6 / 7
外宇宙へ・・大進出時代・・奇妙な惑星系
・・船団集結・・2・・
しおりを挟む
副長室から船長室に戻った私(トマク・ラオ・シン)は、まだ休暇として過ごせる時間は残っていたが・・自室から集結している3隻の船長達に向けて、私信を取りまとめて送信した・・。
内容はミレーナと一緒にいた時にも語った、大規模な前進補給支援基地をこの恒星系内の空間に建設すべしと言う提案を、先に開催されたディナーミーティングの席で合意した3つの具申提案に加えて、4つの具申提案としようと言うものだ・・各船司令部での討論は自由に取り纏めて貰い、次に開催されるディナーミーティングでこの暫定前進司令部での、統一具申提案として4項目を取り纏めようと言う話だ・・送信してから3時間以内には各船の船長からの返信が届き、総ての返信に於いて私の提案を諒承して4項目での取り纏めに合意すると言う内容だった・・。
まずまず満足のいく展開だな・・時計を空間に呼び出して観ると、そろそろ5時間の休暇明けだ・・私は顔を洗って身嗜みを調えると船長室を出てブリッジに向った・・。
補給問題は各船ともある品目に於いては、のっぴきならない深刻な状況に入りつつある・・私は再び各船との間にレーザー通信ネットワークを構築し、保管数量の減少が危惧される品目に於いては、各船とも保有する全数を出して持ち寄り、4等分としてはどうかと提案した・・。
3船からの返答にはニュアンス的な差異が幾分かあったが、概ね好意的に同調して貰える意見が寄せられた・・。
そのまま船長同士のネットワークミーティングに移行して、HSSLS 037が3隻の補給船を引き連れてこの恒星系に到着して我々と合流し、初の恒星間調探査船団が結成されるまで、保管数量の減少が危惧される品目に於いては4船で4等分として共同で管理する事・・その為に各船とも副長とドクターのペアを暫定的に補給部として認定し、共同管理の為の実務作業を担当して貰う事・・各船補給部同士での、専用レーザー回線を設定する事・・これらの点で合意した・・そしてこれらの合意決定事項は、218から037に向けて送信する事を確認した・・。
・・HSSS 214・・ブリッジ・・
「・・うん・・トマク・ラオ・シン船長・・いよいよやり手としての片鱗が観えて来たな・・」
空間ビューワに映し出された今回の決定事項文面を眺めながら、カーステン・リントハート船長が誰にともなく言う・・。
「・・船長・・」
ラリーサ・ソリナ副長が左側から彼を見遣る・・。
「・・俺は船団司令には彼が相応しいと以前から思ってる・・まあ公の席上でそれを口に出すつもりは無いがね・・ただ一人の船長として、彼を船団副司令に推挙しようとは考えている・・どう思う・・?・・」
「・・好いですね・・賛成です・・意見の具申は自由ですし、バランスの執れる体制になると思います・・不測の事態が発生して037が機能不全に陥った場合・・指揮系統の消失・途絶を防止できます・・」
「・・さすがはソリナ副長・・満点の答えだ・・じゃあ、ラリーサ・・ドクターと打ち合わせをしといてくれ・・夕食は第4ホログラムデッキに私が保存しているプログラムの中で、って事で・・どうだい・・?・・」
そう言いながら右手を彼女の左肩に置く・・。
「・・了解・・」そう応える彼女の顔には、少し赤みが差していた・・。
・・HSSS 210・・ブリッジ・・
「・・やはり・・トマク・ラオ・シン船長・・彼の資質と言うか才能は・・非凡で特筆すべき・・もののようね・・」
チャープラン・オープラサート船長が、キャプテンシートに座ったまま左手で顎を触りながら言う・・。
「・・船長・・」アーンスト・バーロウ副長が振り返る・・。
「・・副長・・カーステン・リントハート船長に繋いで頂戴・・私信としてね・・?・・」
「・・了解しました・・」
・・HSSS 214・・ブリッジ・・
「・・船長・・チャープラン・オープラサート船長から私信です・・船長室で受けられますか・・?・・」
ファンム・ジョンウム・メイン・センサーオペレーターが訊く・・。
「・・いや、ここで受ける・・メインビューワに出してくれ・・」
「・・了解・・」
ブリッジ・メインビューワにチャープラン・オープラサート船長の顔が映し出される・・。
「・・これは、オープラサート先輩!・・先輩から直接に呼び掛けを頂けるとは珍しい・・どうしました・・?・・」
「・・貴方はトマク船長とアカデミーで同期だったわね・・?・・」
「・・はい、そうですが・・それが何か・・?・・」
「・・私は貴方方の2年上で、その当時はよく知らなかったんだけど、今の私はトマク船長の特筆すべき非凡な才能を買っているのよ・・」
