荒唐無稽なプレゼンター ~何処でも誰にでもプレゼントできるというクズ能力で異世界を救います~

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

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第3話(クズ能力で異世界を救う)

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 俺は王様と魔王討伐の約束を取り付けると、さっきの若い騎士のアンチャンに連れられて、さっきの応接間っぽい部屋に戻ってくる。すると、部屋で待機していたメイドさんが小さな皮袋を持ってきて、俺に手渡す。
 中を少しあけてのぞいてみると、白と金と銀のコインが沢山入っていた。この世界の貨幣価値はわからんが、王様がくれる褒美だから安いことはないだろう。
 俺は安心して王宮から去ろうと勢いよく部屋の扉を開ける。

ガンッ!!

 何かにぶつかるような鈍い音がして扉が途中で止まる。扉の隙間から頭を出して確認すると、ゴツくて青い全身鎧を着た金髪の男が頭を押さえてうずくまっている。隣にはネグリジェみたいな薄いローブを着てスイカを身に宿したウェービーな髪形をした女が、大丈夫?と声をかけている。また反対側には関東平野をその身に宿した女が俺の事を睨んでいる。

「あぁ悪い。俺急いでいるからじゃぁな!」
 手をシュタッと上げて、王宮を去る方向に進もうとすると、関東平野女が絡んでくる。ショートヘアでへそが見えるくらい短いトップスと、マイクロミニのショートパンツをはいているので、その健康的な四肢や腰がよくわかる。頭から突き出した耳には多少配慮できるが、それ以外の体付きは俺は好みじゃないからどうでもいいけど。
 好みじゃない女からの呼びとめなどは、俺の進行を妨げる障害なぞには成り得ないので、若い騎士のアンチャンと出口に向かう。

「待てって言ってるでしょ!!」
 ヒステリー気味に再度大声を張り上げる関東平野女。しかたないので振り向いてやると、釣り目気味の目を更に尖らせながら、謝罪を要求してくる。その頃には扉攻撃の余韻から回復したのか、ゴツくて青い鎧の金髪イケメンがこちらに笑いかけてくる。

「キミが先日『異界渡り』してきた人だね」
 イケメンが馴れ馴れしく声をかけてくるので、俺は「どうだかな」とイライラして返す。その胡散臭い笑顔を止めていただきたい

「キミも魔王討伐するって聞いたんだけど、ボクも討伐に向かうんだ。勇者だからね」
 聞いてもいないのに勇者自慢をしてくるイケメン。お前なんか勇者(仮)で十分だ。俺はそのウザイ金髪イケメン勇者(仮)に「頑張れよ」とてきとーな言葉でお茶を濁してその場を去る。

 なんとか面倒事から逃げ出せた俺は、手を振る若い騎士のアンチャンに別れを告げて、三つ首狼ケルベロスの報酬を貰う為、冒険者ギルドへと向かうのだった。

 と意気揚々と出発したのは良いんだが、冒険者ギルドがわからん。仕方ないので俺は道行くおばちゃんに尋ねながら冒険者ギルドを目指すのだった。
 冒険者ギルドに入り、三つ首狼ケルベロスの報酬を受け取ろうとするとギルドマスターとやらから呼び出しが掛かる。面倒くさかったが仕方ないので冒険者ギルドの奥の部屋に入ると、みるからに歴戦の戦士と言わんばかりの片目のマッチョがいた。

「キミが三つ首狼ケルベロスを討伐してくれた『異界渡り』か。ありがとう助かったよ。ギルドでも相当手を焼いていたので、どう討伐したらいいものか悩んでいたのだ」
 素直に礼をいわれたので、こちらも素直に受け取っておく。言葉の礼だけではなく、当たり前だが『異界渡り』には身分証がないので、勝手に作っておいてくれたらしい。その際に勝手に冒険者ギルド所属になっていた所には苦言を呈したい気持ちでいっぱいだが。

「そして冒険者ランク青銀鉱ミスリルのキミには、大事な依頼がある。国からの命令で魔王城の確認依頼が来ている。魔王城が目視できる範囲まで近寄り、どのように攻められるかを報告する任務だ」
 どのみち魔王城まで散歩しようとしていた俺には渡りに船な依頼だ。実際の所、下見した後の攻略なぞは不要なのだが。

「また、魔王城確認任務においては勇者一行も同行するので安心して欲しい」
 全く安心できない台詞が出てきたので、俺は依頼を断って回れ右して帰ろうとする。

「いやいやいや!今代の勇者は魔力もさることながら剣の腕も一級品。そして仲間も魔導士と獣人斥候と探索には欠かせない人材がいる」
 片目マッチョは何とか俺を説得しようとするが、俺は金髪イケメンとは住んでいる世界が違うので、絶対にお断りしたかったのだが、報酬の上乗せ、最悪使い捨てて帰っても文句言わないなどの有利条件を引き出して納得した

 次の日に用意された馬車に乗り込んで一路魔王城を目指す。山を二つ越えた所にある魔王城は、何かオドロオドロしていて、ドラキュラの城みたいなイメージだ。
 俺は魔王城が目視確認できた所で、既に攻略完了が明確になったので、振り向いて帰ろうとする。するとまた金髪イケメンの従者の関東平野女がイチャモンをつけて来るので、面倒くさいから馬車に手を触れると、一瞬でギルド前へ贈答プレゼントする。

 魔王城が見えた所から一瞬で城下町に帰ってきた事実を知った関東平野女は、口をあんぐりと挙げたまま固まっていたので、無視してギルドに入っていく。

 片目マッチョに魔王城の報告をし、この後魔王城攻略をする旨を伝えると、国王に報告する!から待っとれと言い残して走っていってしまった。
 仕方ないので冒険者ギルドの酒場でケモ耳、スイカップ、もふもふ尻尾の色気たっぷり獣人ウェイトレスさんを十分に堪能していると、片目マッチョが帰って来る。

「国王に報告してきた。いつから?何名で?構成は?と不安がっておられた」
「今から、1名で、俺だけ」
俺はそう言うと、冒険者ギルドを出ると魔王城の方角に眼を向ける。

「じゃぁいくぜ?」
 俺はあらかじめ用意しておいた水の入った水筒を取り出すと水筒に入った海水に含まれる幾つかのを、魔王城の近くにある空気に含まれている贈答プレゼントする。

 水素分子と寸分たがわぬ座標に贈答プレゼントされた重水素は化学反応を起こし……
(※本当はこんな簡単に起こりませんが異世界ですので!)

ドッドッドッドッチュドォォォォォォンッッッ!!!!

 魔王城の方角に巨大なきのこ雲が発生する。よし成功だ。重水素と水素を化合した水素核融合の前ではどんな生物も死滅する。魔王といえどドラゴンといえど一溜りもないだろう。

「魔王討伐ミッションコンプリートだな」
 俺は誇らしげな顔をして満足しているが、周りの人たちはこの世の終わりと言わんばかりに半狂乱になっている。うん、そうね。みんなが言うように天罰に見えるかもね。

こうして俺は「何処でも誰にでもプレゼントできるというクズ能力」で魔王を討伐し異世界を救ったのだった。大量の公害である放射能汚染を撒き散らしながら。
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