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連載
ある日の父子日記2 番外編
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『アルコン様、ご相談したいことが』
『なんだ?改まって』
『お願い致します。私に人化を教えて頂けませんか?』
『人化を?』
『はい』
いつになく真剣なギン。何よりいつもどこか周りに遠慮をしているギンが強い意志を持って話しかけてきた。何か理由があるはず⋯
『理由を聞いても?』
『はい。私は今まで人化の必要性を感じることなく暮らしてきました。ですが、サーヤが来て、今では色々な種族が増えています』
『そうだな』
確かに、自分を初め、今では色々な種族がいる。神までいらっしゃるしな。
『その中にあって、私が出来ることはあまりにも少ない』
『そんなことはないだろう。現に立派に森を治めているではないか』
真面目すぎるほどにな。
『今まではそれで何とかなってきましたが、それではダメだと思うのです。ですが、何より⋯』
『何より?』
人化を覚えたいと思った動機か?
『不純かと思われるかもしれませんが、ハクが⋯』
『ハクが?』
『ハクが背中を洗ってもらっているゲンやアルコン様を見ていたのです。羨ましいと思ったのか、人化を覚えたいと思ったようでした』
『なるほど』
ハクが人化を考えているようだから自分も覚えたいと思ったのか
『別に不純とは思わんぞ?いいのではないか?息子の為に覚えたい。これのどこが不純だと言うのだ?一番大事ではないか』
まったく、本当に真面目すぎるというか⋯
『では⋯?』
『ああ。我でよければ協力しよう。だが、我は我流だぞ?いいのか?それに人化と言ったが、我の今の姿は完全な人化ではないぞ?角も翼もある。ただ単に本来の姿ではここにいずらいからこの姿をとっているに過ぎんからな。もし、人間たちの暮らすところへ行くならこれではダメだ。こんな感じだな』
魔力を込め、角と翼を引っ込める。
『なかなか魔力を消費するのでな。あまりやりたくはないがこんな感じだ』
まあ、魔力を使うのは変身する時だけで、あとは慣れてしまえばなんてことはないのだがな。
『いつか、必要になるかもしれません。よろしくお願い致します』
『分かった。じゃあ、さっそくやるか。とりあえず森の中にでも行くかな』
ハクには内緒で成功させたいだろうからな。
『ありがとうございます。でしたら、森の中にちょうど少し開けた所があります』
『ふむ。では行くか』
『はい』
こうして内緒の特訓を始めることになった。
そして、ハクたちはと言うと
〖きゃーっかわいい♪〗
〖これはたまりませんわ♪〗
ジーニ様とシア様は大盛りあがり。だけど
『ううう~』
ハクは納得いかなくて泣きそうです。
〖ハク、仕方ありませんよ。人化はそれだけ難しいんです〗
泣きそうなハクを慰めるエル様も、内心は⋯
うーむ。これはまずいですね。可愛すぎます。とてもですがリノには見せられませんね。どうしましょうか⋯
〖かわいい~かわいい~♪〗
〖ずっとこのままでいて欲しいくらいですね〗
落ち込むハクをよそに盛り上がるジーニ様とシア様。
『ううぅ~』
ああ、膝を抱えて座り込んでしまったではないですか。かわいそうに。まったくこの二人は⋯後でお説教ですね。
『ううう~。でも~これじゃあ、お手伝いはムリだよ~』
ついに泣き出してしまったハクは、涙をポロポロ零しながら訴えてくる。
〖う~ん。確かに⋯春陽たちのお手伝いは難しいかもしれませんね。でも、当初の目標は果たせるのではないですか?〗
『でも~お父さん、大きいよ~?』
〖私もお手伝いしますよ。ですが、おそらく大丈夫だと思いますよ〗
『え~?そうかな~?』
〖はい。大丈夫ですよ〗にこ
ギンのことです。きっと⋯
その頃ギンとアルコンは
『難しいですね。なかなかこの姿を維持するのは⋯』
人化に成功はしたが、維持が続かず苦労していた。
『うむ。初めは仕方ないだろう。コツを掴んで慣れるしかないな』
『そうですね。ですが気を抜くと⋯』ポンッ
『うむ。その姿、サーヤの前でしてしまうとな』
『ええ。目立ちますよね』
はぁ、とため息をつくギン。だが、目立つというよりか⋯
『目立つと言うより、間違いなくサーヤが食いつくな』
『やはり、そう思われますか?』
その情けない顔、自分でもそう思っていたのだな。
『間違いないな』
『そうですか。では、なおのこと気をつけないといけないですね』
ハハハハ。と、二人で笑うしかなかった。そして⋯
〖ハク、頑張ってね〗
〖絶対大丈夫ですよ〗
『うん!がんばるよ~』
ジーニ様とシア様がハクを励まします。そうです!いよいよ決行の日!場所は温泉!!
