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五月:聖職者の揺らぎ
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大通りから一本入った路地を二つの影が急足で歩く。
そして、曲がり角に近づくと、気配を消しゆっくりと歩き、そっと通りを見る。
「アポロンは、まだだな、、、」
一人目が言う。
「なに、チンタラ、歩いてんだか、、、体育教師のくせにトロトロしやがって、、、」
二人目が吐き捨てるように呟く。
それは、晴明学園の三年生二人の影。
一人目は猛者と呼ばれる格闘技の名手、浜田、二人目は学生ボクサーの菊池だ。
ザッザッザッ、、、
アスファルトを蹴る音が近付いてくる。
駆けてきたのはクリっとした目の愛くるしい顔と、がっしりとした肩幅の少年、二年生の栗山だった。
「うまく置けたか?」
浜田が低く、焦れたような声をかける。
「ハマさん、バッチリっす、、、ほら、あそこに見えるでしょ。マンションの入り口の前、アイツが絶対通る目立つところに置いてきました」
「でかした」
浜田は唇を歪めて笑った。
「さて、今日は食いつくか?」
浜田が興味津々な様子で言う。
「お前らしくもない。何を慎重にやってるんだ?あんな奴、とっとと押し倒して、力尽くで襲えばいいじゃないか、、、」
苛立ちを隠せないように、菊池が唾を吐き捨てて呟く。
「ったく、まどろっこしい。元々、ああ言う爽やかぶったスポーツお天気野郎は気に食わなかったんだ。素っ裸にひん剥いて、写真の二、三枚も撮れば、堕ちんだろ、、、」
「バカ。それじゃ俺たちが単なる暴力事件を起こしただけになるだろ? 俺は、一発やりたいだけじゃねぇ。あいつを完全に俺たちのモノにしたいんだ。佐藤みたいにな、、、俺達には絶対服従のペット化することが目的だ。そのためには、アイツ自身の意志で俺たちに向かって一歩を踏み出させ、その弱みを握って逃げ場がないようにしなきゃ意味がねぇんだよ」
「しかし、佐藤が黒崎のペットって本当なのか?まぁ、信じられねぇよ」
菊池が言う。
浜田が意味ありげに栗山を見る。
「クフッ!本当ですよ。黒崎さんの命令で土下座するわ、素っ裸で腰振りダンスするわ、、、この間、レスリング部の朝練に参加させてもらったんですけど、佐藤先生、最初っから素っ裸で、練習に参加して、タックルの受け身や技の練習台になるんすよ、、、しかも、直ぐに勃起して、、、楽しかったぁ、、、思い切りコブラツイストかけたら、ヒィヒィ叫びながら我慢汁を流すんすよ、、、」
「げっ!いい歳こいて、最低だな、、、」
「菊池さんは、年下好きだから、佐藤先生みたいな年上マッチョがよがっても興味ないっすもんねぇ」
「シッ!静かにっ!来たっ!」
浜田が鋭い声で言う。
こっそりと覗き見ると、通りの向こうから長身のモデルのようなスーツ姿のシルエットが現れた。
食いつけよ、、、来生、、、お前のその澄ました面の下に隠してるドロドロしたもん、この俺様が全て曝け出してやるよっ!
浜田は胸の内で呟く。
*
土曜日の午後、、、
今日こそは意地を張らずに和彦とコミュニケーションを取り、週末を共に過ごそうと決めていた。
中華料理屋での餃子のセール、、、
あの瞬間のアイコンタクト。
一緒に行くものだと思っていた。
しかし、体育教官室で待っていても、和彦は現れない。
痺れを切らし、純一は中華料理屋へ向かった。
“純一せんぱ~い、先に行っちゃうなんて冷たいですよ~”
そんなことを言いながら和彦が店の扉から入ってくるのを待った。
たが、来なかった。
「勝手な奴だ、、、俺は、教師の自覚を持って、目立つ真似は止めようと言っただけなのに、、、学生気分が抜けていない、、、」
純一は独り、苦い溜息をつきながらマンションへと続く道を歩いていた。
脳裏に浮かぶのは、自分を無視した(純一の主観ではそうなっていた)和彦の横顔。
怒りと寂しさ、そして、意地を張ってしまった自己嫌悪。
ないまぜとなった感情。
そして、それ以上に純一を苛んでいたのは、一週間も和彦と肌を重ねていないという、身体の芯から突き上げてくる飢餓感だった。
これまで恋愛経験はなく、和彦が初体験だった純一。
その体験は目眩く肉の喜びを教えてくれた。
時間があれば、互いに貪り合ったのが、日曜日の諍いでぴたりと止まった。
一週間の禁欲に、肌を合わせる喜びを知ってしまった純一の身体は放出への欲求に身悶える。
理性で制御しようとしても抑えられない。
和彦の肌の温もりを欲する。
和彦の辿々しい愛撫を肌に思い出し、空虚な闇を心に作り出す。
気が付けば体が火照っている。
ジリジリとした欲望の炎が内から純一を嬲る。
やりたい、、、
和彦と交わりたい、、、
そんな自分を理性が責める。
不謹慎だ、、、
俺は、聖職につく教師だ、、、
常に理性的であるべきだ、、、
なのに、私は、何という淫らなことを考えているんだ、、、
自分を律しようとするほど、脳裏には卑猥な妄想が火花を散らす。
和彦のあの丸太のような太腿、、、
汗ばんだ重厚な胸板、、、、
そして、恥ずかしそうにある尻を上げた和彦に純一の分身を差し入れた時の感触、一体感、、、
そして、二人して迎える絶頂、、、
それらを欲してやまない自分を恥じ、嫌悪し、それでも股間の疼きは止まらない。
おかしいぞっ!俺っ!
