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第83話 遺跡へ
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俺たちはシューシュと一緒に、遺跡に向かった。
途中、ゴブリンが出てきた。
基本的には街道沿いを歩いていれば、ゴブリンには出くわさないが、今回は道に迷ったのか街道にゴブリンが出てきた。
襲ってきたので、あっさりとレヴィとベルフェが返り討ちにする。
その様子を見ていたシューシュは意外そうに感想を漏らす。
「ほう? その女どもかなり強いようだな」
「はい、強いですよ」
「ゼンジと言ったか。お前はどうか分からんがな」
「戦うまでもなかっただけです」
まあ、生身だと弱いのは間違いないが、俺には天使のマリオネットというスキルがあるからな。
それでゴブリンを倒したことだし、魔石を使って低級ホムンクルスを作ることが出来る。
現在中級が一体付いてきているだけだ。一応低級でも作っておいた方がいいと思い、俺は生産スキルで低級ホムンクルスを作成した。
二体作成したが、その様子を見たシューシュが驚いて目を見開く。
「な、何!? 今、ホムンクルスを作ったのか!?」
「え、ええそうですよ」
そういえば、ホムンクルスの作り方にかなり興味を抱いていたよな。
「ば、馬鹿なあんな一瞬で…………」
シューシュはブツブツと呟きながら、俺をじっと見つめる。
「貴様、錬金術でホムンクルスを作成していたわけではないな?」
「は、はい。そうです。スキルで作っていたんです」
「スキル!? 何でそれを早く言わなかった!」
「いや、説明しようとしても聞いてなかったでしょ!」
理不尽に怒られたので、俺は反論する。
この女、けっこう無茶苦茶な奴だよな。
「何てスキルなのだ?」
シューシュは興味津々な目で尋ねてきた。
「生産スキルって言ってですね」
俺は生産スキルの説明を行った。
「何と便利なスキルだ。ふむ……」
観察するような目つきで、シューシュは俺の全身を見る。
「貴様を解剖してもいいか?」
「い、いいわけないだろ!」
とんでもないことを言ってきたので、思わずため口でツッコんでしまった。
「ちょっと見るだけだから」
「そのちょっとで死ぬんだよ!」
「今はないけど、後で金は払うから」
「金の問題でもない!」
マッドサイエンティストかこいつは。どこの世界に解剖させてくれと言って、許可を出す奴がいるんだ。
「大体解剖しても俺のスキルについては分からないと思いますよ。石の力でスキルを使えるようになってるんですし」
「石? 見せてくれないか?」
スキル石は、生産スキルのも天使のマリオネットのも、どっちも肌身離さず持っている。俺はシューシュに生産スキルのスキル石を見せた。
「ほう……これが……ふむ、スキルというのは珍しいから、あまり知識はないが、石があると使えるようになるものだったのか? これは貰っても?」
「駄目です」
俺は強く拒否した。
「まあ、貴様のスキルを調べることは、今やるべきことではない。あとでやろう」
「あとでも、スキル石は渡しませんからね」
なんか目つけられた気がする。
これ、スキルの事、話さない方がよかったか?
