《書籍化》転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました

ひより のどか

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ある日の誕生日ダンジョン日記 番外編

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突如沸いた誕生日からのダンジョン作り!

『あらあらまあまあ、なんでこんなことに?』
『凛さん、時には諦めと開き直りも必要だ』
『諦めと開き直り⋯』
そうね、そうかもしれないわね

きゅるる『ゲンさん、凛さん、早く来る』

『おう』
『あらあらまあまあ、今行くわ』
やるなら徹底的に!よね。


『やっぱりぃ、かわいい魔物は必須よねぇ♪』
『でもお母様、ダンジョンなのですから、かわいい魔物だけではダメですわよ』
『そうですわよね。やはり、戦うことも覚えませんと』
『そうにゃね。外に出たらダンジョンじゃなくても魔物はいるにゃ。今のままだとある意味心配にゃ。特にサーヤちゃんがにゃ』
『ええ~?』

あらあらまあまあ、何だか分かった気がするわ。

〖なるほど。ニャーニャの言うこともわかるわね。今のサーヤなら、怖い魔物でも、もふもふしてたら〗
〖あら、確かに「もふもふーっ」て、抱きつきかねないですね〗
『そうですにゃよね』
『それは困りますわね』

そうよね。私もそう思うわ。我が孫ながら、時々もふもふを食べちゃうんじゃないかと思うものね?

『そうねぇ。それじゃあ、見るからに悪ぅ~いお顔の魔獣を作るとかぁ?』
〖そうですね。でしたら⋯〗
『エル様、何かいい考えが?』
『我らも協力するぞ』

こちらはダンジョンの魔物をどうするか、そしてあちらは

『ヴァルカン様、ドロップアイテムはどうなさいますか?魔物の核や、素材が一般的ですが』
『宝箱の中身と、隠し部屋もありますな』

親方たちとヴァル様たちが魔物以外の話し合いをしてるわね。

〖ん。その前に、俺もヴァルでいいぞ。話し方ももっと普通にしろよ。堅苦しいのは苦手なんだ〗
『そうだぜ。俺にも医神や精霊王たちと同じでよろしくな!』

『『『し、しかし』』』
『『『それは⋯』』』

あらあらまあまあ、親方たち、尊敬する鍛治神様相手にたしかにいつもより固いものね。

〖んじゃ、命令だ!普通にしろ!じゃないと口聞いてやんねぇぞ!〗

『『『『『『ええ!?』』』』』』

『そうだぜ。ほら、普通にしろ普通に!結葉と同じにな!』ニカッ

『『『えええ?』』』
『『『そそそ、それはさすがに』』』

ヴァル様と牙王様とドワーフさん達が楽しそうね。

きゅるる『宝箱にもぬいぐるみとか、おもちゃとか入れる』
『でもさ、一般的には貴重な武器とか、防具とか、マジックアイテムだろ?』
『秘薬とかね』
『そうだよね。入ってない時やミミックだっているよ』
きゅるる『全部やる』

〖ならよ、いっそ⋯〗
『なるほどな』
ヴァル様も何か思いついたみたいね。

その頃、サーヤたちは
「いっちに、いっちに」ぱしゃぱしゃ
ぴゅいきゅい『『いっちにいっちに』』ぱしゃぱしゃ
『その調子。みんな上手』
『うん。あそこまでがんばってみよう』
『あともう少し』
『足止めないで~』
「『『『『『は~い』』』』』」ぱしゃぱしゃ

『ほっほ。ダンジョンのことはまだ内緒だがの』
『ダンジョンと言えば、色んな環境があるからのぉ』
『そうだな。一面海なんてのもあるしな。練習しておいて損はないだろ』
『出来ればもう少し初級の攻撃魔法も増やしたいところですね』
『そうじゃのぉ。出来れば全属性揃えたいのぉ』
『そうじゃの。何人かで分担するとかの』
ツンツン
『ん?おお、サーヤのゴーレムたちに小鬼たち、どうしたのかの?』

