異世界を中国拳法でぶん殴る! ~転生したら褐色ショタで人外で、おまけに凶悪犯罪者だったけど、前世で鍛えた中国拳法で真っ当な人生を目指します~

犬童 貞之助

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第三章 波乱の道中

3-15 波乱の後で

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 リーヨン公国とサン・サヴァン魔導国の国境付近に広がる、大湿原にて。

 突然襲いかかってきた青玉竜せいぎょくりゅうウィルムを半殺しにし、異空間へと放り込んだロウ。

 その直後に襲い掛かってきた魔神エスリウを返り討ちにした彼は、今まさに止めを刺そうとしていた。

「──どういう状況なのだ? これは」

 そんなおりに、セルケトの登場である。

 一度は収まった戦闘が再び激化したことで、ロウと共に一緒に旅をしていた乗客たちが、未だ戻らぬロウやエスリウらの身を案じたのだ。

 そうして再び戦闘の気配が絶えたため、戦闘能力の高い彼女が代表し捜索に出向いたという運びだった。

「襲い掛かられたから返り討ちにした。以上!」

 この場で起きた事の一切を知らぬセルケトに対し、ロウは簡潔に答えを告げた。あまりにも短い答えに、当然彼女は首を捻る。

「ロウがエスリウたちに襲い掛かられたのか? 逆ならばいざ知らず、こやつらがロウを襲う理由も見当たらぬように思えるが……」
「んなもん知らん。こいつら、俺だけじゃなくてお前だって殺そうとしてたんだぞ? 訳が分からん」
白々しらじらしい。理由など、貴方がヤームルを狙っているということ以外にあり得ません」

 ロウたちのやり取りに対し、無念さを押し殺すように歯噛みするエスリウは吐き捨てるように言い放つ。

 彼女の言葉には力が籠っていたが、血だらけの従者を抱き寄せる腕は未だに小さく震えている。

「ふむ? 狙うとは……何だロウよ、ヤームルを好いていたのか。……うむ? 何故それでエスリウがロウを殺そうとするのだ?」
「好いてねーよ! あんたも何勘違いしてるんだよ……。ヤームルの事は可愛い娘だとは思うけど、まだまだ子供だしそういう対象とは見てない。同性愛なら勝手にしてろよ。あ、それとも魔神形態だと男になるのか? 難儀な性質……というか、体格差ヤバくない? 想像したら絵面が酷いんだけど」

「なっ!? ワワタクシが同性愛などと、そんなわけが無いでしょう!? それに、あれでも女です!」

 ヤームル(の支配)を狙っているというエスリウの言葉で、話が無軌道に逸れていくロウたち。

 言葉など、迂闊うかつに省略するとろくなことにはならないのだ。

「なに、魔神だと? エスリウも魔神だったのか!?」
「ああ。三つ目でムキムキな四本腕だったぞ。俺がけちょんけちょんにしてやったけどな」

「……。まさか貴方たちは、ワタクシが魔神だと、知らなかったのですか?」
「当たり前だろ」「当然知らんぞ、そんなことは」

 揃って答えるロウとセルケトを見て、エスリウは頭を抱えてしまう。

 元々は彼らが人族の世に協調する魔神である自分の敵対者、そういう前提のもとに推論を重ねてきていたのだ。その根底がくつがえったのだから、冷や汗を滝のように流すのも当然と言えよう。

「──いえ、待ってください。だとするならば、何故魔神である貴方が人間族の真似事をしているのですか? 何事か企んでいなければ、人の真似事など不自由なだけでしょう」

生憎あいにくと自分が魔神だってことに気が付いたのがごくごく最近でな。自分がそうだと気付いた時には、人としての生活が当たり前になってたんだよ」
「なるほど、この凄まじい荒れ果て様は魔神同士の戦いがあったからか……道理よな。我も己の力には自信を持っていたが、これを見るとまだまだと痛感せざるを得ん」

