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本編 最強冒険者
story166/結婚前夜
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(おはようルナ、オレ幼稚園でご飯食べてくるけど、一緒に行く?)コソッ
「にぃに、おあよ…まんま、いっちょいりゅ」
(分かったよ。ルナ、シーだよ。ママ寝てるからね。起きるまで良い子でいなよ)コソッ
(ちー、ないちょね。ルナ、いーこしゅりゅ)コソッ
(お勉強の時間に迎えくるからね)コソッ
(……べんきょ、ないない、ルナ、ねんね)コソッ
(サボったらダメ、エーアイ先生に怒られるよ)コソッ
(…しぇんしぇ、おこ、こあい、ルナ、ねんね)コソッ
(コラ!ご褒美のイチゴ、オレが食べちゃうよ)コソッ
(ルナ、ちご。にぃに、メッ!)コソッ
耳元で聞こえる、ルナとマイキーの会話が面白くて、暫し聞き入ってたら、
コンコン、とドアをノックする音が響いた。
その数秒後「ショウ様、お子さん達、お目覚めでしょうか?」
と言う声と共に入室してきたのは、フォルティエ家の家令、セバスリンさんだった。
突然の登場にパチッと目が覚め、口をあんぐりと開けたまま呆然としてしまった。
そして、ニコニコと僕達を見つめてる、セバスさんの後ろから顔を覗かせたのは、
コック服に身を包んだ、フォルティエ家の料理人コックドゥさんだった。
その手には、ホカホカと湯気の立つ食事を抱えており、鼻腔を擽るいい匂いが部屋中を満たした。
「ショウ坊、起きたか?厨房借りて飯作ったからよ、腹の子の為にも、ちゃんと食べろよ。
ちびっ子共の分も作ったから下行くぞー」
「え!オレたちの分もあるの!?あ、ショウ兄ちゃん、おはよう。体調は大丈夫?」
「あ、うん。マイキーおはよう。体調は大丈夫だよ…えっと、ご飯食べといで」
「分かった!ルナ行くよ」
「…まんま、おあよ…ルナ、ちらい、ない?」
「可愛いルナちゃん、おはよう。ちゅっ。大好きだよ~!ご飯食べといで、ちゅっ」
そう言って額に口付けをしたら、ニコッと満面の笑みを浮かべたあと、
「にぃに、まっちぇ」と、トタトタ走ってマイキーを追い掛けて行ったのを微笑ましく見ていた。
そして、一瞬の静寂のあと「えええ!今更だけど、なんで2人共いるのぉお!」と叫んだ僕に、
「ほっほっほ。ショウ様とアレクレス様にお会いしたく、足を運びました」
と、丁寧に頭を下げながら告げてきた。
吃驚したけど、大好きなフォルティエ家の面々に会えるのは嬉しくて、
食欲は無かったんたけど、手料理が嬉しくて、ペロッと完食した。
そのあと、少しセバスさんと談笑し「幼稚園を見学してきますね」と立ち上がったので、
「今日は体調良いし、幼稚園の案内します!」と意気揚々と伝えたら、
「ショウ様、ご無理なさらず安静にしていて下さい。顔色が悪いままで御座いますからね。
明日の為にも、今日は大人しくしていて下さい」
そう言いながら布団を掛け直され「では」と呟き部屋を出て行くのを黙って見送った。
「ふふふ。聞いた?天使ちゃん。明日何が起こるんだろうねぇ…
アレクが…パパがね、僕の為に考えて何か準備してくれてるんだよぉ?凄く幸せ、凄く嬉しい…」
そう喋り掛けながら、お腹を撫でていたら、感極まって喜びの涙が流れ落ちた。
「はぁ。最近ね、涙腺が弱くなっちゃってね…泣いてばっかりなんだぁ…
悲しみの涙じゃなくて、喜びの涙なんだけどね。泣きすぎて干からびたら大変だね。クスクス」
「……それにしても暇だなぁ。名前を考えるのは後にしてぇ、本でも読んであげようかな…」
その頃アレクレスは、翌日に控えた結婚式の為に、
運命神から貰った贈り物を設置する作業に四苦八苦していた。
「アレクレス!手伝いに来た…って、それ音響設備だよな。
凄いな、翔馬にネットで出して貰ったのか?」
「お、ニクス!助かったぜ…日本の技術は凄いけど、設置するのが大変だよ。ははっ。
愛と運命の神が、結婚式の為に贈ってくれたんだけどな…何に使うか分かんねぇ物ばっかりなんだよ」
そう言って指さした場所には、イベントリに入ってた、何に使うのか分からない物が転がってた。
「え、ココに転がってる品々を貰ったのか?