『『『⋯⋯』』』ごごご
『『『う~』』』ぴきひゅ~ばり

『ほっほ。そうだの。ストーンバレットにアイスバレット』
『ほっほ。ウインドカッターにサンダーアロー』
『そうだったな』
『頼もしい護衛がいたわね』

『『『⋯』』』こくこく
『『『⋯』』』にこっ

泉で青葉ちゃんたちが、サーヤたちの手を取って泳ぎの練習。じぃじたちや吹雪や白雪が練習を見守り、頼もしい小さな護衛たちもがんばってます。

そんなこんなで数日後


「ふわああああっ」きらきら
『『『『『うわあああっ』』』』』きらきら

『うふふ。みんなおめめキラキラねぇ』
〖作ったかいがあったわね〗
〖そうですね〗

いよいよ解禁!聖域特製ダンジョン!森の中に登場です!
森の中に突如現れた洞窟!入口はなんと、ファンシーなくまさんのお顔!『あ~ん』と開けたお口の中に入ると⋯

「きりゃきりゃっ」
『うん!色んな色のキラキラだね~』
「ふわふわっ」
ぴゅいきゅい『『うん!おはな、ふわふわ!』』
「ぷりゅんぷりゅんっ」
『『うん!木の実』』
『『『ぷるんぷるんっ』』』
「もふもふもふもふ~っ!」
みゃあ『すごいにゃっ』
『おめ目が合ったのだ!』
きゅるるん『『『『『『『『『うごいた~っ』』』』』』』』』
『『『とんでるだよっ』』』

パステルカラーの虹色の世界!くまさんのお口の中なのに、広がっているのは、青いお空に淡いピンクや黄色に白い綿菓子みたいな雲。一面に広がるお花畑は、パステルカラーの色とりどりのお花畑!お花がぽわんっと開くたんびにシャボン玉が飛び立ちます。だから、洞窟の中はぷかぷかとシャボン玉がいくつも浮かんでます。
妖精トリオがシャボン玉を突っつくと、パチンっと弾けて、中からきらきらクリスタルが!

『『『わ~サーヤみて~いしだよ~』』』
「ふお~きりゃきりゃ~」
『ぼくもやる~』つんっ
「さーやみょっ」つんっ
ぱちんぱちんっ
ぴゅいきゅい『『でた~』』
『『あれ~?』』
『『『いろちがうね~』』』
みゃあ『かたちみもにゃ!』
「ちやうにぇ~」
色とりどりな透明な石とか、真珠みたいのとか、色々キレイ!

つんっぼわんっ
『うわぁなのだ!』
きゅるるん『『『おはなさわったら』』』
きゅるるん『『『『なんかでてきたよ!』』』』
「ふお~?」
パステルピンクの綿?
『あまいにおいする~』
「ふお?ほんちょだ!」
食べられる?

ぴゅいきゅい『『あ、みてみて~』』
『『なんか来たよ!』』
『『『まんまる?』』』
「ふおおっもふもふ~っ」
『え~?もふもふのスライム~?』
みゃあ『ぽよんぽよんしてるにゃ!』

ぱくっ

『た、食べたのだ!』
「ふお?」
もふもふスライムさんが綿食べた!

きゅるるん『『『みて~おかおが』』』
きゅるるん『『『『サーヤがおいしいのたべたときのおかお!』』』』
『うわ~とろけてるんだな』
『ほっぺおちそうにしてるんだな』
『おいしいだか?』
うわ~プルプルふるえて喜んでる~?

『ク、クゥ、見て、木の上』
『え?り、凛さん?』
『ちがいます。もふもふのこぐまさんです』
『こぐまさんが、木の実食べてます』
「ふおお?」
『ほんとだ~』
フゥが見つけたのは、木の上でお菓子みたいな木の実を食べてるくまさん!リアルなテディベアさん!山桜桃ちゃんたち、呆然!

ぴゅいきゅい『『あ、とりさん!』』
『『まっしろ!』』
『『『まんまる!』』』
みゃあ『おだんごにゃ!』
『キレイに並んでるのだ!それに』
「もふもふっ」

すごいすごい!もふもふ天国!テレビで見たことある寒いとこにいるとりさんみたいです!

『ね、ねえ、青葉』
『この泉』
『ぬいぐるみが泳いでる』
『み、水吸わないのかしら?』
『『『さ、さあ?』』』
「ふおお?いるかしゃんっ」

もちもちビーズクッションみたいなイルカさんです!謎です!でもかわいいです!亀さんもメンダコさんも泳いでます!

