《書籍化》転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました

ひより のどか

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108 ハクはすごい子!

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フゥとクゥが自分の光にやられてゴロゴロしているサーヤを助け起こしています。

『ほら、サーヤ』
『しっかりして』
よっこいしょってクゥが抱っこしてくれました。

「うにゅ~ めが~」
目が~目が~シパシパするよ~

ぴゅ?『なんでだろ?』
きゅ『じぶんの』
『光なのにね~』
『『ね~』』
『『『ふしぎ~』』』
ちびっこたちが不思議だねって言ってます。

『でも、すごかったわね~』
『なんだったんだ?』
「うにゅ~」
フゥとクゥがサーヤをなでなでしたり背中ぽんぽんしながら言います。サーヤはまだ目をくしくししてます。

『はいりきらないの~』
『あふれてるの~』
『だだもれなの~』
妖精トリオが不思議の正体を教えてくれます。でもいまいちよく分かりません。そこで

〖体に対して魔力が多すぎるのよ。コントロール出来るようになれば自分の体に納めることもできるけど、今は難しいわね〗
ジーニ様が更に解説してくれます。

『あれだけの魔力が常に溢れてるって大丈夫なんですか?』
『体に悪いことは?』
フゥとクゥは驚きながらも心配してます。

〖大丈夫よ。体の中に入り切らないってことは、体の中いっぱいってことだから〗
ジーニ様が大丈夫って言うなら安心かな。

『でも、もったいないよね~?』
突然ハクがもったいないと言い出しました。

『『え?』』
〖ハク?〗
思いがけない言葉にフゥとクゥだけじゃなく、ジーニ様も反応しました。

『だって~それだけ溢れてたらもったいないよね~?もし何かに貯めておけたら、何かあった時に役に立つと思わない~?万が一魔力切れになった時とか~?』

ぴゅ~『そっかぁ』
きゅいきゅい『たくさんつかうときとか?』

〖『『…………』』〗
ハクと、更に双子の言葉に無言になるジーニ様とフゥたち。

『『確かに……』』
〖…………〗
フゥとクゥは何とか立ち直ったけどジーニ様がまだ固まってます。

『『ジーニ様?』』
ぶつぶつぶつぶつ…

『『ジ、ジーニ様?』』
フゥとクゥがジーニ様を見ると、ジーニ様が何かぶつぶつ言ってます。はっきり言って怖いです…

〖そうよ、なんてもったいないことを…空の魔石をアクセサリーにして貯めてもいいし、他にも…いくらだって……〗
ジーニ様のぶつぶつが止まりません。

「うにゅ?」
ぴゅ『クゥ~』
きゅ『フゥ~』
『ぼ、ぼくたちなんか変なこと言っちゃった~?』
ハクと双子が、自分たちのせいでジーニ様が壊れたって心配してます。
『だ、大丈夫じゃないかしら?』
『あ、あぁ 多分…?』
フゥとクゥが安心させようとしてるけど、その答えは不安しかないと思うよ…

みんなでジーニ様の様子を伺っていると、ぐりんっとジーニ様のお顔がこっちを向きました。
『『ひっ!』』
「ふあっ?」
『わあっ』
ぴゅきゅっ『『ひゃっ?』』
みんなでビクビクです。

〖うふふ。やぁねぇ 何そんな顔しているの?あなた達、ものすごくいいこと言ってくれたわ!ありがとう!〗
ジーニ様が何かすっごく嬉しそう?それで、メラメラ?何か迫力が?

『い、いえ』
『あの……』
『どういたしまして?』
ぴゃきゅ『『でしゅ』』
「でしゅ」
みんな、意味わからなくて言葉が変です。

〖そうよ、魔力を貯めて引き出せる物を作ればいいのよ。ああ、何で今まで気づかなかったのかしら?サーヤだけじゃなく全員の日課にすれば練習にもなるし、万が一の保険にもなる。いいことづくめだわ。どういう形にするかは鍛冶神と相談ね…アクセサリーなら工芸神の方がいいかしら…〗
後半がまた独り言のようになっていきます。そして思いついたように

〖ギン、この辺りに空の魔石が沢山取れるところはある?〗
今度はギン様にグリンっと

『は、はい?空の魔石ですか?それでしたら泉の底にあったかもしれません。ただ、小さいものがほとんどで数はどのくらいあったかは…』
ギン様が突然の質問に戸惑いながらも答えると

〖そう〗
と言ってジーニ様はまた考え始めてしまいました。が、そこにまたしても

『お父さん、お父さん。泉の中なら水の妖精さんに聞いたらぁ?仲良くなった妖精さんなら教えてくれるかも~?』
またしてもハクが!
『ね?サーヤ?』
「あい!」
ハクがすごくできるいい子です♪

〖ハク……ほんとにあなた頭のいい子ねぇ。すごいわ〗
ジーニ様が感心しすぎて少しぼーっとしてます。

『えへへ~ほんと~?』
〖ええ  ほんとよ〗
立ち直ったジーニ様が、ハクの頭をなでなでします。しっぽもぶんぶんしてます。気持ちよさそう~。
サーヤはその様子を見て、こそこそとジーニ様の側へ行きます。そしてハクを撫でているのとは反対の手の下に入り込みます。気づいたジーニ様が
〖サーヤどうしたの?〗
と聞くと、照れたように
「えへへー」
と笑って頭をぐりぐり擦り付けます。サーヤの意図に気づいたジーニ様は感激して
「サーヤ~!なんて可愛いの~!」
と言いながら抱きしめて撫でくりまわしてくれます。嬉しいけど、ちょっと苦しい、失敗したかも?と思ったことは内緒です。

『バレてるよね~』
ぴゅ『かおに』
きゅ『でまくってるよね~』
『『秘密って』』
『『『むずかしいんだね~』』』
ちびっこたちにはバレバレです。



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