〖滑らないように気をつけるのよ〗
〖そうですよ。いつもと同じではないですからね〗
『うん!気をつけるよ~』
〖それから〗
〖その辺でいいのではないですか?魔神もシアも。それではいつまでもハクが動けませんよ〗
〖だって~〗
〖私たちは見れないんですよ〗
気分はもうかわいいハクのお母さんなジーニ様とシア様。今回の計画は人目を最小限にするため男湯で行われるのだ!なぜなら邪魔が入ることが目に見えているから!ゆえに自分たちはその場に立ち会うことが出来ずエル様に託すしかないのだ!
『ジーニ様、シア様、ぼくがんばるよ~。だっていっぱい教えてもらったんだもん。だから心配しないで~』にこっ
〖〖ハクっ〗〗むぎゅう~
『苦しいよ~』
二人に抱きつかれて困るハク。でも、二人はそんな事お構いなしです。なので、ごちんごちんっ
〖〖いった~い〗〗
エル様から鉄槌が⋯
〖二人ともいい加減にしなさい。私もついてますし大丈夫です。さあ、行きましょうか、ハク〗
『は~い。それじゃ行ってきま~す。後でね~』
〖頑張ってね〗
〖気を楽にね〗
『は~い』
〖〖ハク~うぅぅ〗〗
後で温泉での合流予定なのに涙で見送るジーニ様とシア様母娘⋯
〖まったく大袈裟な〗
『うふふ~ぼくがんばるよ~』
〖ふふ。そうですか。楽しみですね〗
ハクの方があの二人より余程しっかりしていますね。
そして、こちらも
『いよいよだな』
『はい。ご指導ありがとうございました』
『いや、まあ、そのなんだ。気を抜くなよ』
顔を背け首すじをポリポリするアルコン様。照れてますね。
『はい。分かってます』
『ゲンには少し遅れて来てくれと言ってはおいたがな。サーヤは風呂好きだから、あまり時間稼ぎは出来ないかもしれん』
『お気遣いありがとうございます』
アルコン様、いつになく頑張ってくれています。
『うむ。では行くか』
『はい。必ず成功させます』ビシッ
ギンよ。戦場に行くわけではないのだからそんな固くならなくてもよいのでは⋯
だがしかし、みんなは甘く見ていた
『なぜだか今日は急いで温泉に行かなければいけない気がしますわ!』
『あら、お姉様。ダメですわ』
『そうにゃ。リノ様はしばらくみんなが入ってる時間は近寄っちゃいけない決まりにゃ!』
『ええ~もうそろそろいいではないですか!それに今日は絶対行かないといけない気がビシバシとするのですわ!』
『では、なおのことダメですわ!』
『行かせないにゃ!皆の者出あえにゃーっ!』
ニャーニャにゃんが何もない空中に向かって叫ぶと
『なあに~?』
『どうしたの~?』
『ピンチ~?』
わらわらと妖精さんたちが!
『みんなでリノ様を止めるにゃ!』
『『『了解~!』』』
楽しいことが大好きな妖精さんたちノリノリです。更に
『あら、楽しそうねぇ。私も参加するわぁ』ふわり
『『お母様!』』
なんと結葉様が参戦!
『結葉様が初めて頼もしく見えるにゃ!お願いにゃ!』
『まかせてぇ』
うふふ。ジーニ様♪ひとつ貸しねぇ♪
結葉様にはお見通し!でも
「おいちゃん!!もふもふにょ、やかん!!」
『もふもふのヤカン?なんじゃそりゃ』
またサーヤが変なこと言い出したぞ?
「ちやった。もふもふにょ、よかん!!」
もふもふの予感?なんでそういうのだけは鋭いんだ?
「はやきゅ!はやきゅ、おんしぇん、いこー!もふもふ!もふもふ!」
だから、なんで分かるんだ?