『『『⋯っ、さーやちゃん、みて』』』
「ふお?らいちゃん、ちゅむちゃん、ひょうちゃん?」
『『『かこまれ、てる』』』
「ふえ?」
かこまれてる~?

「ふおお?」
ほんとだっ!色をなもふもふに囲まれてます!
みんなぬいぐるみさんみたいです!背中にちっちゃい羽が生えたもふもふなヘビさんまでいるよ!
みんなおめめクリクリ!もふもふかわいい~!

『あれ~?サーヤ、みんな何か持ってるよ~?』
ぴゅいきゅい『『ほんとだ~』』
ぬいぐるみみたいなかわいい動物さんたちが二本足で立って、みんな何か持ってます!

ぽてぽて
とてとて
ぴょんぴょん
ぽよんぽよん

「ふお?」
な、なんかみんなが持ってるものを差し出してる?
『なぁに?くれるの~?』

こくこく

ぴゅいきゅい『『なんで~?』』

ぐいぐい

『『ええ~?』』
『『『いいの~?』』』
みゃあ『どうしたらいいにゃ?』
『誰か~教えてなのだ』

「ふお~?」
な、なんか、ちびっこたちみんなプレゼント攻撃されてます!

きゅるるん『『『『『『『わ?ぬいぐるみのクモさん?』』』』』』』
『『『ええ?どうしたらいいだ?』』』
『『『ぁ、ぁわわ』』』
『ええ?なんで?』
『わたし達も?』
『な、なぜでしょう?』
『ああ?待ってください』
子グモちゃんや、ぽぽちゃんたちや、小鬼ちゃんだけじゃなくて、フゥたちや、山桜桃ちゃんたちも?それに

ぱしゃーんっ
『わっわっ』
『イルカさんたちも?』
『『なんで?』』
『『『『『『どして?』』』』』』
青葉ちゃんや、泉の精霊、妖精さんたちも?
                                                 
〖ふふふ。受け取ってあげて〗    
〖それはね?あなた達への誕生日プレゼントよ〗       

「ほえ?」
誕生日プレゼント?
『たんじょうび~?』
『ジーニ様、シア様』
『なんですか?それ?』
え?ハクもフゥもクゥもお誕生日知らない?

『うふふ。お誕生日はねぇ?生まれてきてくれてありがとう、おめでとうって、感謝する日なんですってぇ。素敵よねぇ』
結葉様がみんなに説明してくれます。

『生まれてきてくれてありがとう?』
『おめでとうですか?』

『そうよぉ』
ええ?山桜桃ちゃんたちも知らない?

『あらあらまあまあ、サーヤ、そうなんですって。この世界、お誕生日って概念がないんですって。びっくりね』
「あ、あい」
『だからな、今回はみんなまとめて初めての誕生日だ!今度からは生まれた季節が分かるやつから順番にやろうな』
「あい!」 
そうなんだね!

「みんにゃ、おたんじょーび、おめでちょー!」ぱちぱち

『うん?生まれてきてくれてありがとう~?』

「しょう!うまりぇちぇきちぇくりぇちゃかりゃ、みんにゃ、にゃかよち!」
生まれてきてくれたから、会えたんだよ!

『っ!そっか~♪生まれてきてくれてありがとうだね~♪』
ぴゅいきゅい『『うん!ありがとう~』』
『『おめでとう~』』

『あれ~?じゃあ、お父さんにもじぃじたちにもありがとう?』
ぴゅいきゅい『『お~!』』
ぴゅい『おとうしゃんいなかったら』
きゅい『モモとスイいないね』
「ふお~」
ほんとだ!
「おばあちゃん、おいちゃんみょ!」
サーヤいないね
『ほんとだね~』

『『ジーニ様たちもだよ』』
『『『みんないないと』』』
みゃあ『ねぇねと、おっきなごしゅじんと、おやかたたちにもにゃ』
『みんなみんな会えなかったのだ!』
きゅるるん『『『ほんとだね』』』
きゅるるん『『『『みんなあえなかった』』』』

