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第80話 ミミック
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この扉の向こうにはボスがいそうだな。
あくまで予想だけど。
ボスという存在がいるのかも、実際のところ分からないからな。
ただいてもおかしくはない。
今のところ雑魚ばかりで苦戦はしていないが、ボスは油断したらやばいかもしれないので、気を引き締めていこう。
「扉の向こうには強い敵がいるかもしれないから、気を付けるんだぞ」
「はい」
「は~い」
真剣な表情で返事をするレヴィと、不真面目そうな返事をするベルフェ。
対照的な性格しているなこいつら。
俺たちは扉の向こうに歩いていく。
仕掛けのあった部屋と同じくらい、広い部屋に出た。
ど真ん中に宝箱がポツンと置いてある。
……なんか怪しいと思うのは俺だけか?
ミミックか?
いや、ミミックなんかがボスとして出るだろうか。
いや、ボスと限った話ではないし。
倒したら次の階に行く球体が出てくるかもしれない。
とりあえず用心して、天使のマリオネットを使って開けよう。
ゆっくりとマリオネットを宝箱に近付かせる。
すると、触ってもいないのに宝箱がガタガタと動き始めた。
……どうみてもミミックじゃん。
てか触ってから動けよ。完全にフライングじゃねーか。
もう一歩近づいてみると、さらに激しく動き始め、我慢できなかったのか自分から宝箱を開いた。
何と抑えの気かない奴なんだ。
宝箱の中身は、非常に気持ち悪い。
職種があったり、なんか変な粘液があったり。
こういうの苦手だ俺。
あんま強そうじゃないし、さっさと仕留めよう。
そう思い攻撃しようとしたら、ミミックが巨大化していく。
最終的に象くらいの大きさになった。
巨大ミミックだったのかこいつ。
これは弱そうじゃないな。
てか、デカくなって気持ち悪さが増した。
直視したくないレベルだ。
もしかしたら簡単には倒せないかもしれないと思っていると、ベルフェが動き出してドロップキックをミミックに食らわせた。
「グギャアアアアアアアアアア!!」
宝箱が完全に砕け散り、さらに中の本体から緑色の液体が噴き出してきた。
巨大ミミックは小さくなっていき、最初のサイズへと戻りピクリとも動かなくなった。
倒したのか?
瞬殺だったな……
しかし、いつもやる気のないベルフェが、率先して攻撃するとは、何があった?
「うえー、気持ち悪かったからぶち殺したら、さらに気持ち悪い液体だしたー。あと一歩で、気持ち悪い液体まみれになるところだったよ」
見た目が気持ち悪すぎて、早く退治しに行ったのか。
俺はきもいのを見たら逃げるタイプだが、ベルフェは殺すタイプだったようだ。
「何はともあれよくやったぞ」
「褒めてくれるの? ご褒美あのポーションが欲しい」
「それはまた今度だ」
「えー」
ベルフェを褒めていると、何やらブツブツという声が聞こえた。
声の聞こえる方を見ると、レヴィが親指の爪を噛みながら物凄い形相でベルフェを睨み、
「私が倒してマスターに褒められるはずだったのに、はずだったのに、はずだったのに…………」
そう呟いている。
率直に言って怖い。
今にも飛びかかりそうな感じだ。
「な、仲良くな~」
あまりの怖さに弱い感じで注意することしかできなかった。
ベルフェはレヴィの視線にまるで気付いていない。かなり鈍い奴のようだ。
「さ、さーて先に進むぞ~」
強引に雰囲気を変えようと、俺はそう言った。
先に進むと言っても、どこにも道がない。
どうすればいいか迷っていると、宝箱が上から落ちてきた。
またミミックか?