 ロウがエスリウの疑問に答える傍ら、セルケトは周囲の変貌ぶりに驚嘆していた。

 彼らの戦いにより、近辺のみならず数キロメートル遠方にまで被害が出ているため、彼女の驚きも頷けようものである。そんな彼女に対し、事をしでかした当人は何気なく答える。

「ああ、何でもかんでも俺とエスリウがやったわけじゃないぞ。エスリウが襲ってくる前にウィルムっていう竜が暴れまわったんだよ」
「……貴様、一体全体どうなっておるのだ? まさか竜と殺り合って、その後に魔神と殺り合ったのか? 正気とは思えん」

「知るか! 両方とも一方的に絡まれたんだぞ、こっちは。ふざけやがって……」
[──]
「むぉっ!? シアンも呼んでいたのか?」

 セルケトが合流したことで一気に騒がしくなったロウたちを見ながら、エスリウは思い悩む。

(まさか、そんな。本当に偶然に、竜すらほふるような存在が居合わせただけってこと? それも、空間魔法すら自在に操る魔神が!? その上、それだけの力を持ちながら、何の意図も持たずに、人族社会に溶け込んで……)

 散々魔族の関与を疑ってきたのに、ふたをあければ縁の出来た相手がたまたま野良魔神だったというのだ。出来の悪い冗談のような話である。

 エスリウはそのような偶然があって堪るかと叫びたい気分で一杯だった。

「──エスリウの反応を見るに、何かしらの勘違いで俺やセルケトを殺そうとしたってところか? 理不尽な話だぜ全く」

「──! も、申し訳ありませんでした!」
「そうは言うがロウよ、貴様とて、我を問答無用で殺しにかかったことがあっただろうに」
「うぐ。いやでも、あれはお前が人族を殺しまわってたからだし……というか、その話はもうけりがついただろ」

 他方ロウは、セルケトの登場により毒気が抜かれ、毅然きぜんとした態度から一転大いに狼狽ろうばいするエスリウの反応で、怒りが霧散していた。

 それに加えて、闘争本能、破壊願望のおもむくままに暴れまわったことで、鬱屈うっくつとした感情を燃焼しつくしたというのもある。

 戦闘が終わった段階では彼の内に粘性の高い殺意が残っていたものの、それもセルケトと会話するうちに希釈きしゃくされていた。

 エスリウにとっては、殺すと決めていた相手の登場によって自身の命を拾うことになったのだ。皮肉なものである。

「とりあえずは、放っておくと死にそうなマルトの治療だな。俺とあんたは竜に蹴られて傷を負ったということにでもしておこう」

「……許して、頂けるのですか?」
「許さん。あくまで保留にするだけだ。洗いざらい事情を話し誠意を込めた謝罪があって初めて、この件を水に流してやるよ」
「誠意を込めた謝罪……ま、まさか、ワタクシの身体を?」

 許しはしないというロウの即答にびくりと身を震わせ、羞恥しゅうちで白い肌を赤く染めるエスリウ。

 命の危険があったため彼女氏自身もすっかり忘れていたが、今の彼女は全裸なのである。

 そんな状況で幼いとはいえ男から“誠意を見せろ”などと言われれば、否が応でも男女のあれそれ、まぐわいやら情事じょうじ情交じょうこうやらが脳裏をよぎってしまうものだ。

 決して彼女がムッツリだからというわけではない。

「いや、ムキムキマッチョなウーマンなんて御免です。金に決まってるだろうが。このすかたんが!」

「うぅ。ワタクシだって、好き好んであんな姿をしているわけではないのに……」
「流石ロウ、外道よな」(実にロウらしいのです)

 そんな初心な反応を見せるエスリウに対し、褐色少年は急所をえぐる言葉を返す。色事より金。流石外道な童貞である。

 しかしながら、彼の思考も頷けるところがある。

 今は一糸まとわぬ絶世の美少女となっているエスリウだが、先ほどまでは筋骨隆々の女傑……というより、筋肉質極まる、ほぼ男の肉体だったのだ。

 実体をそれと知り先ほどまで殺し合っていたロウが、彼女に対し情欲を抱くのは難しかったであろうことは、想像にかたくない。

「はぁ~。本日三回目の回復魔法か……いい加減魔力枯渇しそうだ。うっかり気絶する前にシアンとコルク異空間に戻しとかないとな」

「ふむ? そやつはコルクであったのか。完全に人の姿をしている故に我の知らぬ眷属けんぞくなのかと思っていたぞ」
[──]