(ミラーボールとクラッカー、ピンクに光るムーディライトか?何のパーティだよ!)」
「ああ。それと空気を入れて膨らます“ふうせん”と、大量の“ぬいぐるみ”だな。
あと、“枯れない花“と、“ろうそく”、“天使の像”」
「ほぉ、凄いな…ぬいぐるみって、動物だけじゃないんだな。ははは!
翔馬が好きな、BLのキャラクターも混じってんのかな?結婚式ってより、推しの会合みたいだな」
「“ビーエル“ってのは、ショウマが好きな、男同士の恋愛物語だったか?
好きな物に囲まれた結婚式なら喜んでくれるよな…」
「翔馬の一番好きな物って、物品じゃなくて人だと思うから、皆に祝われる事が何より嬉しいんじゃねぇか?」
そう言われて(それなら良いんだが……)と不安になってた心が、少し晴れた気がした。
「……ところで、お父上は何をやっているんだ?」
訝しげに父上へ視線を向けたニクスに釣られて、目線をその方向に向けたら、
動物のぬいぐるみに埋もれて微睡んでる姿を捉えた。
「…ニクス、見なかった事にしよう。そっとしとこう。大きいぬいぐるみだと思っとこう」
そう言って、2人で無言で頷き合い、音響設備の設置に取り掛かった。
俺が四苦八苦してた物でも、さすが元日本人。慣れた感じで次々と作業をこなしていった。
「良し、これで大丈夫だと思うぞ。音出ししてみよう」
カチッ。~~♪
「…はぁ、凄ぇ…こんな小さい箱から、庭全体に音が響いてんぞ…綺麗な音だな…」
「ははっ。懐かしいなぁ。結婚式ならではの曲だぞ。定番のメロディだ…」
暫し2人で聞き惚れていたら、何やら興奮したユリウス兄様と、苦笑したセバスが現れた。
「アレクレス、数日、幼稚園の見学をさせて頂きましたが、素晴らしいです!
識字率向上の為に小さい頃から学習させる!その仕組みが素晴らしい!
領地に学園を建てる事に決めましたよ!」
予想していた反応だったから、そこまで驚きはしなかったが、
興奮し過ぎて目が血走ってる姿が珍しく、セバスと一緒に苦笑した。
そのあと、父上をぬいぐるみの中から引っ張り出し、兄上に怒られ項垂れる姿を横目に準備を進め、
夕餉の時刻の少し前に会場の設置が終わった。
「父上、兄上達、ニクス、セバス、ありがとうございました!
円滑に終わらせられたのは、皆の協力のお陰です!