「・・そうですか・・それで・・?・・」
「・・それで、私は彼を船団副司令に推薦しようと考えているんだけど・・貴方の意見を聞かせて貰えるかしら・・?・・」
「・・好いですね、賛成です・・さすが先輩のご慧眼には、敬意を表しますよ・・いや、実は自分もアカデミー時代から、彼の資質と言うか才能には注目しておりまして・・私一人でも彼を船団副司令に推挙しようと考えておりました・・なので、先輩と一緒に彼を副司令に推薦出来るのは、非常に嬉しいです・・どうでしょう・?・ここは連名で推薦具申書を出しませんか・・?・・」
「・・好いわね・・そうしましょう・・フォーマットは貴方に任せるから、037が到着するまでに書き上げて貰えるかしら・・?・・」
「・・承知致しました・・お任せ下さい・・」
「・・宜しく頼むわね・・オープラサートより以上・・」
交信は終わり、回線は210から切られた・・ちょうどラリーサ・ソリナ副長が、ドクターとの打ち合わせを終えてブリッジに戻って来る・・。
「・・ああ、お帰り・副長・・ちょうど今、チャープラン・オープラサート船長と交信していてね・・驚いた事にオープラサート先輩も、俺と同じ考えだったよ・・」
「・・どう言う事でしょうか・・?・・」
「・・いや、だからさ・・先輩が言うには、トマク・ラオ・シン船長には特筆すべき非凡な才能があると・・私は彼のその才能を買って船団副司令に推薦しようと考えているが、彼とアカデミーで同期であった貴方はどう思うか?、と問われたんだ・・正直に言って驚いたけど、嬉しくもあったから即行で賛成したんだよ・・そして俺と先輩との共同連名で推薦具申書を提出しようと言う事になった・・」
「・・そうだったんですか・・好かったですね・・?・・」
「・・ああ、ありがとう・・いや、人を適正に評価できる眼を持つ人と言うのは、確かにいるものなんだな、と思ったよ・・俺は以前からオープラサート先輩はすごい人だと思ってた・・並み居る女性船長達の中でも二目は置いていたよ・・・それはそうと、君とミレーナ・ファルチ副長は、アカデミーで一年違いだったか・・?・・」
「・・そうですが、それが何か・・?・・」
「・・そうか・・分かった・・今の話に関連して、君にちょっとした頼みがあるんだが・・それは夕食の時にでも話すよ・・」
「・・分かりました・・」
内容はミレーナと一緒にいた時にも語った、大規模な前進補給支援基地をこの恒星系内の空間に建設すべしと言う提案を、先に開催されたディナーミーティングの席で合意した3つの具申提案に加えて、4つの具申提案としようと言うものだ・・各船司令部での討論は自由に取り纏めて貰い、次に開催されるディナーミーティングでこの暫定前進司令部での、統一具申提案として4項目を取り纏めようと言う話だ・・送信してから3時間以内には各船の船長からの返信が届き、総ての返信に於いて私の提案を諒承して4項目での取り纏めに合意すると言う内容だった・・。
まずまず満足のいく展開だな・・時計を空間に呼び出して観ると、そろそろ5時間の休暇明けだ・・私は顔を洗って身嗜みを調えると船長室を出てブリッジに向った・・。
補給問題は各船ともある品目に於いては、のっぴきならない深刻な状況に入りつつある・・私は再び各船との間にレーザー通信ネットワークを構築し、保管数量の減少が危惧される品目に於いては、各船とも保有する全数を出して持ち寄り、4等分としてはどうかと提案した・・。
3船からの返答にはニュアンス的な差異が幾分かあったが、概ね好意的に同調して貰える意見が寄せられた・・。
そのまま船長同士のネットワークミーティングに移行して、HSSLS 037が3隻の補給船を引き連れてこの恒星系に到着して我々と合流し、初の恒星間調探査船団が結成されるまで、保管数量の減少が危惧される品目に於いては4船で4等分として共同で管理する事・・その為に各船とも副長とドクターのペアを暫定的に補給部として認定し、共同管理の為の実務作業を担当して貰う事・・各船補給部同士での、専用レーザー回線を設定する事・・これらの点で合意した・・そしてこれらの合意決定事項は、218から037に向けて送信する事を確認した・・。
・・HSSS 214・・ブリッジ・・
「・・うん・・トマク・ラオ・シン船長・・いよいよやり手としての片鱗が観えて来たな・・」
空間ビューワに映し出された今回の決定事項文面を眺めながら、カーステン・リントハート船長が誰にともなく言う・・。
「・・船長・・」
ラリーサ・ソリナ副長が左側から彼を見遣る・・。
