体育教師の躾と訓練

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仕組まれた厳罰と秘められた厳罰(回想編)〜和彦

気の利く生徒達

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身体を動かすことに集中していると時間が経つのを忘れる。

昔からの和彦の癖だ。

だから荒木がホイッスルを吹きグラウンドでの自主練の終了を告げた時、当然にこのままプールへ向かうものと思った。

荒木のもとに、参加者が集まる。

「お前達、気合いが入ってるなぁ、、、驚いたぜ、、、」

荒木が言う。

「そろそろグラウンドは切り上げだ。次に移ろう、、、、」

ウェ~イともウォ~イともつかぬ若者らしい掛け声が上がる。

「おう、杉山っ、ちょっとこっちに来てくれ」

荒木が和彦に声を掛け、グラウンドの入り口の反対側へ向かう。

グラウンドの入り口の脇のベンチの周囲には皆の荷物が置かれているので、生徒達はゾロゾロとそちらに向かう。

荒木はその生徒達に背を向けるように立ち、和彦へ耳打ちするように話し始める。

だから、和彦も入り口近くの生徒達に背を向けた態勢で話を聞く。

「おう、グラウンドが思いのほか盛り上がってな。時間が押した。プールはカットして体操だ」

「え?良いんですか?生徒達は、プールで泳ぐことを楽しみにしてたじゃないですか」

「おいおい、俺とお前が揃ってるんだぜ。体操の試技を見せないわけにはいかないだろう。プールなら、また、届けを出せばゆっくりと入る事が出来る」

確かにそうだ、、、、

振り返り生徒達の方を見ると、ほとんどの生徒達が、荷物を持ってグラウンドを後にしている。

「なら、僕達も早く行きましょう」

「そう焦るな杉山。主役は最後に登場するのが定番だろ?」

自分達を“主役”と表現する荒木。

その尊大な物言いが、和彦は好きではない。

あくまでも教師と生徒と立場が分かれていても、等しい立場だと考えている。

それに、和彦は、試技を披露すると言っても、己の実力の自慢ではなく、生徒も努力して練習すればこれだけのことが出来る、ヤル気がある生徒には自ら技を教えたいという気持ちでやっているのだ。

主役も何もない。

が、赴任以来、ギクシャクしている荒木との仲を改善したいと思っている和彦は、あえて言い返さず聞き流す。

「ゆっくり行こうぜ、、、、」

荒木はゆっくりと歩き始める。

和彦は、足を速める。

「じ、自分はウェアを着なければならないので、先に行きます」

そして、入り口近くを見て愕然とする。

「えっ?なんでっ?」

荷物を置いたはずのベンチが片付いている。

乗っているのはスポーツドリンクのボトルとタオルだけのようだ。

和彦は、靴のみ履いた素っ裸で走り出す。

背後で荒木が不敵に笑い、プリプリ左右に揺れる和彦の発達したケツを舐めるように見る。

バカなヤツ、、、、、

笑いを押し殺す。

ホント、単純で騙されやすいところは変わらないな、、、

一本気で純粋な和彦。

その真っ直ぐな性格を好く者は多い。

しかし、邪心を抱く者にとっては良いカモだった。

和彦はベンチに急ぐ。

やはり、和彦の荷物を入れたバッグはない。

それを言えば、荒木の物も。

ベンチに置かれたのは寮の部屋を出る時に用意したスポーツタオルと先ほど風間が差し入れのように手にしていたスポーツドリンク、そして、そのスポーツドリンクのスクイズボトルが和彦のものだと示すようにボトルの下に丁寧に敷かれた深紅のエロケツ割れマイクロビキニ。

「奴等が俺達のバッグを運んでくれたか、、、気が利く奴等だ、、、」

身を隠す布がマイクロビキニがタオルしかないと知り愕然とする和彦の気も知らず、荒木が言う。

気が利く生徒が、わざわざマイクロエロビキニとスポーツタオルのみを残し、これから着替えるはずの水着やら、体操着やらが入ったバッグを持ち去るワケがないと知っての言葉だ。

和彦は、困惑する。

グラウンドから体育館までの道。

敷地の裏手にあたるため校内からはそんなには目立たないだろう。

だが、股間を隠すとしてどちらが良い?