明日は本番です、最高の1日をショウマに贈る為、力を貸して下さい!」
「うむ。ショウくんの為だからな」
「素敵な婚姻式にする為の協力は惜しみませんよ」
「可愛い妖精ちゃんの為だからな」
「任せろ。俺は写真撮りまくってやるよ。ただ、あの衣装に翔馬が発狂しそうだが…」
「私は進行の方を、滞りなくやらせて頂きます。
さあ、早くショウ様の元へ行ってあげて下さい。前夜に喧嘩などなさらぬように願いますよ」
皆それぞれに声を掛けて貰い、頭を下げてから、愛しいショウマの待つ我が家へと向かった。
「ショウマ…っと寝てるか…顔色が悪いな…ちゅっ。それにしても……」
そう呟いて、ベッドの周りをグルっと見回したら、所狭しと散らかる物の数々が目についた。
「こりゃ、ユアゾンで購入した赤ん坊の物かな?小さい服と、帽子は分かるな」
「へー」「ほー」と言いながら、散らかる物を次々と拾い片付けていたら、
明らかに幼児物じゃないだろう品々が出てきた。
「何だコレ?絵の書かれた紙の束…文字より絵が多いな…
あ、もしかして、ショウマの好きなビーエルってやつか?」
そう言って、パラパラと捲っていったら、凄い描写が出て来て思わず凝視してしまった。
「こ、これは…絵でセックスを表現してるのか!こんな卑猥な物語が日本には普通にあるのか……」
暫し集中して見入っていたら、突如背中に重みを感じて、思わずビクッと身体が硬直してしまった。
「アレク、おかえりなさい。お部屋散らかしちゃってごめんね?
あとで片付けようと思ったら寝ちゃったの……」
「あ、ああ!ただいまショウマ。散らかってても片付けるから大丈夫だぞ。
それにしても、この物語は凄いな。これがビーエルってやつだろ?結構卑猥だな」
「え?あー!ご、ごめんね、ユアゾンで検索したら発見してね、思わず買っちゃったの…」
見られて恥ずかしくなり、散らかってる物をイベントリに収納して、
アレクの正面に回り込み、膝に跨り抱きついた。
そして(母親にエロ本見付かった男の子ってこういう心境なのかな?)とそんな事を思っていた。
「謝る必要はないぞ。自由に好きな事して欲しいからな。ちゅっ。
ところで、体調はどうだ?飯は食えそうか?」
「さっき食べたよ…マイキーが持って来てくれたの…アレクのも収納に入ってるから後で食べて」
「くくっ。分かったよ、ちゅっ。寂しかったのか?」
「いや、あ、うん…寂しかった…今日で忙しいの終わった?」
「ああ。終わったよ。ちゅっ。なぁ、明日の朝は少し早めに起きて行きたい所があるんだよ。
行けそうか?歩くの辛いか?」
「近くなら大丈夫かな…(裏庭だよね?)」
「ちょっと遠いかな?教会に行きたいんだよ。
辛かったら抱っこして行くから、付き合ってくれるか?」
「え?教会に行くの?(裏庭じゃないの?)それなら、僕が転移使うよ?」
「それはダメだ。妊娠中は魔法使ったらダメだ。今まで以上に具合悪くなるぞ」
「あ、そうなの?分かった、じゃあ頑張って歩くよ。辛くなったら抱っこしてくれる?」
「ああ、もちろん。ちゅっ、ちゅっ」
その後、暫く口付けを堪能していたんだけど、
「これ以上は不味いな」というアレクの一言で、名残惜しいけど口唇を離した。
そして少しイチャイチャした後、アレクにご飯を出し、食べ終わったあと一緒にお風呂へ入った。
で、いつもの如くムラッとしちゃって、擦り合いっこで気持ち良くなってから、寝室へと戻った。
ベッドに潜り「名前どうする?」「どっちに似てるかな?」「部屋は?」
と、話してるうちに、アレクが夢の世界へと旅立っていった。
寝顔を少し観察したあと、いそいそとイベントリから漫画を取り出し、
「やっぱり、この人の書く漫画好きだなぁ。
この主人公、アレクに似てるんだよねぇ。グッズ売ってないかなぁ」
と、独り言を呟きながら読み進めてるうちに、いつの間にか眠りに就いていた。
そして翌朝、違和感と共に目覚めた僕の目に飛び込んできたのは、