「・・俺は船団司令には彼が相応しいと以前から思ってる・・まあ公の席上でそれを口に出すつもりは無いがね・・ただ一人の船長として、彼を船団副司令に推挙しようとは考えている・・どう思う・・?・・」
「・・好いですね・・賛成です・・意見の具申は自由ですし、バランスの執れる体制になると思います・・不測の事態が発生して037が機能不全に陥った場合・・指揮系統の消失・途絶を防止できます・・」
「・・さすがはソリナ副長・・満点の答えだ・・じゃあ、ラリーサ・・ドクターと打ち合わせをしといてくれ・・夕食は第4ホログラムデッキに私が保存しているプログラムの中で、って事で・・どうだい・・?・・」
そう言いながら右手を彼女の左肩に置く・・。
「・・了解・・」そう応える彼女の顔には、少し赤みが差していた・・。
・・HSSS 210・・ブリッジ・・
「・・やはり・・トマク・ラオ・シン船長・・彼の資質と言うか才能は・・非凡で特筆すべき・・もののようね・・」
チャープラン・オープラサート船長が、キャプテンシートに座ったまま左手で顎を触りながら言う・・。
「・・船長・・」アーンスト・バーロウ副長が振り返る・・。
「・・副長・・カーステン・リントハート船長に繋いで頂戴・・私信としてね・・?・・」
「・・了解しました・・」
・・HSSS 214・・ブリッジ・・
「・・船長・・チャープラン・オープラサート船長から私信です・・船長室で受けられますか・・?・・」
ファンム・ジョンウム・メイン・センサーオペレーターが訊く・・。
「・・いや、ここで受ける・・メインビューワに出してくれ・・」
「・・了解・・」
ブリッジ・メインビューワにチャープラン・オープラサート船長の顔が映し出される・・。
「・・これは、オープラサート先輩!・・先輩から直接に呼び掛けを頂けるとは珍しい・・どうしました・・?・・」
「・・貴方はトマク船長とアカデミーで同期だったわね・・?・・」
「・・はい、そうですが・・それが何か・・?・・」
「・・私は貴方方の2年上で、その当時はよく知らなかったんだけど、今の私はトマク船長の特筆すべき非凡な才能を買っているのよ・・」
「・・そうですか・・それで・・?・・」
「・・それで、私は彼を船団副司令に推薦しようと考えているんだけど・・貴方の意見を聞かせて貰えるかしら・・?・・」
「・・好いですね、賛成です・・さすが先輩のご慧眼には、敬意を表しますよ・・いや、実は自分もアカデミー時代から、彼の資質と言うか才能には注目しておりまして・・私一人でも彼を船団副司令に推挙しようと考えておりました・・なので、先輩と一緒に彼を副司令に推薦出来るのは、非常に嬉しいです・・どうでしょう・?・ここは連名で推薦具申書を出しませんか・・?・・」
「・・好いわね・・そうしましょう・・フォーマットは貴方に任せるから、037が到着するまでに書き上げて貰えるかしら・・?・・」
「・・承知致しました・・お任せ下さい・・」
「・・宜しく頼むわね・・オープラサートより以上・・」
交信は終わり、回線は210から切られた・・ちょうどラリーサ・ソリナ副長が、ドクターとの打ち合わせを終えてブリッジに戻って来る・・。
「・・ああ、お帰り・副長・・ちょうど今、チャープラン・オープラサート船長と交信していてね・・驚いた事にオープラサート先輩も、俺と同じ考えだったよ・・」
「・・どう言う事でしょうか・・?・・」
「・・いや、だからさ・・先輩が言うには、トマク・ラオ・シン船長には特筆すべき非凡な才能があると・・私は彼のその才能を買って船団副司令に推薦しようと考えているが、彼とアカデミーで同期であった貴方はどう思うか?、と問われたんだ・・正直に言って驚いたけど、嬉しくもあったから即行で賛成したんだよ・・そして俺と先輩との共同連名で推薦具申書を提出しようと言う事になった・・」
「・・そうだったんですか・・好かったですね・・?・・」
「・・ああ、ありがとう・・いや、人を適正に評価できる眼を持つ人と言うのは、確かにいるものなんだな、と思ったよ・・俺は以前からオープラサート先輩はすごい人だと思ってた・・並み居る女性船長達の中でも二目は置いていたよ・・・それはそうと、君とミレーナ・ファルチ副長は、アカデミーで一年違いだったか・・?・・」
「・・そうですが、それが何か・・?・・」
「・・そうか・・分かった・・今の話に関連して、君にちょっとした頼みがあるんだが・・それは夕食の時にでも話すよ・・」
「・・分かりました・・」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる