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第82話 賢者
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俺は依頼を受ける。
まず試験用ダンジョンで作成した、低級ホムンクルスたちに薬草集めなどの、素材を集める系の依頼を任せる。
薬草を集める依頼と、プラムの実という危険地域に生えている、香水の材料になる実を集める依頼があるので、それを受けた。
この二つはどちらも締め切りが、三十日後で割と余裕でやれる。
そして、もう一つ自分で行う依頼は、賢者シューシュの護衛だ。
依頼が書かれた紙を受付に渡した。
「薬草とプラムの実は集めた後は、依頼人ではなく俺に持ってくるんだ。依頼人へは俺が届ける。報酬も前払いで貰っているから、渡した時点で払ってやるから安心しろ。護衛に関しては、依頼紙に依頼人がいる場所が書いてあるから、そこに向かえ。詳しい話は直接聞くんだな」
「分かりました」
説明を聞いた後、俺は低級ホムンクルスに命令して、集めに行かせた。
集め終わったら、冒険者ギルドに行ってそこで俺が戻ってくるまで待機してもらう。
拠点から連れてきた中級ホムンクルスは、連絡用なので俺の近くに置いておく。
俺は賢者シューシュの場所を確認しながら向かった。
フラメリウムの南西にポツンと一軒家があるようだが、そこに賢者シューシュはいるようだ。距離は三キロくらいか。
俺は、ベルフェ、レヴィ、中級ホムンクルスと共に、賢者シューシュの住む家へと向かった。
〇
「あった。ここか」
レンガ造りの家を発見した。
それほど大きな家ではない。
しかし、なぜわざわざ町の外れに住んでいるのだろうか。
俺は玄関に向かい、誰かいるのか声をかけてみる。
「冒険者なんですけど、依頼を見てきましたー」
大声で言ってみたが反応が無い。
留守なのだろうか?
寝てるだけなのかもしれないし、俺は扉をノックしてもう一度声をかける。
「いませんかー!?」
すると、
「うるさい! 我の眠りを邪魔するのは誰だ!」
中から高い女性の声が聞こえてきた。
「依頼を見てきたんですけど、冒険者です!」
「冒険者ぁ……あーそういえば……」
家の中から足音が聞こえて、扉が開いた。
ボサボサの白い髪で、目の下にくまがある不健康そうな印象の女性が出てきた。
少し汚れている白いガウンを羽織っている。
「入れ」
そう促されたので、俺たちは家の中に入った。
「あなたがシューシュさんですか?」
「そうだ。我が賢者シューシュ・トレンスだ」
「俺はゼンジです。後ろの、えーと、大きいのがベルフェで、小さいのがレヴィです」
「あまり強そうじゃない奴らが来たな。まあ、アイアンランクだしこんなもんか」
俺とベルフェと、レヴィを見て女はそう言った。
見た目だけなら、俺は目つきの悪い体格の悪い男だし、ベルフェはやる気なさそうだし、レヴィは子供にしか見えないし、強そうには見えない。
「……って……それ、ホムンクルスではないか! しかも中級!」
連れてきた中級ホムンクルスに、シューシュの興味が注がれる。
「これ、お前が作ったのか?」
「はい」
「何と。優れた錬金術師のようだな。興味があるぞ。解剖していいか?」
「え? だ、駄目ですよ!」
いきなりメスを取り出して、とんでもないことを言いだした。
通信用はこいつ一体しかいないので、解剖させるわけにはいかない。
「じゃあ、構造を教えてくれ。どうやって作った」
「構造?」
生産スキルで作ったので、構造なんて知っているわけがない。
俺は正直に答える。
「知りません」
「おい、ゼンジと言ったか。我は決して悪用したり、商用したりするつもりで、聞いているわけではない。純粋に知識を得たいから聞いているのだ」
「あの、本当に知らないんです」
「そんな訳があるか! 自分で作っておいて構造を知らんわけが無いだろう!」
ごもっともな意見であるが、スキルを使って作ったんだからな。
ここは正直にスキルを使ったと説明するか。
「知らないのは本当です。俺はスキ……」
「いいか。世の中には知識という者を資産のように扱い、秘密にして利用する輩が大勢いる。だがそれは明確に間違っている行動だ。なぜならば知識というものは、ほかの知識と合わさりあい、新しい知識を生み出していく。知識の共有こそが世界を発展させる最善の方法であるのだ」
俺が説明しようとすると、マシンガンのように早口で説得してきたので、こちらから話すタイミングがなかった。