真っ白な部屋に飾られてる、純白のウェディングドレスだった。
「にぃに、おあよ…まんま、いっちょいりゅ」
(分かったよ。ルナ、シーだよ。ママ寝てるからね。起きるまで良い子でいなよ)コソッ
(ちー、ないちょね。ルナ、いーこしゅりゅ)コソッ
(お勉強の時間に迎えくるからね)コソッ
(……べんきょ、ないない、ルナ、ねんね)コソッ
(サボったらダメ、エーアイ先生に怒られるよ)コソッ
(…しぇんしぇ、おこ、こあい、ルナ、ねんね)コソッ
(コラ!ご褒美のイチゴ、オレが食べちゃうよ)コソッ
(ルナ、ちご。にぃに、メッ!)コソッ
耳元で聞こえる、ルナとマイキーの会話が面白くて、暫し聞き入ってたら、
コンコン、とドアをノックする音が響いた。
その数秒後「ショウ様、お子さん達、お目覚めでしょうか?」
と言う声と共に入室してきたのは、フォルティエ家の家令、セバスリンさんだった。
突然の登場にパチッと目が覚め、口をあんぐりと開けたまま呆然としてしまった。
そして、ニコニコと僕達を見つめてる、セバスさんの後ろから顔を覗かせたのは、
コック服に身を包んだ、フォルティエ家の料理人コックドゥさんだった。
その手には、ホカホカと湯気の立つ食事を抱えており、鼻腔を擽るいい匂いが部屋中を満たした。
「ショウ坊、起きたか?厨房借りて飯作ったからよ、腹の子の為にも、ちゃんと食べろよ。
ちびっ子共の分も作ったから下行くぞー」
「え!オレたちの分もあるの!?あ、ショウ兄ちゃん、おはよう。体調は大丈夫?」
「あ、うん。マイキーおはよう。体調は大丈夫だよ…えっと、ご飯食べといで」
「分かった!ルナ行くよ」
「…まんま、おあよ…ルナ、ちらい、ない?」
「可愛いルナちゃん、おはよう。ちゅっ。大好きだよ~!ご飯食べといで、ちゅっ」
そう言って額に口付けをしたら、ニコッと満面の笑みを浮かべたあと、
「にぃに、まっちぇ」と、トタトタ走ってマイキーを追い掛けて行ったのを微笑ましく見ていた。
そして、一瞬の静寂のあと「えええ!今更だけど、なんで2人共いるのぉお!」と叫んだ僕に、
「ほっほっほ。ショウ様とアレクレス様にお会いしたく、足を運びました」
と、丁寧に頭を下げながら告げてきた。
吃驚したけど、大好きなフォルティエ家の面々に会えるのは嬉しくて、
食欲は無かったんたけど、手料理が嬉しくて、ペロッと完食した。
そのあと、少しセバスさんと談笑し「幼稚園を見学してきますね」と立ち上がったので、
「今日は体調良いし、幼稚園の案内します!」と意気揚々と伝えたら、
「ショウ様、ご無理なさらず安静にしていて下さい。顔色が悪いままで御座いますからね。
明日の為にも、今日は大人しくしていて下さい」
そう言いながら布団を掛け直され「では」と呟き部屋を出て行くのを黙って見送った。
「ふふふ。聞いた?天使ちゃん。明日何が起こるんだろうねぇ…
アレクが…パパがね、僕の為に考えて何か準備してくれてるんだよぉ?凄く幸せ、凄く嬉しい…」
そう喋り掛けながら、お腹を撫でていたら、感極まって喜びの涙が流れ落ちた。
「はぁ。最近ね、涙腺が弱くなっちゃってね…泣いてばっかりなんだぁ…
悲しみの涙じゃなくて、喜びの涙なんだけどね。泣きすぎて干からびたら大変だね。クスクス」
「……それにしても暇だなぁ。名前を考えるのは後にしてぇ、本でも読んであげようかな…」
その頃アレクレスは、翌日に控えた結婚式の為に、
運命神から貰った贈り物を設置する作業に四苦八苦していた。
「アレクレス!手伝いに来た…って、それ音響設備だよな。
凄いな、翔馬にネットで出して貰ったのか?」
「お、ニクス!助かったぜ…日本の技術は凄いけど、設置するのが大変だよ。ははっ。
愛と運命の神が、結婚式の為に贈ってくれたんだけどな…何に使うか分かんねぇ物ばっかりなんだよ」
そう言って指さした場所には、イベントリに入ってた、何に使うのか分からない物が転がってた。
「え、ココに転がってる品々を貰ったのか?
