異世界を中国拳法でぶん殴る! ~転生したら褐色ショタで人外で、おまけに凶悪犯罪者だったけど、前世で鍛えた中国拳法で真っ当な人生を目指します~

犬童 貞之助

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第二章 工業都市ボルドー

2-39 ネーミングセンス

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 ロウが一度は殺し合った相手との会食を終えた日の夜。ボルドー商業区にある高級宿の一室にて。

 若葉色の従者が象牙色の主へと、くだんの褐色少年に関する報告を行っていた。昨日ボルドーへとやってきたエスリウとマルトである。

「──性格は理知的で、己の感情より利や道理を重んじているようでした。そして力は強大、隠蔽いんぺいする技術も並外れています。しかし、魔族によく見られる自身の力を誇示する傾向は見られず、相手の出方をうかがったり言葉で探ったりと、魔族らしからぬ行動が見受けられました」
「要するに、以前下した彼は魔族であるという判断は早計そうけいだった、と」
「……はい。申し訳ありません、お嬢様」

 従者の報告を聞き唸るエスリウ。公爵家をおとしいれる魔族など想像上のものだったと判明したはずなのに、彼女表情は悩まし気だ。

「お嬢様? 何か気がかりな点でも?」
「そうね。あの子が魔族でないなら、一体何者なのかということが気になるのよ。『魔眼』で見ても魔力の気配が感じ取れなかったから、制御能力が一流なのは間違いないけれど」
「確かに、そうですね。戦闘能力にしても魔力にしても、おおよそ人間の域を逸脱しているのに、その境地へ修練で辿り着くにしては若すぎる。というより、あまりに幼い」

「そういうこと。それに、今日ヤームルたちとお買い物に行った時、あの子のことをあれこれ聞いてみたけれど、土と水の精霊の二種と契約しているそうよ。異なる属性を高い水準で使い分けている以上、少なくとも貴女みたいな人型の上位精霊という線は無さそうね」
「……」

 眉間みけんしわを刻みながら語るエスリウの言葉に、マルトは沈黙する。

 ──主人のエスリウと同様に、彼女もまた人外である。かつてロウが見抜いた深緑の魔力はエルフの持つ緑の魔力よりもなお深く、そして濃い。

 それは世界に満ちるマナから偶発的に生じた精霊のような青系統の魔力とは異なる、植物神アムルタートが直接産み落としたとされている上位精霊──ドリアードであるが故の、強大な魔力である。

 精霊が他の精霊と契約関係になることはまずない。
 元より精霊は、自身とは異なる存在の魔力欲しさに他者と契約を結ぶ。起源を一にする同族の魔力など願い下げなのだ。

 上位精霊が嫌がる下位精霊を無理に使役するということもあるが、基本的に同属性系統の枠内でしか上下関係は生まれない。

 加えて、あくまで上位のものが下位のものを使役するだけなので、ロウのようにどちらも同等の力を振るうということは起こりえない。必ず一方の力が劣っているはずなのだ。

 ドリアードであるマルトの場合は魔力の起源が異なるため、同格の上位精霊の使役も可能だが……。彼女は極めて例外的な存在であるため、かの少年が人型の上位精霊だとしても、通常同格の使役は不可能なのだ。

「見た目は人間族の子供だけれど人間族離れしていて、人型精霊でもなさそう。かといって、人族の長命種に見られるような身体的特徴もない。……やっぱり、魔族か、それとも別の上位存在が人化しているかだと思うのよね。伝え聞く人柄的には、魔族という線は薄そうだけれど」

「そのような存在が、何故人族社会にいるのかが謎ですね……話した限りでは上位存在などではなく、大人びているかと思えば年相応の一面を見せる、少し風変わりな人間族の少年としか思えなかったのですが」

「あら、貴方にしては珍しく起伏のある感想ね? いつもはもっと淡泊たんぱく平坦なのに」
「私自身もそう思います。何分、笑ったのも久しぶりですから」
「──えっ!?」