「それはごもっともかもしれませんが、俺は知らないんです。だって、これはスキルで……」
「っち……強欲な奴だ。もうよい」
この女、人の話を最後まで聞くという事を知らないらしいな。
なんか何言っても、届きそうにないので説明は諦めた。
「それで強欲な冒険者よ。我が出した依頼の詳細を聞きに来たのだな?」
「はいそうです。あとその呼び方やめてください」
「我は見ての通り賢者である。ここより西にルーシアス遺跡という場所があるのだが、そこに行きたい」
見ての通り賢者、ってのは正直分からない。
遺跡に行くというのは知っていたが、なぜ行くのだろうか。どんな遺跡なのだろうか。俺は尋ねる。
「ルーシアス遺跡ってどんな場所なんですか? なぜ行くんですか?」
「アンデット系のモンスターがかなりいる場所だ。元々は我と同じ賢者の研究施設であったようだ。知識を得るには最適の場所であろう」
なんかありそうだから、調査するってことか。
「ところで賢者って魔法とか使えるイメージなんですが、護衛が必要なんですか?」
「魔法? 魔法は魔法が使えるものが使うもので、賢者が使うものではないぞ。我は使えん」
「そうなんですか。じゃあ、賢者って何なんですか?」
「そんなことも知らんのか貴様は。賢者とは、知識が豊富であると認められたものが入れる、賢者ギルドに所属している者の事を言う。賢者ギルドでは先ほど我が言った、知識の共有が頻繁に行われる」
凄い魔法使いの事だと思っていたが、どっちかというと学者のような立場の人みたいだな。まあ、賢者が魔法使うって完全にゲームで得たイメージなんで、本来の意味に近いかもしれない。賢い者で賢者だからな。
「賢者ギルドへの貢献が認められると、多額の金が貰えるようになる。我は金のために賢者になったのではないが、それでも金がなければ、研究も実験も出来んからな。ちょうど遺跡の話を聞いたので、いい機会だと思いなけなしの金を使って冒険者ギルドへ依頼を出したのだ」
大体事情は呑み込めた。
まあ、俺のやることは遺跡で護衛ってのには変わりないけど、アンデット系のモンスターってのが気になるな。
攻撃が効くのかな? そもそも俺幽霊とか苦手なんですけど。
ここまで来た以上、断るわけにもいかないので、何とかするしかないか。
「依頼ですが、頑張って遂行します。いつ出発しますか?」
「準備はすでに完了している。ついてこい」
「今から行くんですか?」
「問題があるか?」
「いえ、今から行っても大丈夫です」
俺の方もある程度準備は出来ているから、今から行っても構いはしないけど、ちょっと驚いたな。
シューシュは部屋に置いてあった、ボロボロのリュックを背負う。
「では行くぞ。遺跡まで案内するからついてこい」
俺たちはシューシュの案内で、遺跡まで向かった。
まず試験用ダンジョンで作成した、低級ホムンクルスたちに薬草集めなどの、素材を集める系の依頼を任せる。
薬草を集める依頼と、プラムの実という危険地域に生えている、香水の材料になる実を集める依頼があるので、それを受けた。
この二つはどちらも締め切りが、三十日後で割と余裕でやれる。
そして、もう一つ自分で行う依頼は、賢者シューシュの護衛だ。
依頼が書かれた紙を受付に渡した。
「薬草とプラムの実は集めた後は、依頼人ではなく俺に持ってくるんだ。依頼人へは俺が届ける。報酬も前払いで貰っているから、渡した時点で払ってやるから安心しろ。護衛に関しては、依頼紙に依頼人がいる場所が書いてあるから、そこに向かえ。詳しい話は直接聞くんだな」
「分かりました」
説明を聞いた後、俺は低級ホムンクルスに命令して、集めに行かせた。
集め終わったら、冒険者ギルドに行ってそこで俺が戻ってくるまで待機してもらう。
拠点から連れてきた中級ホムンクルスは、連絡用なので俺の近くに置いておく。
俺は賢者シューシュの場所を確認しながら向かった。
フラメリウムの南西にポツンと一軒家があるようだが、そこに賢者シューシュはいるようだ。距離は三キロくらいか。
俺は、ベルフェ、レヴィ、中級ホムンクルスと共に、賢者シューシュの住む家へと向かった。
〇
「あった。ここか」
レンガ造りの家を発見した。
それほど大きな家ではない。
しかし、なぜわざわざ町の外れに住んでいるのだろうか。
俺は玄関に向かい、誰かいるのか声をかけてみる。
「冒険者なんですけど、依頼を見てきましたー」
大声で言ってみたが反応が無い。
留守なのだろうか?
