生産スキルで国作り! 領民0の土地を押し付けられた俺、最強国家を作り上げる

未来人A

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第79話 仕掛け

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 俺たちは広い部屋を探し回る。

 結構時間をかけて壁に小さなボタンがあることを発見した。

 これを押せば開く仕掛けか? 
 いや、そんな単純なわけないか?

 面倒なのは苦手なので、さっさと開いて欲しいと思いながら、ボタンを押した。

 ゴゴゴゴゴゴゴ!! と部屋全体が数秒間振動した。

 扉が開いたのか?

 そう期待したが、外れた。

 扉はそのまま開いていなかった。

 代わりに部屋の中央に、横並びの五つの模様が出現した。

「何だろうあれ」
「近くに何か書いてありますよ」

 模様の近くに何か書いてあった。

「正しい順番に踏んでいけば扉が開くだろう……ですか……」
「そういう系の仕掛けた」

 ゲームのダンジョンとかによくある感じの単純な仕掛けだな。
 この世界のダンジョンにもそういう仕掛けがあったりするんだ。

「踏んでみよう」

 とベルフェがいきなり模様を踏んだ。

 すると、『ブ――――ッ!』と不正解を示すような音が鳴り響いて、黒い靄が発生。
 そこからゴブリンとスライムなどの弱めの魔物が十体出現してきた。

 間違えると魔物が出てくるのか。
 弱いから別にいいけど。

 あっさりと瞬殺する。

 これ間違えまくると魔石手に入れ放題じゃね? と思ったが魔物の死体は一瞬で消滅して、魔石を回収することは出来なかった。
 そう甘くなかったようだ。

「勝手に踏むんじゃない」
「ごめんなさい……」

 一応ベルフェを叱っておいた。

 さっさと仕掛けを解いて先に進まないとな。

 俺は模様を見てみる。

 一番右の模様は犬を書いているようだ。一番左は猫。
 真ん中は……人間のようだな。そして、人間の右隣りが鳥、左隣りが魚のようだ。

 ベルフェが最初に踏んだのは確か真ん中の模様だ。
 人間の模様をふんだんだな。

 今のところ人間を最初に踏んではいけないというのは分かったが、ノーヒントで踏んで正解を見つけるのは結構時間がかかるだろう。

「こういう時はどこかにヒントが書かれているのが定番だが……」
「さっき探した時は何も書いてありませんでしたよ」
「ボタンを押したら、この模様も現れたから、ヒントもボタンを押したと同時にどこかに現れたかもしれない。探してみよう」

 俺たちは再び部屋の中を探し始める。

「何か書いてあったよー」

 ベルフェが見つけたようだ。

 駆けつけてみると、壁に文字が書かれている。

「最後に踏むのは水の中で呼吸が出来ない生物……間違いなくヒントだな」

 俺の予想は当たっていたようだ。

 このヒントを見る限りでは、魚は最後ではないという事は分かった。

 次のヒントは俺が見つけた。

「空を飛べる生物は、水の中で呼吸できる生物より先に踏む」

 鳥を魚より先に踏めという事だな。

 えーと……つまり魚は二、三、四番目のどこかで踏んで、鳥は一、二、三番目のどこかで踏めばいいってことか……ん? あってるよな?

「私も見つけました」

 今度はレヴィが発見した。

「この中で一番知恵のある生物は最初に踏んではならない」

 知恵のある生物っていうと人間だろうな。
 これはベルフェのおかげで知ってたんだ。

 次に発見したヒントは「よく吠える生物は、一番可愛い生物の直前に踏む」だった。

 よく吠える生物は犬だろうけど、一番可愛い生物ってどれだよ。
 完全に主観じゃねーか。ヒントとして完全に失格じゃないのか?
 俺の主観だと猫が一番可愛んだが、人間が可愛いと思う人もいれば、鳥が可愛いと思う人がいるだろうよ。

 まあ、たぶん猫だと思うがな。確信はないけど。
 猫を狂信的に好んでいる人が、人類全員猫が可愛いと思っているに違いないと思って、このヒントを出したんだろう。

 あっているか分からないが、一番可愛い生物は猫であると仮定した。

 これでだいぶ分かってきたか? 確定可能だろうか?
 えーと……考えたらなんか頭がこんがらがってきたな。俺こういうの得意じゃないんだ。

 犬は猫の直前に踏むだから、犬が最後であることはないし、猫が最初であることはないんだな。

 これでは確定は出来ないかな…………
 でも確定は出来ないけど、ある程度絞り込めるのではないか?

 えーと、今のところあり得る組み合わせは……

 犬、猫、鳥、魚、人間。
 鳥、犬、猫、魚、人間。
 鳥、人間、魚、犬、猫。
 鳥、魚、人間、犬、猫。

 この四パターンか?

 いや……鳥、魚、犬、猫、人間もあるか。
 もしかしたらまだあるかもだが、数パターン程度ならもう踏んでもいいかな。
 この部屋広いし、ヒント見つけるの時間がかかるかもしれないし。

 そう思っていると、

「ゼンジ様、ヒントを発見しました」

 中級ホムンクルスがヒントを発見したようだ。

 俺は見にいく。

「水の中で呼吸できる生物は、一番知恵のある生物より先に踏んではならない」

 ……魚は人間の前に踏んではいけないか。
 これでどれだけ絞れるだろうか。

 ん? いや、これ確定してないか?

 鳥、人間、魚、犬、猫、以外ありえないような気がする。

 一番可愛い生物が猫以外だったら、違うかもしれないけど、猫だったらこのパターン以外たぶんないよな……
 ないよな……?

 なんかもう考えるの面倒だし、とりあえずこれで行ってみよう。

 俺は考えついた通りに模様を踏んでいく。
 四つ目を踏んだ時点で、失格にならずこれで正しかったと確信して、最後の猫の模様を踏んだら扉が開いた。
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