 青天の霹靂へきれきっ! あり得ないことを聞いたとでもいうように目を見開き驚愕するエスリウ。

「そこまで驚く必要もないのでは?」
「何を言っているの! 血が通っているかどうかも分からない、ほとんど仮面みたいに表情を固定している貴女が笑うなんて、竜が現れる前兆だって言われても信じられるくらいの出来事よ!」

 この言いようである。扱き下ろされている当人はとぼしい表情筋を僅かに動かし、不満げな表情を作る。

「血は通っていますよ。曲がりなりにも人型ですからね」
「そういう意味じゃないです」

 人間族的冗句は精霊にとって難しかったようだ。

「それで? 彼とはどんなことを話したの? ああ、誘拐の件以外でね」
「ええ、それがですね──」

 本題から脱線していく主従。
 彼女たちが主題を思い出すのは、話題が逸れてから二時間後、深夜になってからのことだった。

◇◆◇◆

「ぶぇっくしょぉいッ!」

(ロウのくしゃみはいつでも派手なのです)
「いや、普段はおさえられるんだけどな。今みたいに急激にこられると、対応できずに無残な姿をさらすんだ」
(そういうものなのか。人間族の身体も面白いものだな)

 深夜、ところ変わって異空間。ロウは曲刀たちに適当な知識を吹聴ふいちょうしながら、新規魔法の開発を行っていた。

 夜が明ければ異形の魔物セルケト討伐の決行日。冒険者組合での訓練後に仮眠を取った後、彼は備えを万全にすべく異空間で魔法の開発、戦闘訓練などに勤しんでいる。

(あいつらも十二分に強いし、お前さんがそこまで念を入れる気持ちが分からんな)
「ヴィクターもレルミナも強いけど、万が一ってこともある。というより、アルベルトが遭遇した日から何日か経ってるし、セルケトってやつがより強くなってる可能性だってあるだろ? 備えすぎて悪いことは無いのさ」
(なるほど……しかしこの土魔法、当たればそれだけで決着しそうな破壊力なのです)

 己の考えを明かす少年の前方で横たわる八角柱の巨岩に、彼の腰に佩かれた黒刀が戦慄する。

 ロウによって創り出された魔法は、高所より物質を落下させるだけというすこぶる単純なもの。

 しかしながら、それが千トン以上という大質量ともなれば極めて大きな破壊力を持つことになる。

 現状での少年の魔力遠隔操作の限界点である、五十メートルという高所から落下した石柱。

 地球の尺度で考えると、最大積載時の大型トラックが時速百キロメートルで壁に激突したときの五十倍以上。とんでもない衝撃である。

 そんな衝撃を一身に受けたらどうなるのか──それを物語っているのは、標的となった石像ドレイクである。

[……]

 創造主の気まぐれによって創り出された彼は、件の土魔法を全力で防御するよう命じられ、実際にそうしたのだが……結果は惨憺さんたんたるものだった。

 柱を受けるときに頭部が範囲外にあったことが幸いしたが、魔力で強化された強固な体は大部分が文字通りの粉々だ。無事だった頭部はロウに保護されているものの、その表情は恐怖にいろどられている。

「この魔法は高い破壊力も特徴だけど、俺が柱を加速させてるわけじゃないから、魔力面でも消耗が少ないのも長所だな。その気になれば五、六本同時に出せそうだし、大型の相手にはかなり有効そうだ。まあ、落下に時間が掛かる以上、命中率に難があるが……」

 首だけとなった石竜に魔力を与えて体を再生させながら、ロウはこの土魔法の利用方法を模索する。

 物理的な破壊力は申し分のないものだが、発動から落下までに時間が空く。更に敵味方等しく粉砕する無差別攻撃である。

 開発者の呟き通り、使いどころが非常に限られてしまう魔法だった。自分一人ならいざ知らず、集団戦で用いるのは難しいだろうと、少年は結論付ける。

(落下の力を利用か。お前さん、こと魔法に関する思考と発想力はずば抜けているよな)