(ミラーボールとクラッカー、ピンクに光るムーディライトか?何のパーティだよ!)」
「ああ。それと空気を入れて膨らます“ふうせん”と、大量の“ぬいぐるみ”だな。
あと、“枯れない花“と、“ろうそく”、“天使の像”」
「ほぉ、凄いな…ぬいぐるみって、動物だけじゃないんだな。ははは!
翔馬が好きな、BLのキャラクターも混じってんのかな?結婚式ってより、推しの会合みたいだな」
「“ビーエル“ってのは、ショウマが好きな、男同士の恋愛物語だったか?
好きな物に囲まれた結婚式なら喜んでくれるよな…」
「翔馬の一番好きな物って、物品じゃなくて人だと思うから、皆に祝われる事が何より嬉しいんじゃねぇか?」
そう言われて(それなら良いんだが……)と不安になってた心が、少し晴れた気がした。
「……ところで、お父上は何をやっているんだ?」
訝しげに父上へ視線を向けたニクスに釣られて、目線をその方向に向けたら、
動物のぬいぐるみに埋もれて微睡んでる姿を捉えた。
「…ニクス、見なかった事にしよう。そっとしとこう。大きいぬいぐるみだと思っとこう」
そう言って、2人で無言で頷き合い、音響設備の設置に取り掛かった。
俺が四苦八苦してた物でも、さすが元日本人。慣れた感じで次々と作業をこなしていった。
「良し、これで大丈夫だと思うぞ。音出ししてみよう」
カチッ。~~♪
「…はぁ、凄ぇ…こんな小さい箱から、庭全体に音が響いてんぞ…綺麗な音だな…」
「ははっ。懐かしいなぁ。結婚式ならではの曲だぞ。定番のメロディだ…」
暫し2人で聞き惚れていたら、何やら興奮したユリウス兄様と、苦笑したセバスが現れた。
「アレクレス、数日、幼稚園の見学をさせて頂きましたが、素晴らしいです!
識字率向上の為に小さい頃から学習させる!その仕組みが素晴らしい!
領地に学園を建てる事に決めましたよ!」
予想していた反応だったから、そこまで驚きはしなかったが、
興奮し過ぎて目が血走ってる姿が珍しく、セバスと一緒に苦笑した。
そのあと、父上をぬいぐるみの中から引っ張り出し、兄上に怒られ項垂れる姿を横目に準備を進め、
夕餉の時刻の少し前に会場の設置が終わった。
「父上、兄上達、ニクス、セバス、ありがとうございました!
円滑に終わらせられたのは、皆の協力のお陰です!