『温泉に行ったって、メンバーはいつもと同じだろ?なんでもふもふがあると思うんだ?』
「わかんにゃい!でみょ、もふもふ!もふもふ!」
野生の勘か?もふもふレーダーでもついてるのか!?
『分かった分かった。でも、いつも通りちゃんとトイレいって熱くなるから水分ちゃんととって』
「わかっちゃ!」
すまん、アルコン様、時間稼ぎ無理そうだ
『あらあらまあまあ。サーヤ、そんなに慌てたら怪我しますよ』
『凛さん!』
「おばあちゃん!もふもふにょ、やか、よかん!」
『もふもふのヤカンはあったらイヤね⋯でも、もふもふの予感はあながち外れてないかもしれないわよ?ね?絹さん』
きゅるる『新作。お風呂でもふもふセット』
「ふおっ?もふもふ?」
お?サーヤが食いついたか?
きゅるる『そう。凛さんがタオルの代わりに手袋型の体を洗う道具作れないかって言うから、作ってみた』
「ふお~」キラキラ
おお!サーヤが間違いなく食いついた!
きゅるる『ギン様を参考に作ってみた。わんこの手形肉球付きミトンに、お揃いでわんこ耳付きタオルキャップ。尻もちついても安心ハクのしっぽをくるんと丸めてみたしっぽ付き湯着。これでゲンさんの背中洗いやすくなる。かも?』
「ふお~!はやきゅ、はやきゅいこー!」
きゅるる『初めての作品だからサイズ見る。今はめてみて。ダメなら直す』
「あいっ」
おお!絹さんナイス!
『あらあらまあまあ、うふふ。ゲンさん、一つ貸しね』
『え?』
貸し?
『ダメよ~サーヤのもふもふレーダーを甘く見ちゃ。この位したって長くはもたないわよ。きっと』
『はあ、さすが凛さんには敵わないな。助かったよ』
『ふふ。私が出来るのはここまで。そろそろ限界みたいよ。あとはよろしくね』
『ああ、分かった』
ほんとに敵わないな。
「おいちゃん!おいちゃん!はやきゅいこー!」
『分かった分かった。慌てずゆっくりな』
「えーっ」
さあ、あっちは上手くいったかな?
✩.*˚ ✩.*˚ ✩.*˚
あ、あれ?終わらないぞ?ごめんなさい💦
『なんだ?改まって』
『お願い致します。私に人化を教えて頂けませんか?』
『人化を?』
『はい』
いつになく真剣なギン。何よりいつもどこか周りに遠慮をしているギンが強い意志を持って話しかけてきた。何か理由があるはず⋯
『理由を聞いても?』
『はい。私は今まで人化の必要性を感じることなく暮らしてきました。ですが、サーヤが来て、今では色々な種族が増えています』
『そうだな』
確かに、自分を初め、今では色々な種族がいる。神までいらっしゃるしな。
『その中にあって、私が出来ることはあまりにも少ない』
『そんなことはないだろう。現に立派に森を治めているではないか』
真面目すぎるほどにな。
『今まではそれで何とかなってきましたが、それではダメだと思うのです。ですが、何より⋯』
『何より?』
人化を覚えたいと思った動機か?