自身を叱咤する純一。
その時、マンションの入り口付近、アスファルトの上から場違いな色彩が目に入った。
ハガキ大のその紙片。
その毒々しい色彩に目を留めた瞬間、純一の心臓が、爆発するようにズキンと高鳴った。
心臓の衝撃の後、ようやく頭がそれが何を描いているかを認識する。
そこに写し出されていたのは、人間の肉体というよりは、剥き出しの生命力を象徴する“雄”の極致といったようなコラージュだった。
メインは筋骨たくましい褐色の肢体。
隆起する筋肉の溝を飾る、野性的な濃い体毛。
股間を辛うじて隠す影が、かえって見る者の想像力を官能的に刺激する。
顔は映っていない。
その周囲にも逞しい尻が、胸筋が、背筋が、腹筋が、様々な肉色の濃淡を見せちりばめられている。
不潔だ。こんなものが、人目のある往来に、、、
子供の目に触れたらどうするんだっ!
頭では激しく否定しながらも、純一の視線は吸い寄せられた磁石のように、その逞しい肉体が乱舞する紙片から離れない。
禁欲で極限まで過敏になっていた視神経が、背景にうっすらと浮かび上がる絡み合う男たちの肢体を克明に捉えてしまう。
ゴクリと生唾を飲み込む。
純一はその紙片を拾い上げる。
こんなモノが子供の目に触れたら大変だ、、、
それは、自分自身への言い訳だ。
その証拠に、すぐにクシャクシャに丸める訳でなく、紙片に目を落としている。
それは、ハガキ大の光沢紙、、、
肉色の筋肉のコラージュの上下に、太く、力強いフォントで煽りの言葉が書かれている。
“理性を脱ぎ捨て、本能に跪け。――『聖域』、遂に開門!”
“磨かれた鋼の肉体、迸る精魂。ここは、選ばれし“雄”たちが、洋服を脱ぎ捨てて互いを貪り合う、秘密の闘技場”
“偽りの仮面を剥げ!誰にも言えないその疼きを曝け出せっ!”
“6月1日21:00 OPEN。完全会員制。入口は◯◯交差点からすぐの袋小路の突き当たり、漆黒の扉の先、、、貴方の“真実の姿”をそこで待つ”
純一は脳みそを掻き回されるような痺れを感じる。
“理性を脱ぎ捨て、、、”
“偽りの画面を剥げ!”
その言葉に、自身を見透かされたような戦慄を純一は覚える。
純一の性癖を確かめ、罠に近づける為に、浜田たちが精巧に作り上げたチラシ、、、
そこに書かれた文字は、禁欲に苦しむ純一の“雄”の本能を直接揺さぶった。
そこに描かれた簡単な地図。
だが、まざまざとその場所が思い浮かぶ。
ジョギングの際に通り過ぎる、あの人通りの絶えた袋小路の奥、、、
「はぁ、はぁっ」
純一の呼吸が、熱を帯びて荒くなった。
悪いことをしていないのに周囲を見回す。
誰もいないことを確認する行為は、もはややましい行為を犯す子供のそれだった。
ダメだ、こんな、ふしだらな場所、最低だ!