 ロウのぼやきを拾ったセルケトが、コルクブラウンな美少年を上から下まで観察していく。

 自身の名前と同色のミディアムウルフな髪型は、ロウと同じようにクセを持っているが、創造主とは異なり毛質が軟らかく細いため、ふわふわと柔らかな雰囲気が香っている。

 ロウと似た彫りの深い顔立ちで異国情緒に溢れているコルクは、彼よりも頭一つ分身長が高い。肌はやや日に焼けたような黄色ではあるが、創造主と兄弟のようでもある。服装が似ていることもまた、そういった雰囲気を演出している一因のようだ。

「俺も知らないうちに人型化してたんだよ。ああ、戻るときついでにマルトやエスリウが着られそうな服見繕ってきてくれ。あ、あとサルガスもお願い。その辺に置いてるから」
[[──]]

 異空間の門を潜り消えていく眷属けんぞくたちを眺めふんふんと頷くセルケトと、唖然とした表情で凝視するエスリウ。彼女は自身が魔神であるだけに、同じ魔神であるロウの規格外さが身に染みていた。

「今のは、まさか、空間跳躍や連結などではなく、自らが創造した空間……?」
「何に驚いてんだよ。あんたも魔神ならできるだろ?」
「出来るわけがないでしょうっ!?」

「え、そうなの?」「ふむ? エスリウには出来ないのか」

 さも当然のように反論されても、ここにいるのは非常識な存在ばかり。異なる世界の存在と混じり変質した魔神に、迷宮の力を吸い上げ変質した魔物。

 いわば、常識の欠落した者たちである。

 もっとも、エスリウの語る魔神にとっての常識というものが、広く知れ渡るものなのかは定かではないが。

「その辺も後で詳しく聞かせてもらうか……よし、じゃあサクッと治療だ」

 じっとりと刺さるエスリウの視線をまるっと無視したロウは、瀕死ひんしのまま放置されていたマルトの治療を開始した。

 ごく浅く呼吸する彼女は満身創痍。のみならず、つたが至る所から生え、絡みついている。

 樹木の上位精霊ドリアードたる真の姿を解放した彼女は、人体の四肢にあたる部分が植物の部位へと変容していた。

 金属の硬度と枝葉のしなやかさを併せ持つ樹状の腕部に、体中至る所から生える、対象の生命力を吸い尽くすかぎや棘を有するつる。さらには強力な肉体に加え、外界の魔力を操り恐るべき破壊を実現する精霊魔法。

 これら人外の技能をもって、刺し違えてでも相手を滅すと決死の攻撃を行った彼女だったが……。ロウの眷属たちは水や土といった現象そのものであり、物理的な破壊に過ぎない攻撃では効果が薄かった。

 結果、枝や蔓による攻撃はシアンとギルタブのコンビネーションに抑えられ、樹木の精霊魔法は石竜へと姿を戻したコルクの圧倒的質量に粉砕され、彼女は敗北を喫してしまったのだ。

 そうしてこの生きているか定かならない、蔦まみれの何かが出来上がったのである。

「……」

 そんな彼女を、首を斬り落とされたロウが治療するというのもまた皮肉である。少年の心境は如何ばかりか。

(滅茶苦茶蔦が絡みついてんな。しかも魔力付き。濃い緑色の魔力だったし、血も何か白っぽいし、マルトも人族じゃないんだろうか?)

