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それじゃあどうしたい?
しおりを挟む声が聞こえる。
聞いた事が無いけど、でもどこかで聞いたような、不思議な声。
分からないけど、その声は凄く寂しそうだった。
───────あなたはどうして、あの人を信じる事が出来るの?
あたしは答える。
...だって、昔から知ってるもの。
───────どうして?、裏切られるかもしれないのに。
悲しそうで、寂しそうな、声。
...あの子はそんな子じゃないよ。
───────本当に?、だって私は裏切られたのよ?
...あんたはあんた、あたしはあたし。
───────だけど、裏切られて辛い思いをするのはあなたよ?
...あんたにあの子の何が分かるの?
───────え?
...あんたは、何を怖がってるの?
───────だって、私、分かるのよ、きっとまた裏切られるって。
...分かるって、あんた何も分かってないじゃないの。
───────そんな事ないわ、みんなみんな、裏切るのよ。
...分かってないよ、ニンゲンには色んなのが居るんだから。
───────でも、きっとまた裏切るわ、友達だと思ってた人も、大事にしてた人も、皆、私が嫌いになってしまったもの。
...話になんないね。
あんたはそうやって閉じこもってるといいよ、あたしはあの子と行くから。
───────どうして、そんなに信じられるの?
...またそれ?
───────ねぇ、教えて、どうしてなの?
...タカユキは、あたしと同じだから。
───────同じ?
...そう、同じ。
───────何が同じなの?
...何って、全部だよ。
あの子には、あたししか居ないの。
───────ほんとうに?
...当たり前よ。
───────必要とされてるの?
...あの子は、あたしがそばにいないと何も出来ない子なの。
それから、あたしも、あの子が居ないとダメな女なの。
ほら、同じでしょ?
───────でも、きっとまた裏切るわ。
...ホントに臆病な子ね、いいわ。好きにしなさい。
───────え、でも、私は。
...あんたは何がしたいのか、閉じこもって考えなさい。
あたしはあたしの思うように進むだけ。
だからあんたも好きなようにしなさいな。
───────いいの?
...言ったでしょ?
あんたはあんた、あたしはあたし。
───────.........私もいつか、信じられるかな?
...知るわけないじゃないそんなの。
───────それもそうね。
...あんたが信じられなくても、あたしはあの子を信じられる。
外は怖いし、他のニンゲンも怖いし、怖い事ばっかりなんだから、今はそれでいいのよ。
───────あなたは、本当にそれでいいの?
...細かい事気にしたって、仕方ないのよ。
全く、世話の焼ける子がこんな所にも居るなんて。
仕方ないわね、じゃあこうしなさいな。
あんたはあたしを信じなさい。
───────......あなたを?
...まずはそこからよ、それでもあたしが信じられなかったら、自分を信じるの。
階段は、一段ずつ上がったり下がったりするもんでしょ、それと一緒よ。
出来ないことをしようとするからそうなるの。
───────でも、私頑張ったのよ、凄く頑張ったの。これ以上は無理よ。
...だったらなんで休まないのよ、そんなんじゃビョーキになっちゃうでしょ!
───────でも、わたし、
...いいから寝なさい!そんなんだから出来ることも出来なくなるのよ!ニンゲンっていつもそう!
後でいっつもあぁしとけば良かったこうしとけば良かったって落ち込むんだから!
───────そんなこと、初めて言われたわ。
その子は、そこで初めて笑ってくれたような気がした。
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