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第二章
7. 作戦会議
しおりを挟む「と、いうことで作戦会議を始める」
俺の宣言は、高らかと学食に響いた。
とんかつ定食を食べていた祥吾と、ナポリタン定食を食べていた暁人は、どちらもポカンと口を開けながらこちらを見ている。
しかし、切羽詰まった俺は、なりふり構ってなどいられない。
「お題は、彼氏……ぁ、まだ違うんだった。好きな人に告白させる方法だ!」
決意を胸にドンっと力強く机を叩く。
固まっていた祥吾はとうとう箸まで取り落とし、暁人は飲んでいたオレンジジュースを盛大に吹き出した。
「うわっ! 暁人、何してんだよ」
「……か、…………かれし?」
「ちょっと待ってマミちゃん。祥吾が死にそうだからドクターストップだよ」
珍しく暁人の語尾が伸びていない。
オレンジジュース塗れの暁人は、そのまま真剣な顔で祥吾の背中を「大丈夫か!?」と優しくさすっている。
うん? いや、オレンジジュースに濡れた手を拭いている……?
結果的に暁人と共にオレンジジュース塗れになった祥吾が、ゆっくりと口を開いた。
「どういうことだ蒼大。詳しく話せ」
「さすが祥吾! 心の友よ! お前なら相談にのってくれると思ってたぜ」
「いや、マミちゃん。そういう感じじゃない気がするんだけど…………」
やっぱり持つべきものは友達だよな! と感動しながら、俺は言った。
「ほらっ。昨日話した……えぇっと、俺の、友達の話! もうこっちからは告白済みだから、あとは相手から言って欲しいんだよ。す、す、すす……好きって!!」
どうしようもなく照れ臭くて、指を弄りながらモジモジしてしまう。
「だから、協力してくれよ」
なんとかそうお願いすると、ついに屍のように机に突っ伏した祥吾の隣で、顔色の悪い暁人が尋ねてきた。
「相手から告白って……、脈はあるの?」
「んーー……、嫌われてはいないと思う。だって、一緒に住んでるし」
「一緒に住んでる!?」
「え、一緒に住んでるだけじゃダメか? あ、毎日一緒に寝てるぜ?」
「一緒に寝てる!?」
「え、だ、だめ? じゃあーー……」
「待って、マミちゃん。情報過多すぎて俺もドクターストップ」
反応の悪い回答に何とか食い下がろうとするが、そこで予鈴が鳴ってしまった。
俺達は急いで定食を食べて、学食を後にする。
何とか間に合った授業中、机の下でこっそりとスマホを覗けば、メッセージが来ていた。
開けば、やはり早川からでーー……
ニヤニヤしていると、左隣から肩を叩かれた。振り向けば、神妙な顔をした暁人が、頬杖しながらこちらを見ている。
「なぁなぁ、マミちゃん。本当にその相手から『好き』って言わせたいの?」
「……んだよ、悪いかよ」
少し唇を尖らせて抗議すると、暁人は自分のスマホの画面を俺に見せた。
「じゃあ。こういうの……、どう?」
ド派手なピンク色の文字が目に入る。
そのタイトルを読んだ瞬間、俺は画面にくらいついた。
「こっ! …………これだっ!」
思わずスタンディングオベーションする。
遠くでは教授が何やら言っているが、今の俺の耳には入っていなかった。
待ってろよ! 早川さんっ!!
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