「実は生まれ持った才能なんかじゃなくて、それなりの理由があるんだけど……まあそれについてはおいおい話すさ」
(むぅ。隠し事など、思念を読む私たちが解き明かして見せるのです)
「改めて考えると、思念読まれるって怖すぎだろ。考えてる事が丸わかりの丸裸じゃねえか」

 プライバシーもへったくれもない己の事情に、今更ながら苦い表情を浮かべたロウは、石竜の修復が終わると意識を切り替えた。今度は水魔法の開発である。

「そぉいやッ!」

 哀愁あいしゅうを帯びた表情で距離をとった石竜へ、樹齢百年を超える大樹の幹ほどに太い水のむちを放ち、少年は水流による拘束を図る。

 しかし、いくら勢いのある水流といえど、大質量のゴーレム相手では拘束手段としてあまりに心もとない。現に石竜は水の鞭をものともせずに前進しロウへと迫っていた。

(あまり効果は無いみたいだな?)
「まあ見てろって──むん!」

[──ッ!?]

 サルガスの念話に軽く応じたロウは、放った水魔法に込められた魔力を解放。途端に巻き付いていた太い鞭が巨大な氷へと変化し、岩の巨体を締めあげ拘束へと変貌する。

((おぉ~))

「ふむ、問題なく成功したか。硬度よし、温度は……ぬるい。凍傷を与えるのは難しいか。ぬるい氷って、違和感が半端ないな」
[~……]

 一部予想外な結果となったが、おおむね思い描いたとおりの挙動。氷によって締め上げられている己のゴーレムなど目に入らぬと、ロウは上機嫌で分析を進めていく。

 彼の放った水魔法──「氷瀑ひょうばく」は、魔力を込めた水流で相手の動きを妨げ、次いで氷による拘束を行う二段構えの魔法である。

 水を魔力で冷やして氷とするのではなく、水分子同士の結合力を魔力によって高めることで液体から固体に変化させているこの魔法。結合力が高まった影響で、ゴーレムの怪力をもってしても破壊できない、尋常ならざる硬度となっていた。

 通常、水から氷へ相変化すると体積が膨張するが、この水魔法ではあるはずの体積の膨張がない。その固相こそうは、もはや氷とは名ばかりの、別の性質を持つ状態というのが実態であろう。

 これを応用すれば、極めて頑丈且つ軽量な凶器も容易に生成できるのだが──残念ながらロウがそのことに気付くことは無い。

 あくまで氷による拘束を目的とした魔法で偶発的に得られた結果であり、氷の状態が異質であることなど、彼にとっては興味の対象外なのだ。

「『氷瀑』で拘束すれば『柱落とし』の落下までの時間は十分稼げそうだ。まともに戦って敵わないときは、これで決めさせてもらおう。ミンチになるから部位回収は出来ないだろうけど」

(エグイ連携だな。というか「氷瀑」は良いとして「柱落とし」て。そのまんま過ぎるだろ!)
(ロウの考える魔法は独創的なものが多いですが、名付けに関しては壊滅的と言わざるを得ません)
「分かりやすけりゃ良いんだよ。放っておいてくれ」

 絶大なる力を有する魔神にはネーミングセンスが具わっていなかった。彼が魔法を放つ際に技名を披露しないのも、あるいはここが関連しているのかもしれない。

「新規魔法の開発はこんなもんか。後は既存の魔法のイメージ強化と魔力操作の訓練だ」

(熱中し過ぎて翌朝には魔力欠乏、なんてことになるなよ?)
「今から全力で訓練しても欠乏なんてしないだろうし、仮にしても、宿から組合に行って山脈の方に出向く道中で全回復するだろうからなあ、俺の場合」
((……流石魔神))

 何度目か分からない呆れを含んだ思念を曲刀たちから受け取りつつ、ロウは夜が更けるまでセルケトとの戦闘を想定した魔法の調整を行っていったのだった。
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