『そうなんだな。じゃあ、ジーニ様たちもみんな、おめでとうなんだな』
『ほんとなんだな。みんなみんなおめでとうありがとうなんだな!』
『にいちゃん、ちいにいちゃん、たんじょうびすごいひなんだな!』
『『そうなんだな』』

『私達も、結葉様のおかげ』
『じぃじと』
『亀じぃもだね』
『そうだね』
『『『わたしたちの』』』
『『『おじいちゃんだもんね!』』』

『じゃあ、みんなでジー二様たちにも言わなきゃな』
『そうね。わたしたち、感謝しなきゃ』
『お誕生日はお祝いして感謝する日なんですね』
『それじゃあ、みんなで言わないとですね』
フゥとクゥと山桜桃ちゃんと春陽くんが、ちびっこたちをまとめて

『『じゃあ、みんな、並んで並んで』』
『『せーのっ』』

「あいがちょう~!」
『『『『『ありがとう~』』』』』
『『『『『おめでとう~!』』』』』

わ~い!みんなお誕生日~!

しーん⋯

「うにゅ?」
『あれぇ~?』
ぴゅいきゅい『『しずか~?』』
『『どうしたのかな?』』
『『『あ、イルさまだ』』』
みゃあ『バートさんもいるにゃ』
『でも、みんな動かないのだ』

『『『ぅ、ぅごいてるみたい?』』』
『『『あ、ふるえてるだ?』』』

「うにゅ?」
小鬼ちゃんたちと、ぽぽちゃんがそういうから、みんなでじっと見てたら

びゅんっ
ぎゅうっ
『『サーヤっ』』ぎゅうう
『サーヤこそ生まれてきてくれて、ありがとう。おばあちゃんの宝物よ』
『うううっサーヤ、ありがとうなっ』
「ふおお?」
おばあちゃん、おいちゃん?泣いてる?

〖ああっサーヤっ〗
〖お母様っここはお譲りしないとっ〗ぐすっ
〖そ、そうだよ。魔神ちゃん、でも、ありがとうって、おめでとうって〗ぐすっ
〖〖〖うわああんっサーヤ~〗〗〗

『何ですか、その泣き方』ぐす
〖そっくりですね〗ぐす
〖ううっ仕方ねぇじゃねぇか〗くっ
『そうだぜ。サーヤたちが俺たちにありがとうって』くっ
〖『うおおおんっ』〗
〖『⋯くっ』〗
あれぇ?こっちも泣いてる?

『お父さんも、吹雪じぃじも、白雪ばぁばもどうしたの~?』
ぴゅいきゅい『『おとうしゃん?』』
あ、こっちもぎゅう~ってなってるね

『どうもしないぞ。だが、ありがとうハク』
『優しい子だ』
『自慢の優しい孫よ』
『えへへ~?よくわかんないけど、ありがとう~』

『モモ、スイ、ありがとう』ぎゅう?
ぴゅいきゅい『『うん?どういたちまちて!』』

きゅるる『子どもたち、いい子に育った』きゅっ
きゅるるん『『『ほんと?』』』
きゅるるん『『『『やったー♪』』』』

『あああ、あの?』
『なんで?』
『結葉様?』
『アイナ様、リノ様?』
『『『じぃじたちも?』』』
『『『どうしたの?』』』

『うふふ。いいじゃない?私達、家族なんだしぃ』むぎゅう
『そうですわ。抱きしめたってなんの不思議はありませんわ』むぎゅう
『そうですわ。私達のかわいい末の妹たちですもの。ほら、ニャーニャも』むぎゅう

みゃあ『ねぇね?どうしたにゃ?』
『なんでもないにゃ!みんないい子にゃ!』ぐりぐり

あっちもこっちも、むぎゅう~です。 

『ほっほ。これはやられたのぉ』
『ほっほ。そうだのぉ』
『これは、俺たちがプレゼントもらっちまったな』
『そうだねぇ。プレゼントした側だったはずなんだけどねぇ』
『見ろよ、神様たち』
『うわぁ、イル様たちのまわり』
『涙ってあんなになるんだね』
『水溜まりかよ』

そんな、思わぬ反撃を受けた大人たちが、何とか復活すると

〖このダンジョンはね?あなたたちへの誕生日プレゼントよ〗
〖かわいいもふもふや、くまさん達はこのダンジョンだけにいるの〗

「ふお~ぷりぇじぇんちょ」
『もうもらったよ~』
ぴゅいきゅい『た~くさん』
もふもふさん達から、持ちきれなくて、周りにいっぱい!

