ、ごめん。ストップ」
「え……?」

 ノクスがなにかに気付いたように動きを止めさせる。
 彼の視線の先を追えば、アテルがこちらをじっと見つめていた。

「――……アテルが見てるから、ミルティの部屋行こっか?」

 そう言ってノクスは立ち上がるやいなやミルティを抱き上げた。

「ノクス⁉」
「ごめんね? でも、先に仕掛けてきたのは君の方だからね。責任取ってね」

 いたずらっぽく笑うノクスの表情に胸が騒めく。
 こんな風にノクスに迫られると断れるはずがないのだ。
 ――というより拒むつもりなんてさらさらないのだが。
 ミルティは観念して目を閉じた。
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