純一の理性が叫ぶ。
だが、純一は、その光沢紙をスーツの胸ポケットにしまい、その場から逃げるようにマンションのオートロックを解除し、建物に消える。
その様子を眺めた三人の生徒が快哉のハイタッチをする。
そして、曲がり角に近づくと、気配を消しゆっくりと歩き、そっと通りを見る。
「アポロンは、まだだな、、、」
一人目が言う。
「なに、チンタラ、歩いてんだか、、、体育教師のくせにトロトロしやがって、、、」
二人目が吐き捨てるように呟く。
それは、晴明学園の三年生二人の影。
一人目は猛者と呼ばれる格闘技の名手、浜田、二人目は学生ボクサーの菊池だ。
ザッザッザッ、、、
アスファルトを蹴る音が近付いてくる。
駆けてきたのはクリっとした目の愛くるしい顔と、がっしりとした肩幅の少年、二年生の栗山だった。
「うまく置けたか?」
浜田が低く、焦れたような声をかける。
「ハマさん、バッチリっす、、、ほら、あそこに見えるでしょ。マンションの入り口の前、アイツが絶対通る目立つところに置いてきました」
「でかした」
浜田は唇を歪めて笑った。
「さて、今日は食いつくか?」
浜田が興味津々な様子で言う。
「お前らしくもない。何を慎重にやってるんだ?あんな奴、とっとと押し倒して、力尽くで襲えばいいじゃないか、、、」
苛立ちを隠せないように、菊池が唾を吐き捨てて呟く。
「ったく、まどろっこしい。元々、ああ言う爽やかぶったスポーツお天気野郎は気に食わなかったんだ。素っ裸にひん剥いて、写真の二、三枚も撮れば、堕ちんだろ、、、」
「バカ。それじゃ俺たちが単なる暴力事件を起こしただけになるだろ? 俺は、一発やりたいだけじゃねぇ。あいつを完全に俺たちのモノにしたいんだ。佐藤みたいにな、、、俺達には絶対服従のペット化することが目的だ。そのためには、アイツ自身の意志で俺たちに向かって一歩を踏み出させ、その弱みを握って逃げ場がないようにしなきゃ意味がねぇんだよ」
「しかし、佐藤が黒崎のペットって本当なのか?まぁ、信じられねぇよ」
菊池が言う。
浜田が意味ありげに栗山を見る。
「クフッ!本当ですよ。黒崎さんの命令で土下座するわ、素っ裸で腰振りダンスするわ、、、この間、レスリング部の朝練に参加させてもらったんですけど、佐藤先生、最初っから素っ裸で、練習に参加して、タックルの受け身や技の練習台になるんすよ、、、しかも、直ぐに勃起して、、、楽しかったぁ、、、思い切りコブラツイストかけたら、ヒィヒィ叫びながら我慢汁を流すんすよ、、、」
「げっ!いい歳こいて、最低だな、、、」
「菊池さんは、年下好きだから、佐藤先生みたいな年上マッチョがよがっても興味ないっすもんねぇ」
「シッ!静かにっ!来たっ!」
浜田が鋭い声で言う。
こっそりと覗き見ると、通りの向こうから長身のモデルのようなスーツ姿のシルエットが現れた。
食いつけよ、、、来生、、、お前のその澄ました面の下に隠してるドロドロしたもん、この俺様が全て曝け出してやるよっ!
浜田は胸の内で呟く。
*
土曜日の午後、、、
今日こそは意地を張らずに和彦とコミュニケーションを取り、週末を共に過ごそうと決めていた。
中華料理屋での餃子のセール、、、
あの瞬間のアイコンタクト。
一緒に行くものだと思っていた。
しかし、体育教官室で待っていても、和彦は現れない。
痺れを切らし、純一は中華料理屋へ向かった。
“純一せんぱ~い、先に行っちゃうなんて冷たいですよ~”
そんなことを言いながら和彦が店の扉から入ってくるのを待った。
たが、来なかった。
「勝手な奴だ、、、俺は、教師の自覚を持って、目立つ真似は止めようと言っただけなのに、、、学生気分が抜けていない、、、」
純一は独り、苦い溜息をつきながらマンションへと続く道を歩いていた。
脳裏に浮かぶのは、自分を無視した(純一の主観ではそうなっていた)和彦の横顔。
怒りと寂しさ、そして、意地を張ってしまった自己嫌悪。
ないまぜとなった感情。
そして、それ以上に純一を苛んでいたのは、一週間も和彦と肌を重ねていないという、身体の芯から突き上げてくる飢餓感だった。
これまで恋愛経験はなく、和彦が初体験だった純一。
その体験は目眩く肉の喜びを教えてくれた。
時間があれば、互いに貪り合ったのが、日曜日の諍いでぴたりと止まった。
一週間の禁欲に、肌を合わせる喜びを知ってしまった純一の身体は放出への欲求に身悶える。
理性で制御しようとしても抑えられない。
和彦の肌の温もりを欲する。
和彦の辿々しい愛撫を肌に思い出し、空虚な闇を心に作り出す。
気が付けば体が火照っている。
ジリジリとした欲望の炎が内から純一を嬲る。
やりたい、、、
和彦と交わりたい、、、
そんな自分を理性が責める。
不謹慎だ、、、
俺は、聖職につく教師だ、、、
常に理性的であるべきだ、、、
なのに、私は、何という淫らなことを考えているんだ、、、
自分を律しようとするほど、脳裏には卑猥な妄想が火花を散らす。
和彦のあの丸太のような太腿、、、
汗ばんだ重厚な胸板、、、、
そして、恥ずかしそうにある尻を上げた和彦に純一の分身を差し入れた時の感触、一体感、、、
そして、二人して迎える絶頂、、、
それらを欲してやまない自分を恥じ、嫌悪し、それでも股間の疼きは止まらない。
おかしいぞっ!俺っ!