「ところで、もしかしてこの女たちも貴様のスキルで作ったのか?」
「え? 何で分かったんですか?」
「ほう、やっぱりそうだったのか」
こ、これは、かまをかけられたって奴か。卑怯な。
ベルフェとレヴィをじっと観察する。
ベルフェはまるで意に介していないが、レヴィは不愉快そうな視線をシューシュに向け、俺にしがみついてくる。
「こいつら解剖していいか?」
「だから良いわけないから! どんだけ解剖するの好きなんだよアンタ!」
危険人物として牢屋にいれないと駄目なんじゃないのかこの人。
「ちなみにさっきから言っている解剖はジョークだ。賢者ジョーク。説明せずにジョークだと分かってくれた人はいないがな」
「ジョーク!? そりゃそうでしょ! 分かりませんよ!」
「まあ、反応を見て楽しめるから別に問題ない」
ジョークなら危険人物ではないかもしれないが、性格に問題があるのは確かなようだ。
それからシューシュについていき、遺跡に到着した。
途中、ゴブリンが出てきた。
基本的には街道沿いを歩いていれば、ゴブリンには出くわさないが、今回は道に迷ったのか街道にゴブリンが出てきた。
襲ってきたので、あっさりとレヴィとベルフェが返り討ちにする。
その様子を見ていたシューシュは意外そうに感想を漏らす。
「ほう? その女どもかなり強いようだな」
「はい、強いですよ」
「ゼンジと言ったか。お前はどうか分からんがな」
「戦うまでもなかっただけです」
まあ、生身だと弱いのは間違いないが、俺には天使のマリオネットというスキルがあるからな。
それでゴブリンを倒したことだし、魔石を使って低級ホムンクルスを作ることが出来る。
現在中級が一体付いてきているだけだ。一応低級でも作っておいた方がいいと思い、俺は生産スキルで低級ホムンクルスを作成した。
二体作成したが、その様子を見たシューシュが驚いて目を見開く。
「な、何!? 今、ホムンクルスを作ったのか!?」
「え、ええそうですよ」
そういえば、ホムンクルスの作り方にかなり興味を抱いていたよな。
「ば、馬鹿なあんな一瞬で…………」
シューシュはブツブツと呟きながら、俺をじっと見つめる。
「貴様、錬金術でホムンクルスを作成していたわけではないな?」
「は、はい。そうです。スキルで作っていたんです」
「スキル!? 何でそれを早く言わなかった!」
「いや、説明しようとしても聞いてなかったでしょ!」
理不尽に怒られたので、俺は反論する。
この女、けっこう無茶苦茶な奴だよな。
「何てスキルなのだ?」
シューシュは興味津々な目で尋ねてきた。
「生産スキルって言ってですね」
俺は生産スキルの説明を行った。
「何と便利なスキルだ。ふむ……」
観察するような目つきで、シューシュは俺の全身を見る。
「貴様を解剖してもいいか?」
「い、いいわけないだろ!」
とんでもないことを言ってきたので、思わずため口でツッコんでしまった。
「ちょっと見るだけだから」
「そのちょっとで死ぬんだよ!」
「今はないけど、後で金は払うから」
「金の問題でもない!」
マッドサイエンティストかこいつは。どこの世界に解剖させてくれと言って、許可を出す奴がいるんだ。
「大体解剖しても俺のスキルについては分からないと思いますよ。石の力でスキルを使えるようになってるんですし」
「石? 見せてくれないか?」
スキル石は、生産スキルのも天使のマリオネットのも、どっちも肌身離さず持っている。俺はシューシュに生産スキルのスキル石を見せた。
「ほう……これが……ふむ、スキルというのは珍しいから、あまり知識はないが、石があると使えるようになるものだったのか? これは貰っても?」
「駄目です」
俺は強く拒否した。
「まあ、貴様のスキルを調べることは、今やるべきことではない。あとでやろう」
「あとでも、スキル石は渡しませんからね」
なんか目つけられた気がする。
これ、スキルの事、話さない方がよかったか?
「ところで、もしかしてこの女たちも貴様のスキルで作ったのか?」
「え? 何で分かったんですか?」
「ほう、やっぱりそうだったのか」
こ、これは、かまをかけられたって奴か。卑怯な。
ベルフェとレヴィをじっと観察する。
ベルフェはまるで意に介していないが、レヴィは不愉快そうな視線をシューシュに向け、俺にしがみついてくる。
「こいつら解剖していいか?」
「だから良いわけないから! どんだけ解剖するの好きなんだよアンタ!」
危険人物として牢屋にいれないと駄目なんじゃないのかこの人。
「ちなみにさっきから言っている解剖はジョークだ。賢者ジョーク。説明せずにジョークだと分かってくれた人はいないがな」
「ジョーク!? そりゃそうでしょ! 分かりませんよ!」
「まあ、反応を見て楽しめるから別に問題ない」
ジョークなら危険人物ではないかもしれないが、性格に問題があるのは確かなようだ。
それからシューシュについていき、遺跡に到着した。
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