寝てるだけなのかもしれないし、俺は扉をノックしてもう一度声をかける。
「いませんかー!?」
すると、
「うるさい! 我の眠りを邪魔するのは誰だ!」
中から高い女性の声が聞こえてきた。
「依頼を見てきたんですけど、冒険者です!」
「冒険者ぁ……あーそういえば……」
家の中から足音が聞こえて、扉が開いた。
ボサボサの白い髪で、目の下にくまがある不健康そうな印象の女性が出てきた。
少し汚れている白いガウンを羽織っている。
「入れ」
そう促されたので、俺たちは家の中に入った。
「あなたがシューシュさんですか?」
「そうだ。我が賢者シューシュ・トレンスだ」
「俺はゼンジです。後ろの、えーと、大きいのがベルフェで、小さいのがレヴィです」
「あまり強そうじゃない奴らが来たな。まあ、アイアンランクだしこんなもんか」
俺とベルフェと、レヴィを見て女はそう言った。
見た目だけなら、俺は目つきの悪い体格の悪い男だし、ベルフェはやる気なさそうだし、レヴィは子供にしか見えないし、強そうには見えない。
「……って……それ、ホムンクルスではないか! しかも中級!」
連れてきた中級ホムンクルスに、シューシュの興味が注がれる。
「これ、お前が作ったのか?」
「はい」
「何と。優れた錬金術師のようだな。興味があるぞ。解剖していいか?」
「え? だ、駄目ですよ!」
いきなりメスを取り出して、とんでもないことを言いだした。
通信用はこいつ一体しかいないので、解剖させるわけにはいかない。
「じゃあ、構造を教えてくれ。どうやって作った」
「構造?」
生産スキルで作ったので、構造なんて知っているわけがない。
俺は正直に答える。
「知りません」
「おい、ゼンジと言ったか。我は決して悪用したり、商用したりするつもりで、聞いているわけではない。純粋に知識を得たいから聞いているのだ」
「あの、本当に知らないんです」
「そんな訳があるか! 自分で作っておいて構造を知らんわけが無いだろう!」
ごもっともな意見であるが、スキルを使って作ったんだからな。
ここは正直にスキルを使ったと説明するか。
「知らないのは本当です。俺はスキ……」
「いいか。世の中には知識という者を資産のように扱い、秘密にして利用する輩が大勢いる。だがそれは明確に間違っている行動だ。なぜならば知識というものは、ほかの知識と合わさりあい、新しい知識を生み出していく。知識の共有こそが世界を発展させる最善の方法であるのだ」
俺が説明しようとすると、マシンガンのように早口で説得してきたので、こちらから話すタイミングがなかった。
「それはごもっともかもしれませんが、俺は知らないんです。だって、これはスキルで……」
「っち……強欲な奴だ。もうよい」
この女、人の話を最後まで聞くという事を知らないらしいな。
なんか何言っても、届きそうにないので説明は諦めた。
「それで強欲な冒険者よ。我が出した依頼の詳細を聞きに来たのだな?」
「はいそうです。あとその呼び方やめてください」
「我は見ての通り賢者である。ここより西にルーシアス遺跡という場所があるのだが、そこに行きたい」
見ての通り賢者、ってのは正直分からない。
遺跡に行くというのは知っていたが、なぜ行くのだろうか。どんな遺跡なのだろうか。俺は尋ねる。
「ルーシアス遺跡ってどんな場所なんですか? なぜ行くんですか?」
「アンデット系のモンスターがかなりいる場所だ。元々は我と同じ賢者の研究施設であったようだ。知識を得るには最適の場所であろう」
なんかありそうだから、調査するってことか。
「ところで賢者って魔法とか使えるイメージなんですが、護衛が必要なんですか?」
「魔法? 魔法は魔法が使えるものが使うもので、賢者が使うものではないぞ。我は使えん」
「そうなんですか。じゃあ、賢者って何なんですか?」
「そんなことも知らんのか貴様は。賢者とは、知識が豊富であると認められたものが入れる、賢者ギルドに所属している者の事を言う。賢者ギルドでは先ほど我が言った、知識の共有が頻繁に行われる」
凄い魔法使いの事だと思っていたが、どっちかというと学者のような立場の人みたいだな。まあ、賢者が魔法使うって完全にゲームで得たイメージなんで、本来の意味に近いかもしれない。賢い者で賢者だからな。
「賢者ギルドへの貢献が認められると、多額の金が貰えるようになる。我は金のために賢者になったのではないが、それでも金がなければ、研究も実験も出来んからな。ちょうど遺跡の話を聞いたので、いい機会だと思いなけなしの金を使って冒険者ギルドへ依頼を出したのだ」
大体事情は呑み込めた。
まあ、俺のやることは遺跡で護衛ってのには変わりないけど、アンデット系のモンスターってのが気になるな。
攻撃が効くのかな? そもそも俺幽霊とか苦手なんですけど。
ここまで来た以上、断るわけにもいかないので、何とかするしかないか。
「依頼ですが、頑張って遂行します。いつ出発しますか?」
「準備はすでに完了している。ついてこい」
「今から行くんですか?」
「問題があるか?」
「いえ、今から行っても大丈夫です」
俺の方もある程度準備は出来ているから、今から行っても構いはしないけど、ちょっと驚いたな。
シューシュは部屋に置いてあった、ボロボロのリュックを背負う。
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