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1章
1話
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あれから二日、私はこの世界がどの世界なのか確かめるべく、父の執務室。本がたくさんあるところ!を探していた。
そして私についてわかったことがある。1つ目、私の名前はリン・リーヴルと言うこと
2つ目、私の今の年齢は5歳。つまりあと一年で学園入り……だと言うことだ。
そして最後に、私の家族構成についてだ。私、父、母、兄。以上4人。父、ノエル・リーヴル。母、グリエナ・リーヴル。兄、ランド・リーヴル。
「はぁぁ……そして使用人の人たち……私は公爵家だったのか……もしや悪役令嬢……?」
ちなみにこの情報すべて、私が高熱を出す前の記憶である。鏡を見たことはあった。一度だけ。でもそれ以降見ていなかったのは自分の姿が嫌いだったから。父にも母にも兄にも似ていないこの姿が。家族皆金髪の青目で私だけ黒髪に茶色の目だ。母の不貞の疑いが使用人の間で広まった。それで母が傷つくのを見たくなかった。
でも母はそんなことを気にせず私を愛してくれた。父も母の不貞を1ミリも疑わず私を愛してくれていた。
うっ……家族大好き……
「父さまの部屋……全くわからない……」
ううん……どうしたものか……以前の私は部屋にこもりっぱなしでどこに何がなんの部屋があったのかわからないのだ。この家が広すぎなだけ……コホン
「とりあえず一部屋ずつ開けるか」
「きゃ!お嬢様!?どうなされたんですか?」
「なんでもないわ。お仕事中ごめんなさい」
どうやらメイドさんが集まって刺繍をしていたようだ。次の部屋……
「おやおや、お嬢!どうしたんですかい?」
「なんでもないわ。お仕事中ごめんなさい」
なるほどここが調理室……いい匂いがした……次!
「おや?何か探しものをしているのですか?」
ため息をつきながら一人で歩いていると声をかけられた。
「じいや……その……本が……読みたくって……」
じいや。うちの使用人たちの長。使用人の中で一番偉い人だ。
「もしやお嬢様……勉強をなさるおつもりですか?」
「うん」
私が短く返事をする。するとじいやはうつむき震えだした。
「じいや……?」
もしや具合でも悪いのかと思い、顔を覗き込みむと……じいやは勢いよく顔を上げた。
「なんということでしょう!あの!お嬢様が!勉強なさりたいと!!じいや感激で涙が出ますぞ!」
「う…うん……よかったね……?」
「ではこの家の図書室に案内いたしましょう!」
え!そんなあっさりと!本が読めるとは!しかも図書室あったのね!
「ありがとう!じいや!」
私が笑うとじいやは滝のような涙を流した。私がどん引くほどに……
「うっうっ……じいやはお嬢様の笑う顔を見られて満足でございまびえええええ」
声を上げながら泣くじいや。
「泣かないでじいや。私図書室行きたい!」
「わ、わかりました!取り乱して申し訳ございません」
流石は使用人の長、執事長!切り替えが早い!……と思ったら前を歩きながらすんすんと鼻を鳴らしていてちょっとだけ笑ってしまった。さて、図書室いくか!ワクワクしている私を見てじいやはまた泣いたのだった
「じいや、変なの~」
そして私についてわかったことがある。1つ目、私の名前はリン・リーヴルと言うこと
2つ目、私の今の年齢は5歳。つまりあと一年で学園入り……だと言うことだ。
そして最後に、私の家族構成についてだ。私、父、母、兄。以上4人。父、ノエル・リーヴル。母、グリエナ・リーヴル。兄、ランド・リーヴル。
「はぁぁ……そして使用人の人たち……私は公爵家だったのか……もしや悪役令嬢……?」
ちなみにこの情報すべて、私が高熱を出す前の記憶である。鏡を見たことはあった。一度だけ。でもそれ以降見ていなかったのは自分の姿が嫌いだったから。父にも母にも兄にも似ていないこの姿が。家族皆金髪の青目で私だけ黒髪に茶色の目だ。母の不貞の疑いが使用人の間で広まった。それで母が傷つくのを見たくなかった。
でも母はそんなことを気にせず私を愛してくれた。父も母の不貞を1ミリも疑わず私を愛してくれていた。
うっ……家族大好き……
「父さまの部屋……全くわからない……」
ううん……どうしたものか……以前の私は部屋にこもりっぱなしでどこに何がなんの部屋があったのかわからないのだ。この家が広すぎなだけ……コホン
「とりあえず一部屋ずつ開けるか」
「きゃ!お嬢様!?どうなされたんですか?」
「なんでもないわ。お仕事中ごめんなさい」
どうやらメイドさんが集まって刺繍をしていたようだ。次の部屋……
「おやおや、お嬢!どうしたんですかい?」
「なんでもないわ。お仕事中ごめんなさい」
なるほどここが調理室……いい匂いがした……次!
「おや?何か探しものをしているのですか?」
ため息をつきながら一人で歩いていると声をかけられた。
「じいや……その……本が……読みたくって……」
じいや。うちの使用人たちの長。使用人の中で一番偉い人だ。
「もしやお嬢様……勉強をなさるおつもりですか?」
「うん」
私が短く返事をする。するとじいやはうつむき震えだした。
「じいや……?」
もしや具合でも悪いのかと思い、顔を覗き込みむと……じいやは勢いよく顔を上げた。
「なんということでしょう!あの!お嬢様が!勉強なさりたいと!!じいや感激で涙が出ますぞ!」
「う…うん……よかったね……?」
「ではこの家の図書室に案内いたしましょう!」
え!そんなあっさりと!本が読めるとは!しかも図書室あったのね!
「ありがとう!じいや!」
私が笑うとじいやは滝のような涙を流した。私がどん引くほどに……
「うっうっ……じいやはお嬢様の笑う顔を見られて満足でございまびえええええ」
声を上げながら泣くじいや。
「泣かないでじいや。私図書室行きたい!」
「わ、わかりました!取り乱して申し訳ございません」
流石は使用人の長、執事長!切り替えが早い!……と思ったら前を歩きながらすんすんと鼻を鳴らしていてちょっとだけ笑ってしまった。さて、図書室いくか!ワクワクしている私を見てじいやはまた泣いたのだった
「じいや、変なの~」
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