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♡ わたし人が直接触ったものとか食べられないんで♡
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「何してるの?」
光子は往来の真ん中で餅をこねている男に聞いた。
「餅をこねているんだ」と男が餅をこねながら答えた。
「美味しそうね」と光子が言った。
「君にはそう見えるのかい?」
「ええ、とても美味しそうに見えます」
「じゃあ一つ、君に食べさせてあげよう」
男が餅を食べやすいサイズにちぎり、光子の口元に近づけた。
「あ、わたし人が直接触ったものとか食べられないんで」
「…え?」
「え?」
「いや、さっき美味しそうって」
「ええ」
「だから食べさせてあげようかなと」
「だから私人が触ったものとか食べられないから」
「じゃあなんで美味しそうって…」
「美味しそうと思う感情と食べられない事実は矛盾しないでしょ」
「えぇ…話の流れ的に食べる流れでしょ」
「自分勝手ね」
「どっちがだよ」
「もういいわ、あなたが食べなさい」
光子はそう言って、隣にいた女子高生に促した。
「え!?私がですか?」
「そうよ、あなたの目を見て話しているのに、私はあなたに言っていないのかしら?」
「いや、そうじゃなくて…」
「ほら、食べなさいよ」
「あ、あの、私もこういうのはちょっと…」
「なんだよなんだよみんなして…そんなに僕のことを汚いと思っているのかい…」
男は目に涙を浮かべた。
「馬鹿ねえ」
光子はその涙を舌で拭った。女子高生は男のもち肌にキスをした。
「直接触れたものが食べられないだけで、あなたが汚いなんて一言も言ってないわ」
「私も」
男は2人にこねられた。食べはしなかった。
光子は往来の真ん中で餅をこねている男に聞いた。
「餅をこねているんだ」と男が餅をこねながら答えた。
「美味しそうね」と光子が言った。
「君にはそう見えるのかい?」
「ええ、とても美味しそうに見えます」
「じゃあ一つ、君に食べさせてあげよう」
男が餅を食べやすいサイズにちぎり、光子の口元に近づけた。
「あ、わたし人が直接触ったものとか食べられないんで」
「…え?」
「え?」
「いや、さっき美味しそうって」
「ええ」
「だから食べさせてあげようかなと」
「だから私人が触ったものとか食べられないから」
「じゃあなんで美味しそうって…」
「美味しそうと思う感情と食べられない事実は矛盾しないでしょ」
「えぇ…話の流れ的に食べる流れでしょ」
「自分勝手ね」
「どっちがだよ」
「もういいわ、あなたが食べなさい」
光子はそう言って、隣にいた女子高生に促した。
「え!?私がですか?」
「そうよ、あなたの目を見て話しているのに、私はあなたに言っていないのかしら?」
「いや、そうじゃなくて…」
「ほら、食べなさいよ」
「あ、あの、私もこういうのはちょっと…」
「なんだよなんだよみんなして…そんなに僕のことを汚いと思っているのかい…」
男は目に涙を浮かべた。
「馬鹿ねえ」
光子はその涙を舌で拭った。女子高生は男のもち肌にキスをした。
「直接触れたものが食べられないだけで、あなたが汚いなんて一言も言ってないわ」
「私も」
男は2人にこねられた。食べはしなかった。
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