俺は警戒してマリオネットで、開けた。
どうやら本物の宝箱だったようだ。
中にカードのような物が入っていた。
試験用ダンジョンクリア証明書と書かれている。
あ、クリアしたのか。
特に苦労することなくクリアできたな。
この後、赤いかけらで戻ろうとしたら、赤い球体が出現した。
欠片で戻っても良かったが、もしかしたらクリアが取り消させるかもしれないと特に根拠もなく思ったので、出現した赤い球体に触れてダンジョンを出た。
あくまで予想だけど。
ボスという存在がいるのかも、実際のところ分からないからな。
ただいてもおかしくはない。
今のところ雑魚ばかりで苦戦はしていないが、ボスは油断したらやばいかもしれないので、気を引き締めていこう。
「扉の向こうには強い敵がいるかもしれないから、気を付けるんだぞ」
「はい」
「は~い」
真剣な表情で返事をするレヴィと、不真面目そうな返事をするベルフェ。
対照的な性格しているなこいつら。
俺たちは扉の向こうに歩いていく。
仕掛けのあった部屋と同じくらい、広い部屋に出た。
ど真ん中に宝箱がポツンと置いてある。
……なんか怪しいと思うのは俺だけか?
ミミックか?
いや、ミミックなんかがボスとして出るだろうか。
いや、ボスと限った話ではないし。
倒したら次の階に行く球体が出てくるかもしれない。
とりあえず用心して、天使のマリオネットを使って開けよう。
ゆっくりとマリオネットを宝箱に近付かせる。
すると、触ってもいないのに宝箱がガタガタと動き始めた。
……どうみてもミミックじゃん。
てか触ってから動けよ。完全にフライングじゃねーか。
もう一歩近づいてみると、さらに激しく動き始め、我慢できなかったのか自分から宝箱を開いた。
何と抑えの気かない奴なんだ。
宝箱の中身は、非常に気持ち悪い。
職種があったり、なんか変な粘液があったり。
こういうの苦手だ俺。
あんま強そうじゃないし、さっさと仕留めよう。
そう思い攻撃しようとしたら、ミミックが巨大化していく。
最終的に象くらいの大きさになった。
巨大ミミックだったのかこいつ。
これは弱そうじゃないな。
てか、デカくなって気持ち悪さが増した。
直視したくないレベルだ。
もしかしたら簡単には倒せないかもしれないと思っていると、ベルフェが動き出してドロップキックをミミックに食らわせた。
「グギャアアアアアアアアアア!!」
宝箱が完全に砕け散り、さらに中の本体から緑色の液体が噴き出してきた。
巨大ミミックは小さくなっていき、最初のサイズへと戻りピクリとも動かなくなった。
倒したのか?
瞬殺だったな……
しかし、いつもやる気のないベルフェが、率先して攻撃するとは、何があった?
「うえー、気持ち悪かったからぶち殺したら、さらに気持ち悪い液体だしたー。あと一歩で、気持ち悪い液体まみれになるところだったよ」
見た目が気持ち悪すぎて、早く退治しに行ったのか。
俺はきもいのを見たら逃げるタイプだが、ベルフェは殺すタイプだったようだ。
「何はともあれよくやったぞ」
「褒めてくれるの? ご褒美あのポーションが欲しい」
「それはまた今度だ」
「えー」
ベルフェを褒めていると、何やらブツブツという声が聞こえた。
声の聞こえる方を見ると、レヴィが親指の爪を噛みながら物凄い形相でベルフェを睨み、
「私が倒してマスターに褒められるはずだったのに、はずだったのに、はずだったのに…………」
そう呟いている。
率直に言って怖い。
今にも飛びかかりそうな感じだ。
「な、仲良くな~」
あまりの怖さに弱い感じで注意することしかできなかった。
ベルフェはレヴィの視線にまるで気付いていない。かなり鈍い奴のようだ。
「さ、さーて先に進むぞ~」
強引に雰囲気を変えようと、俺はそう言った。
先に進むと言っても、どこにも道がない。
どうすればいいか迷っていると、宝箱が上から落ちてきた。
またミミックか?
俺は警戒してマリオネットで、開けた。
どうやら本物の宝箱だったようだ。
中にカードのような物が入っていた。
試験用ダンジョンクリア証明書と書かれている。
あ、クリアしたのか。
特に苦労することなくクリアできたな。
この後、赤いかけらで戻ろうとしたら、赤い球体が出現した。
欠片で戻っても良かったが、もしかしたらクリアが取り消させるかもしれないと特に根拠もなく思ったので、出現した赤い球体に触れてダンジョンを出た。
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