 ──意外と気にしていないロウだった。

◇◆◇◆

「ぉごごご……ぐはッ……セルケト、ギルタブ……後は……頼んだ」

 マルトを治療した後、急性魔力欠乏症を引き起こしたロウは例の如く七転八倒。

 十分程のたうち回り跳ねまわった後、糸が切れたように脱力し気絶してしまった。

「時折、こやつが恐ろしいのか阿呆なのか分からなくなる」

(考えなしに行動するきらいがありますからね、ロウは)

 焦土に突っ伏す火傷だらけの褐色少年を抱き上げたセルケトが、呆れとも憐みとも付かぬ奇妙な表情で呟くと、彼女の腰に佩かれたギルタブも同調した。

 普段はくだんの褐色少年を過大評価する傾向のある黒刀だが、彼が己の身の危険を顧みず行動する様には心を痛めていた。心配であるが故の酷評である。

「マルト……良かった。ロウさんには、厚くお礼をせねばなりませんね」

 他方、エスリウは穏やかな寝息を立てる従者の様子に、心底安堵したような表情を浮かべていた。

 十数分前までは従者共々絶体絶命の状況下にあったのだから、命あるだけでも儲けもの。ましてや治療まで施してもらえたのなら、言うに及ばずである。

「──ふむ。ヤームルらの心労が重なる前に戻るべきだが……その前にエスリウよ、一つよいか?」

「はい、ワタクシが答えられることならば」
「であるならば問うが、汝がロウを襲ったのは自身の勘違い故とのことだったが、これ以降はこやつや我に手を出さぬということで相違ないか?」

 気絶しているロウを背負い馬車へと足を向けたセルケトだったが、ふと思い出したようにエスリウに問いかけた。

「勿論です。今までの非礼をびることも含めて、誠意ある謝罪……ええと、お金を用意するつもりです」
「左様か。ロウがそれで仕舞いだと言っている以上、我から言うべきことはない。ないが……その言葉、たがえるなよ?」

 僅かに怒気を含んだ警告を残し、馬車へと戻っていくセルケト。

 彼女が怒りを滲ませたのは、未遂とはいえ自身が殺害の対象となったからか。あるいは、ロウが半死人状態にまで痛めつけられているからなのか。

(……うむ? 妙な感覚よな。我は気がたっているのか?)
(自覚無しですか。重症ですねセルケトも)
(我は病などない健康体であるぞ? ギルタブよ)

 当の本人は己の内面に頓着とんちゃくが無いため、推し量ることは困難であった。

「ああ、お待ちください、セルケトさん。決して違えませんよ。セルケトさんもロウさんの眷属なのですか? シアンさんやコルクさんとは、随分と雰囲気が異なっていますが」

 セルケトの言葉に若干気圧されたものの、彼女の言はもっともだと納得し気を取り直したエスリウは、マルトを抱き抱え、以前より気になっていたことを訊ねた。

 ロウに魔神と知られ、ロウを魔神だと知った今となっては、探るような迂遠な真似をせずに直接関係性に踏み込めるようになっている。相手を深く知るにはかえって良い機会だったのかもしれないと、エスリウはボロボロな身体なりに考えていた。

 滅ぼされなければ問題なかろうという魔神独特の思考回路である。ロウがその考えを聞いたなら、理解できないと引いてしまったことだろう。叩きのめしたのは自分であったとしても。

「我はこやつの眷属などではない。故あって行動を共にしてはいるがな」
「あらあら。眷属ではないのに、彼を魔神と知りつつ行動を共にされているのですね? ゆっくり歩きながら、その辺りのお話を聞かせて頂けませんか? ワタクシもロウさんから手酷くやられてしまったもので、速くは歩けないのです」

「う、うむ? 汝も変わらず押しの強い奴よな……まあロウの正体を知られた以上隠すものでもあるまい。実はな──」
(……はぁ。きっと後で、ロウからこってり絞られますよ、セルケト)

 聞き上手のエスリウ相手にどんどんと情報を漏らしていくセルケトを見て、思わず嘆息を漏らすギルタブ。

 秘密などあってないようなものと話していくセルケトに自分がとって代わるため、彼女は早く人化を成さねばならぬと改めて決意したのだった。
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