人生崖っぷちですが王子様に拾われました!?〜崖っぷち元人気漫画家×崖っぷち大学生が協力してBL漫画で一発逆転狙います!〜

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第二章

8. 作戦内容

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「いいかい? マミちゃん。これはとても危険な方法だよ」
「き、きけん……」

 ここは、放課後に貸し出ししてもらったミーティングルーム。
 真剣な顔で言った暁人の言葉に、俺は思わずゴクリと喉を鳴らす。
 その隣で祥吾がうんうんと頷いた。

「蒼大、男はオオカミだからな」
「俺、オオカミだったの!? カッケェ」
「いや、マミちゃんじゃなくて」
「えっ。俺、オオカミになれないの?」
「大丈夫だ。蒼大ならなれる」
「そこの天然二人。もう話が進まないから、ちょっとお口チャックだよ」

 ゴホン、と咳払いした暁人がスマホを取り出し、あらためて画面を披露する。


 でかでかとピンク色でかかれた文字。
 それはーー……


『彼氏をメロメロにする五の法則!』

1.連絡頻度や会う回数はほどほどに

2.異性の友だちとも遊ぼう

3.家庭的な部分をみせよう

4.真剣な話ができる関係になろう

5.イベントに参加しよう


「つまり! これをすべてクリアし、前後不覚になるほど誘惑してメロメロにさせちゃえば、自然と相手から『好き』って台詞が聞けるってことか!!」

 放課後に貸し出ししてもらったミーティングルームで腕を組み、俺は叫んだ。
 暁人にしては良いアイデアだと思う。

 な!と声をかけると、なぜか二人とも震えながら天を仰いでいた。

「ふっ、ちょっとふざけすぎたかも……」
「くっ、蒼大からの誘惑…………」
「えっ、そのポーズ流行ってるの?」

 その質問に答える者は誰もいなかった。
 いまだ天を仰いでいる祥吾の隣で、暁人が言った。

「一応確認しておくけど、相手はどんな人なの?戦場に送る前に、俺たちもマミちゃんの敵は知っておかないとね」

 なるほど、恋とは戦場なのか。奥が深い。

「えっと……」

 俺の頭の中では、ミルクティー色の髪が振り返り、ヘーゼルの瞳が輝くキラキラスマイルが弾ける。これは、やはりーー……


「んー……と、王子様みたいな?」
「…………は?」


 思わず零れた呟きに、昨日から鋭さ増し増しな垂れ目がより鋭くなる。
 俺は、慌てて言い直した。

「や、優しい人だと思う。俺が困ってた時に助けてくれて、すごく大人で、いざって時は頼りになるんだ」
「ふんふん、だってよ祥吾~」
「聞いてる」

 日頃の彼を思い出しながら思わず惚気る。

「その、多少はさ? 好かれてると思うんだけど! いつも何かと気遣ってくれるし、迎えきてくれた時なんか、すっげぇ必死になってくれてたし。……へへっ」


「「…………迎え?」」


 色々と思い出して赤面しまくる俺に、二人が揃って何かを呟いた。

 途端に怒涛の質問攻めが始まる。

「それって、超身長が高い人?」
「えっ! うん!」
「それは、髪の毛が湿気った木みたいな色したふざけた男か?」
「えっ! うーん?」
「迫力あるイケメン?」
「まぁ、顔面は強いかな」
「電話が恐ろしいほどしつこい男か」
「……恐ろしい?」

 最後の質問に首を傾げていると、二人は俺の肩に手を置いて真剣に言った。

「悪いことは言わない。あいつはやめておけ。また鬼のように電話がくるぞ」
「ごめんね、マミちゃん。この作戦は忘れよう。きっと、もう十分だと思う」

 急に手のひらを返した二人に、俺は嘆く。

「なんだよ! 二人ともモテんじゃんか! そのテクニックを俺にも分けてくれよっ」

 散々駄々をこねくりまわす。
 しかし、結局暁人はバイトへ、祥吾は借りた本を返すと図書館へと行ってしまった。

 仕方なく俺は、帰り道がてらもう一度サイトを熟読する。
 戦場に一人取り残されたが、俺ならばきっとやり遂げることができるだろう。


 何としてでもセフレから脱却し、彼との幸せな未来を掴むのだ。


 やってやるぜ! 早川さんっ!!
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