『不純かと思われるかもしれませんが、ハクが⋯』
『ハクが?』
『ハクが背中を洗ってもらっているゲンやアルコン様を見ていたのです。羨ましいと思ったのか、人化を覚えたいと思ったようでした』
『なるほど』
ハクが人化を考えているようだから自分も覚えたいと思ったのか
『別に不純とは思わんぞ?いいのではないか?息子の為に覚えたい。これのどこが不純だと言うのだ?一番大事ではないか』
まったく、本当に真面目すぎるというか⋯
『では⋯?』
『ああ。我でよければ協力しよう。だが、我は我流だぞ?いいのか?それに人化と言ったが、我の今の姿は完全な人化ではないぞ?角も翼もある。ただ単に本来の姿ではここにいずらいからこの姿をとっているに過ぎんからな。もし、人間たちの暮らすところへ行くならこれではダメだ。こんな感じだな』
魔力を込め、角と翼を引っ込める。
『なかなか魔力を消費するのでな。あまりやりたくはないがこんな感じだ』
まあ、魔力を使うのは変身する時だけで、あとは慣れてしまえばなんてことはないのだがな。
『いつか、必要になるかもしれません。よろしくお願い致します』
『分かった。じゃあ、さっそくやるか。とりあえず森の中にでも行くかな』
ハクには内緒で成功させたいだろうからな。
『ありがとうございます。でしたら、森の中にちょうど少し開けた所があります』
『ふむ。では行くか』
『はい』
こうして内緒の特訓を始めることになった。
そして、ハクたちはと言うと
〖きゃーっかわいい♪〗
〖これはたまりませんわ♪〗
ジーニ様とシア様は大盛りあがり。だけど
『ううう~』
ハクは納得いかなくて泣きそうです。
〖ハク、仕方ありませんよ。人化はそれだけ難しいんです〗
泣きそうなハクを慰めるエル様も、内心は⋯
うーむ。これはまずいですね。可愛すぎます。とてもですがリノには見せられませんね。どうしましょうか⋯
〖かわいい~かわいい~♪〗
〖ずっとこのままでいて欲しいくらいですね〗
落ち込むハクをよそに盛り上がるジーニ様とシア様。
『ううぅ~』
ああ、膝を抱えて座り込んでしまったではないですか。かわいそうに。まったくこの二人は⋯後でお説教ですね。
『ううう~。でも~これじゃあ、お手伝いはムリだよ~』
ついに泣き出してしまったハクは、涙をポロポロ零しながら訴えてくる。
〖う~ん。確かに⋯春陽たちのお手伝いは難しいかもしれませんね。でも、当初の目標は果たせるのではないですか?〗
『でも~お父さん、大きいよ~?』
〖私もお手伝いしますよ。ですが、おそらく大丈夫だと思いますよ〗
『え~?そうかな~?』
〖はい。大丈夫ですよ〗にこ
ギンのことです。きっと⋯
その頃ギンとアルコンは
『難しいですね。なかなかこの姿を維持するのは⋯』
人化に成功はしたが、維持が続かず苦労していた。
『うむ。初めは仕方ないだろう。コツを掴んで慣れるしかないな』
『そうですね。ですが気を抜くと⋯』ポンッ
『うむ。その姿、サーヤの前でしてしまうとな』
『ええ。目立ちますよね』
はぁ、とため息をつくギン。だが、目立つというよりか⋯
『目立つと言うより、間違いなくサーヤが食いつくな』
『やはり、そう思われますか?』
その情けない顔、自分でもそう思っていたのだな。
『間違いないな』
『そうですか。では、なおのこと気をつけないといけないですね』
ハハハハ。と、二人で笑うしかなかった。そして⋯
〖ハク、頑張ってね〗
〖絶対大丈夫ですよ〗
『うん!がんばるよ~』
ジーニ様とシア様がハクを励まします。そうです!いよいよ決行の日!場所は温泉!!
〖滑らないように気をつけるのよ〗
〖そうですよ。いつもと同じではないですからね〗
『うん!気をつけるよ~』
〖それから〗
〖その辺でいいのではないですか?魔神もシアも。それではいつまでもハクが動けませんよ〗
〖だって~〗
〖私たちは見れないんですよ〗
気分はもうかわいいハクのお母さんなジーニ様とシア様。今回の計画は人目を最小限にするため男湯で行われるのだ!なぜなら邪魔が入ることが目に見えているから!ゆえに自分たちはその場に立ち会うことが出来ずエル様に託すしかないのだ!
『ジーニ様、シア様、ぼくがんばるよ~。だっていっぱい教えてもらったんだもん。だから心配しないで~』にこっ
〖〖ハクっ〗〗むぎゅう~
『苦しいよ~』
二人に抱きつかれて困るハク。でも、二人はそんな事お構いなしです。なので、ごちんごちんっ
〖〖いった~い〗〗
エル様から鉄槌が⋯
〖二人ともいい加減にしなさい。私もついてますし大丈夫です。さあ、行きましょうか、ハク〗
『は~い。それじゃ行ってきま~す。後でね~』
〖頑張ってね〗
〖気を楽にね〗
『は~い』
〖〖ハク~うぅぅ〗〗
後で温泉での合流予定なのに涙で見送るジーニ様とシア様母娘⋯
〖まったく大袈裟な〗
『うふふ~ぼくがんばるよ~』
〖ふふ。そうですか。楽しみですね〗
ハクの方があの二人より余程しっかりしていますね。
そして、こちらも
『いよいよだな』
『はい。ご指導ありがとうございました』
『いや、まあ、そのなんだ。気を抜くなよ』
顔を背け首すじをポリポリするアルコン様。照れてますね。
『はい。分かってます』
『ゲンには少し遅れて来てくれと言ってはおいたがな。サーヤは風呂好きだから、あまり時間稼ぎは出来ないかもしれん』
『お気遣いありがとうございます』
アルコン様、いつになく頑張ってくれています。
『うむ。では行くか』
『はい。必ず成功させます』ビシッ
ギンよ。戦場に行くわけではないのだからそんな固くならなくてもよいのでは⋯
だがしかし、みんなは甘く見ていた
『なぜだか今日は急いで温泉に行かなければいけない気がしますわ!』
『あら、お姉様。ダメですわ』
『そうにゃ。リノ様はしばらくみんなが入ってる時間は近寄っちゃいけない決まりにゃ!』
『ええ~もうそろそろいいではないですか!それに今日は絶対行かないといけない気がビシバシとするのですわ!』
『では、なおのことダメですわ!』
『行かせないにゃ!皆の者出あえにゃーっ!』
ニャーニャにゃんが何もない空中に向かって叫ぶと
『なあに~?』
『どうしたの~?』
『ピンチ~?』
わらわらと妖精さんたちが!