明日は本番です、最高の1日をショウマに贈る為、力を貸して下さい!」
「うむ。ショウくんの為だからな」
「素敵な婚姻式にする為の協力は惜しみませんよ」
「可愛い妖精ちゃんの為だからな」
「任せろ。俺は写真撮りまくってやるよ。ただ、あの衣装に翔馬が発狂しそうだが…」
「私は進行の方を、滞りなくやらせて頂きます。
さあ、早くショウ様の元へ行ってあげて下さい。前夜に喧嘩などなさらぬように願いますよ」
皆それぞれに声を掛けて貰い、頭を下げてから、愛しいショウマの待つ我が家へと向かった。
「ショウマ…っと寝てるか…顔色が悪いな…ちゅっ。それにしても……」
そう呟いて、ベッドの周りをグルっと見回したら、所狭しと散らかる物の数々が目についた。
「こりゃ、ユアゾンで購入した赤ん坊の物かな?小さい服と、帽子は分かるな」
「へー」「ほー」と言いながら、散らかる物を次々と拾い片付けていたら、
明らかに幼児物じゃないだろう品々が出てきた。
「何だコレ?絵の書かれた紙の束…文字より絵が多いな…
あ、もしかして、ショウマの好きなビーエルってやつか?」
そう言って、パラパラと捲っていったら、凄い描写が出て来て思わず凝視してしまった。
「こ、これは…絵でセックスを表現してるのか!こんな卑猥な物語が日本には普通にあるのか……」
暫し集中して見入っていたら、突如背中に重みを感じて、思わずビクッと身体が硬直してしまった。
「アレク、おかえりなさい。お部屋散らかしちゃってごめんね?
あとで片付けようと思ったら寝ちゃったの……」
「あ、ああ!ただいまショウマ。散らかってても片付けるから大丈夫だぞ。
それにしても、この物語は凄いな。これがビーエルってやつだろ?結構卑猥だな」
「え?あー!ご、ごめんね、ユアゾンで検索したら発見してね、思わず買っちゃったの…」
見られて恥ずかしくなり、散らかってる物をイベントリに収納して、
アレクの正面に回り込み、膝に跨り抱きついた。
そして(母親にエロ本見付かった男の子ってこういう心境なのかな?)とそんな事を思っていた。
「謝る必要はないぞ。自由に好きな事して欲しいからな。ちゅっ。
ところで、体調はどうだ?飯は食えそうか?」
「さっき食べたよ…マイキーが持って来てくれたの…アレクのも収納に入ってるから後で食べて」
「くくっ。分かったよ、ちゅっ。寂しかったのか?」
「いや、あ、うん…寂しかった…今日で忙しいの終わった?」
「ああ。終わったよ。ちゅっ。なぁ、明日の朝は少し早めに起きて行きたい所があるんだよ。
行けそうか?歩くの辛いか?」
「近くなら大丈夫かな…(裏庭だよね?)」
「ちょっと遠いかな?教会に行きたいんだよ。
辛かったら抱っこして行くから、付き合ってくれるか?」
「え?教会に行くの?(裏庭じゃないの?)それなら、僕が転移使うよ?」
「それはダメだ。妊娠中は魔法使ったらダメだ。今まで以上に具合悪くなるぞ」
「あ、そうなの?分かった、じゃあ頑張って歩くよ。辛くなったら抱っこしてくれる?」
「ああ、もちろん。ちゅっ、ちゅっ」
その後、暫く口付けを堪能していたんだけど、
「これ以上は不味いな」というアレクの一言で、名残惜しいけど口唇を離した。
そして少しイチャイチャした後、アレクにご飯を出し、食べ終わったあと一緒にお風呂へ入った。
で、いつもの如くムラッとしちゃって、擦り合いっこで気持ち良くなってから、寝室へと戻った。
ベッドに潜り「名前どうする?」「どっちに似てるかな?」「部屋は?」
と、話してるうちに、アレクが夢の世界へと旅立っていった。
寝顔を少し観察したあと、いそいそとイベントリから漫画を取り出し、
「やっぱり、この人の書く漫画好きだなぁ。
この主人公、アレクに似てるんだよねぇ。グッズ売ってないかなぁ」
と、独り言を呟きながら読み進めてるうちに、いつの間にか眠りに就いていた。
そして翌朝、違和感と共に目覚めた僕の目に飛び込んできたのは、
真っ白な部屋に飾られてる、純白のウェディングドレスだった。
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※表紙はAI作成です
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