〖そうだね。でもね、この新しいもふもふたちも、プレゼントなんだよ〗
『新しいお友達ですから、仲良くして上げてくださいね』

「ふおお」
『『おともだち!』』
『『『やったー!』』』
わ~い!もふもふし放題!

〖ですが、いいですか?サーヤたち、ここは仮にもダンジョンです〗
「う?」
だから?そういえば、ダンジョンって何?

〖ダンジョンっていうのはな?魔物を倒して、レベルアップしたりするんだ。時には倒した魔物がアイテムを落とす時があるんだぞ。お宝だ〗ニッ
『隠し部屋とか、宝箱があったりな。冒険みたいだろ?』ニカッ

「ふおおおおお」キラキラ
『冒険~?』きらきら
ぴゅいきゅい『『ちたい!』』きらきら
『『『『『したい!』』』』』
だよね?

『あれ?じゃあこの子たちも?』
『討伐するんですか?』
『『ダメです!こんな可愛いのに!』』
「ふお?」
それは
「『『『『『だめーっ』』』』』」
もふもふとかわいいは正義!

〖その通りです。この子達はお友達と言ったでしょう?ですが⋯〗

「で、でしゅが?」
なに?

〖ダンジョンってのはな、迷路になってたり、階層になってたりするんだ。ここは地下に何階かある。でもな?〗
『そこには悪い魔物がいて、地下から出てきて、こいつらを襲っちまうかもしれないんだ』

「ふお?」
それも
「『『『『『だめーっ』』』』』」
そんなのダメだよっ

『そうよねぇ?だからねぇ?』
〖みんなで時々、力を合わせて地下の魔物を倒して欲しいの〗
〖大事なことよ。怖いかもしれないけど大丈夫かしら?〗

「あいっ!」
『『今から行こ~』』
『『『すぐいこう~』』』
『『『『『うん!』』』』』

〖くすくす。やる気まんまんだね。でもね?敵ももふもふかもしれないよ?倒せるかな?〗

「ふお?」
イル様ほんと?わるいのにもふもふ?
「だ、だいじぶ!」
この子達はもうお友達だから、守らなきゃ!

『偉いですね。では、さっそく行きましょうか。大丈夫。初めはわかりやすいと思いますよ』ふふ

「しょ、しょにゃにょ?
じゃあ安心?でも、バードさん、悪い子の笑い方?

『何ですか?』
なんでもありませんよ。

そして

〖あ、いましたよ〗
「ふお?もふもふっ⋯う?」
ほんと?後ろ向いて座ってるあれ?でもあれはもふも⋯ふ?

サーヤたちの気配に振り向いたそれは

「ふあ?」

キシャーッ!

「ひぎゃーっみきしゃーっ」
ぐるぐるぐるっ

『うわーんっ凍っちゃえーっ』
カキーン

ぴゅいきゅい『『こっちみないでーっ』』
ぼんっ

かわいいもふもふだと思ったのにーっ顔中お口だよ!牙がいっぱいだよ!


『あ~過剰防衛だな』
『あらあらまあまあ、やりすぎね』


「ひぎゃーっつちにょとんがりーっ」バキバキ
『『ぎゃーっ!葉っぱ飛んでけーっ』』しゅぱぱぱ
『『『つるーっつかまえてーっ』』』ぐるぐる

〖あちゃ~分かりやすく怖くしすぎじゃない?〗
『まあ、いいのではないですか?』
〖皆さん、ドロップアイテム拾いましょうね〗
〖医神、きっと聞こえてないわよ〗
〖そうですね。みんな悲鳴上げながら戦ってますから〗
〖わはは!中々強いな〗
『だな。一撃だ』

「ひぎゃーっ」
こわいよーっ
『『『『『ぎゃーっ』』』』』

まあ、無事にレベルアップも出来そうだし、誕生日プレゼントは成功⋯かな?

•*¨*•.¸☆*・゚•*¨*•.¸☆*・゚
またまた遅くなってすみません。
感想やエールもありがとうございます。
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鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

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