ケツ割れエロビキニか、、、

横幅は広いが縦幅が短いスポーツタオルにするか、、、

迷った末、スポーツタオルを手に取る。

やはり一度履いて脱ぎ捨てた上、履いたとしてもケツが丸出しとなるマイクロエロビキニ1枚で校内を歩くのは憚られる。

そそくさと和彦は、腰にスポーツタオルを巻き付ける。

フェイスタオルよりも長いため腰に巻き付けるのは楽だ。

が、バスタオルよりも小さく、肩にかけて汗を拭きやすくするため、腰に巻いた時に高さはない。

だから、和彦の人一倍大きなイチモツが、平常時だというのにタオルの生地を持ち上げ、少し目線を下げれは亀頭と玉袋が覗く状態である。

「おい、杉山っ!タオルからチンポコがはみ出してるぞっ!ったく、お前のチンポは無駄にデカいなっ!恥ずかしくないのかっ!」

その言葉に、和彦は珍しく軽くムッとした表情を浮かべる。

“無駄にデカい”、、、余計な御世話だと思う。

“恥ずかしくないのか?”、、、生まれ持ってのチンポコだ、恥ずかしがれと言われる筋合いのものではない。

「杉山、さっきまで素っ裸でいたんだから、潔く裸のままでいろよ。その短いタオルじゃ、お前の無駄にデカいチンポコを強調して、モロ出しよりも逆に卑猥だぜっ!」

そう言うと有無を言わさずタオルを剥ぎ取る。

「あ、荒木さんっ!返してくださいっ!」

和彦が声を荒げる。

「おいおい、ついさっきまでフルチンでグラウンドを突っ走ってたのに何を恥ずかしがることがある。下手に隠すより、普通に出した方が健康的だぜ?ほら、スポーツドリンクを飲んでクールダウンしろよっ!折角の生徒の差し入れだ」

そう言うと、荒木は深紅のエロビキニの上に置かれたボトルを取ると、和彦の方に放り投げ、その横の自身用のボトルのキャップを開け、ゴクゴクと美味しそうにのみだした。

ふぅ、、、何を言っても無駄か、、、、

荒木の一度言い出したら曲げずに主張するネチッこい性格を思い出し、和彦は、反論を諦め、スポーツドリンクのキャップを取った。

クエン酸も入っているのだろう、少し酸っぱいドリンクは喉を潤し、身体に染み渡った。

「しっかし、お前は、本当にバカが付く正直者だな、まさか、本当に素っ裸になるなんて。教師だろ。何で、教師が、失敗したからといって、OBやら、生徒達と、同じにユニフォームを脱いで裸にならなきゃいけないんだ?断りゃ良かっただろう」

そうだった。

上の者にはヘコヘコ爽やかに振る舞うが、下の者には言い返さないことを良いことに、ネチネチとつまらない説教を続ける。

荒木のそんな部分が俺は苦手だったんだ、、、

肩を壊して試合から遠ざかってからは会うこともなくなり、この学園に赴任してからは、露骨にソッポを向かれるので、和彦も気を使い、荒木が出勤日には、なるべく体育教官室には近づかず、教員室で過ごすようにしていた。

だから、久々に、荒木のネチネチした物言いにさらされている。

「学生気分が抜けてないんだよ。だいだいお前は体操の選手でラグビーは専門じゃないんだからスクラムで失敗するのも当たり前だろ。それを、爽やかぶって脱ぎやがって、、、、」

もし、そう思うなら、俺が脱ぎかけた時に止めてくれれば良かったじゃないか、、、

和彦は、胸の中でそう呟く。

荒木はネチネチと説教じみた物言いを続ける。

これを遮ろうものなら、“お前は俺のアドバイスを無視するのか?そういう思い上がった態度だと、、、”というように、ネチネチ説教の時間が長くなることは知っている。

だから、その言葉がチクチクと鬱陶しい棘のように胸を刺すのを我慢しながら、和彦は、歩く。

途中、和彦と荒木が向かっているのとは別方向から生徒達のはしゃぐ声と水飛沫の音が聞こえてきた。

え?

プールに誰か?

和彦は、訝しく思う。

が、高3の有志以外に、プールの使用申請をした生徒がいたのかと勝手に納得する。

この良い陽差しだ。

プールに入りたがる生徒が出てもおかしくない。

納得し、和彦は、生徒達の声がするのとは別の方向、体育館へと歩く。




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