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第3章 “ハムおじさん”

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「ハムを這いつくばってハムハムする、その様子をスマホでライブ配信する、だからお金が貰えるんでしょ?」

 高良田健がリードをつけて前を歩く“ハムおじさん“をスマホでライブ配信しながら言った。

「みんな朝一番の〈ハム活〉を愉しみにしてるんだからさ、ほら、みんなコメントで怒ってるよ」

『今日〈ハム活〉なし!?』

『ふざけんな!!金返せ!!』

『誰だこの“ハムおじさん“、昨日の“ハムおじさん“が良かった!!』

『タヒね!!』

「ほら、みんなに何かいいなよ、“ハムおじさん”」

 高良田健がリードを引っ張りながら言った。“ハムおじさん“は立ち止まり、くるりと回転して言った。

「あの雑誌を止めてるテープの名前って何?」

 突然の意味不明の発言に、高良田健も、視聴者たちも驚いた。

『は?雑誌?』

『なになに、どう言うこと?』

『謝罪が先だろーがよーー!!!!!』

「火に油注いでどーすんのよ、え?雑誌を止めてるテープ?さっき立ち読みしてたあれ?どーでもいーじゃんそんなの」

 と高良田健が言うやいなや、

「人の疑問をどーでもいーとは何だ!!恥を知れ恥を!!」

 “ハムおじさん“は激昂した。空気が張り詰め、それが緩むと爆笑が起こった。

『wwww切れたwww』

『恥知らずはてめーだw』

『立ち読みしてんじゃねーよクズw』

『どの面下げて説教してんだ』

『クサクサの草www』

『これは草に草生やしますわw』

「あはははは、ちょ、ごめ、まじ、、、あははは、こんな馬鹿初めてwwwだめ、ちょ、腹いたいwwww』

 高良田健はその場に崩れ落ちた。そしてしばらくヒーヒー震えながら笑った。ようやく落ち着いた頃に“ハムおじさん“がまた

「何がおかしい!!」

 と笑いを被せるもんだから高良田健及び視聴者たちは悶絶が止まらなかった。高良田健は震える足で立ち上がり、力の入らない拳を握り込み、あははははと笑いながら顎を殴った。“ハムおじさん“はどしゃりとその場に膝から崩れ落ちた。視聴者から笑いながら投げ銭が飛んだ。

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