自身を叱咤する純一。
その時、マンションの入り口付近、アスファルトの上から場違いな色彩が目に入った。
ハガキ大のその紙片。
その毒々しい色彩に目を留めた瞬間、純一の心臓が、爆発するようにズキンと高鳴った。
心臓の衝撃の後、ようやく頭がそれが何を描いているかを認識する。
そこに写し出されていたのは、人間の肉体というよりは、剥き出しの生命力を象徴する“雄”の極致といったようなコラージュだった。
メインは筋骨たくましい褐色の肢体。
隆起する筋肉の溝を飾る、野性的な濃い体毛。
股間を辛うじて隠す影が、かえって見る者の想像力を官能的に刺激する。
顔は映っていない。
その周囲にも逞しい尻が、胸筋が、背筋が、腹筋が、様々な肉色の濃淡を見せちりばめられている。
不潔だ。こんなものが、人目のある往来に、、、
子供の目に触れたらどうするんだっ!
頭では激しく否定しながらも、純一の視線は吸い寄せられた磁石のように、その逞しい肉体が乱舞する紙片から離れない。
禁欲で極限まで過敏になっていた視神経が、背景にうっすらと浮かび上がる絡み合う男たちの肢体を克明に捉えてしまう。
ゴクリと生唾を飲み込む。
純一はその紙片を拾い上げる。
こんなモノが子供の目に触れたら大変だ、、、
それは、自分自身への言い訳だ。
その証拠に、すぐにクシャクシャに丸める訳でなく、紙片に目を落としている。
それは、ハガキ大の光沢紙、、、
肉色の筋肉のコラージュの上下に、太く、力強いフォントで煽りの言葉が書かれている。
“理性を脱ぎ捨て、本能に跪け。――『聖域』、遂に開門!”
“磨かれた鋼の肉体、迸る精魂。ここは、選ばれし“雄”たちが、洋服を脱ぎ捨てて互いを貪り合う、秘密の闘技場”
“偽りの仮面を剥げ!誰にも言えないその疼きを曝け出せっ!”
“6月1日21:00 OPEN。完全会員制。入口は◯◯交差点からすぐの袋小路の突き当たり、漆黒の扉の先、、、貴方の“真実の姿”をそこで待つ”
純一は脳みそを掻き回されるような痺れを感じる。
“理性を脱ぎ捨て、、、”
“偽りの画面を剥げ!”
その言葉に、自身を見透かされたような戦慄を純一は覚える。
純一の性癖を確かめ、罠に近づける為に、浜田たちが精巧に作り上げたチラシ、、、
そこに書かれた文字は、禁欲に苦しむ純一の“雄”の本能を直接揺さぶった。
そこに描かれた簡単な地図。
だが、まざまざとその場所が思い浮かぶ。
ジョギングの際に通り過ぎる、あの人通りの絶えた袋小路の奥、、、
「はぁ、はぁっ」
純一の呼吸が、熱を帯びて荒くなった。
悪いことをしていないのに周囲を見回す。
誰もいないことを確認する行為は、もはややましい行為を犯す子供のそれだった。
ダメだ、こんな、ふしだらな場所、最低だ!
純一の理性が叫ぶ。
だが、純一は、その光沢紙をスーツの胸ポケットにしまい、その場から逃げるようにマンションのオートロックを解除し、建物に消える。
その様子を眺めた三人の生徒が快哉のハイタッチをする。
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