『みんなでリノ様を止めるにゃ!』
『『『了解~!』』』
楽しいことが大好きな妖精さんたちノリノリです。更に
『あら、楽しそうねぇ。私も参加するわぁ』ふわり
『『お母様!』』
なんと結葉様が参戦!
『結葉様が初めて頼もしく見えるにゃ!お願いにゃ!』
『まかせてぇ』
うふふ。ジーニ様♪ひとつ貸しねぇ♪
結葉様にはお見通し!でも
「おいちゃん!!もふもふにょ、やかん!!」
『もふもふのヤカン?なんじゃそりゃ』
またサーヤが変なこと言い出したぞ?
「ちやった。もふもふにょ、よかん!!」
もふもふの予感?なんでそういうのだけは鋭いんだ?
「はやきゅ!はやきゅ、おんしぇん、いこー!もふもふ!もふもふ!」
だから、なんで分かるんだ?
『温泉に行ったって、メンバーはいつもと同じだろ?なんでもふもふがあると思うんだ?』
「わかんにゃい!でみょ、もふもふ!もふもふ!」
野生の勘か?もふもふレーダーでもついてるのか!?
『分かった分かった。でも、いつも通りちゃんとトイレいって熱くなるから水分ちゃんととって』
「わかっちゃ!」
すまん、アルコン様、時間稼ぎ無理そうだ
『あらあらまあまあ。サーヤ、そんなに慌てたら怪我しますよ』
『凛さん!』
「おばあちゃん!もふもふにょ、やか、よかん!」
『もふもふのヤカンはあったらイヤね⋯でも、もふもふの予感はあながち外れてないかもしれないわよ?ね?絹さん』
きゅるる『新作。お風呂でもふもふセット』
「ふおっ?もふもふ?」
お?サーヤが食いついたか?
きゅるる『そう。凛さんがタオルの代わりに手袋型の体を洗う道具作れないかって言うから、作ってみた』
「ふお~」キラキラ
おお!サーヤが間違いなく食いついた!
きゅるる『ギン様を参考に作ってみた。わんこの手形肉球付きミトンに、お揃いでわんこ耳付きタオルキャップ。尻もちついても安心ハクのしっぽをくるんと丸めてみたしっぽ付き湯着。これでゲンさんの背中洗いやすくなる。かも?』
「ふお~!はやきゅ、はやきゅいこー!」
きゅるる『初めての作品だからサイズ見る。今はめてみて。ダメなら直す』
「あいっ」
おお!絹さんナイス!
『あらあらまあまあ、うふふ。ゲンさん、一つ貸しね』
『え?』
貸し?
『ダメよ~サーヤのもふもふレーダーを甘く見ちゃ。この位したって長くはもたないわよ。きっと』
『はあ、さすが凛さんには敵わないな。助かったよ』
『ふふ。私が出来るのはここまで。そろそろ限界みたいよ。あとはよろしくね』
『ああ、分かった』
ほんとに敵わないな。
「おいちゃん!おいちゃん!はやきゅいこー!」
『分かった分かった。慌てずゆっくりな』
「えーっ」
さあ、あっちは上手くいったかな?
✩.*˚ ✩.*˚ ✩.*˚
あ、あれ?終わらないぞ?ごめんなさい💦
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<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
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*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
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特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
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