あちらの悪役令嬢は、前世が猫だったようです。

藤 都斗(旧藤原都斗)

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そうですか

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 はああああああああああ???


 「くぼぁ!?セン!何をする!?」
 「いや、だって、はあああ?、いやいや、はああああああ?」

 はああああああああああああぁぁぁああ??

 えっ、だってそれ、はああああああああああああああああああぁぁぁあ???

 王子もといクソ男がなんか言ってるけど、そっと丁寧にクロを横に降ろしてから、襟首を掴んで殴る。
 ガッスガス殴る。

 「ぐへっ、ちょ、痛い!セン!やめ!へぶっ!」

 周りの人達の目も冷め切り、もはや絶対零度のブリザードである。仕方ないね。

 自分が望んでて忘れてるとか最低すぎひん?、そんなん出来ひんやん普通、ゆっといてや出来るんやったら。
 いや別に言わなくて良いけど。

 あ、でもやっぱり言っといて欲しいか。
 だってこんな無能だと分かってたら第二王子か第三王女に乗り換えられたもん。
 完全に今まで王子に費やした時間無駄にしたよ。

 「王子殿下、いくらなんでもそれは、無いと思います」
 「さすがにちょっと、うん、最低かな」
 「ちょっとびっくりしたけど、うん、やっぱり最低だね」

 眼鏡と双子もさすがに反論出来なかったらしい。仕方ないね。ドン引きだよね。

 「......で、でも、それだけ私の事を好きになってくれたって事なんですよね」

 エトワール嬢が頑張ってフォローに回ったけど、顔が引きつってるのは仕方ないかもしれない。

 「ぐふっ、貴様ら!ぶほっ、いい加減に、がふっ、やめさせ、おぶっ」

 あ、やべ、余りの腹立たしさに殴り続けてたわ。やっべー、まじやっべー、俺死んだかな?
 しっかし美麗な顔面が腫れて台無しだね、プスー。

 「リクドウインの倅、そろそろ」
 「はっ、申し訳ございません」

 王様に止められたので、しぶしぶ手を離す。
 すると、どべしゃ、と音が聞こえたので王子が床に落ちたんだと思う。
 俺は礼儀正しく王様の足元にひざまずいてるので見えなくて当たり前である。

 ​「...よい、殴られる程に酷い仕打ちをしたのだ、少しは頭が冷えただろう」

 「......手を出した私が全面的に悪いのです、この罪は如何様にして頂いて構いません」
 「不問とする、余も殴りたいと思った所だ」

 王族を殴るという暴挙を仕出かしたにも関わらずに、王様はめっちゃ心の広い事を言ってくれた。
 本当なら投獄されて処刑されても仕方ない位にはヤバい事なのに、と考えた所で、ふと気付く。
 なるほど、俺の行動を咎めると王家に対する不信感が沸くからか、と。

 結局の所、公爵令嬢が前世返りした事で今回の件は冤罪の可能性しか見えなくなった。
 貴族の代表とも呼べる令嬢がここまでコケにされて、キレない貴族は居ないだろう。
 王家は貴族を大事にしません、って言ってるのと同義だもんな。

 まあ、今回俺が動く事で俺の実家はちょっと面倒な事になったかもしれないけど、仕方ないじゃん殴りたかったんだもん。
 それに俺が殴らなかったらこのままだときっと反乱起きてただろうしな。
 王家としてはもうここで王子を切り捨てて、俺と公爵令嬢の味方になった方が安全だと判断したのかもしれない。
 仕方ないね。
 
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