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そうなの?
しおりを挟むタカユキは、アタシにとって大事な子。
昔から危なっかしくて世話が焼けるけど、優しくて、暖かい子。
体が大きいのに頭が悪くて、いつも的外れな事をしちゃうけど、それでもアタシの事が大好きだって全力で行動してくれる。
だからアタシも、タカユキにそれを返すの。
タカユキが長く喋れば喋る程、何を言ってるのかアタシには全然分からないけど、『好き』と『ごはん』と『ダメ』と『いい子』は分かるの。
タカユキはアタシの事を子供みたいに思ってるのかもしれないけど、アタシからするとタカユキの方が子供なのよ。
大きくなっても世話の焼ける、可愛い子なの。
───────ねぇ、それって、好きってこと?
好きじゃなかったら一緒にいないでしょ?
───────そうじゃなくて、もっとこう、恋愛感情みたいな、そういう意味で。
レンアイ、って何?
───────うーん、そうだなぁ、一緒に居てドキドキしたり、嬉しくて泣きそうになったりする気持ちよ。
よくわからないわ。
それってどういう時になるの?
───────好きで好きでしょうがなくて、どうしようもない時ね。
ふぅん。
そうなんだ。
───────今は分からないかもしれないけど、あなたならきっといつか、分かると思うの。
アンタは?
───────私?
そう、アンタはそんな気持ちになったことあるの?
───────あるよ。
そうなの。
───────だけど、私はその人に嫌われちゃったから。
ふぅん。
そいつ見る目無いわね。
───────え?
だって、こんな優しい子、大事にしないなんて馬鹿じゃない。
───────どうして?
アンタはアタシから見てもいい女なのに、それに気付いてない奴なんてそれまでの奴よ。
───────本当に大事で、好きな人だったのよ、何も知らないくせに酷いこと言わないで!
そりゃあアタシはアンタの事知らないわ。
───────だったら、適当な事言わないでよ!
適当な訳無いでしょ、話は最後まで聞きなさい。
───────あなたに私の何が分かるっていうの!
分かるわよ、アンタは、アタシと一緒なんだから。
───────あなたと私の、どこが一緒だっていうの!あなたは人を信じられてる!大事な人が居て、大事にして貰えてる!全然違うわ!
あぁもう、本当に世話の焼ける子ね。
それはアンタの見た世界でしょ。
もう少しちゃんと見なさい。
───────何を見ろっていうのよ!幸せそうなあなたを見て、私は嫉妬で醜くなってる!惨めなだけよ!
人間ってホントに視野が狭いのね。
よく見なさいな。
タカユキは、アタシを見てないわ。
───────え?
あの子はね、現実が全く見えてないのよ。
アタシを大事にして、可愛がって、大切にしてるけど、それだけ。
誰も見てないし、見えてない。
───────どうして、そんな事が分かるの?
分かるわよ、生まれた時から見てきたんだから。
だけどアタシは、それでいいと思ってる。
───────何故?
タカユキが大事だからよ。
あの子は馬鹿だけど、それが分からない子じゃない。
だからアタシは、あの子がちゃんと見れるようになるまで待つつもりよ。
───────本当にそれでいいの?
いいのよ。
だって、アタシは...───────
「クロちゃん?どしたの?」
「にゃあん」
「なぁに今日は甘えん坊さんなの!?もうクロちゃん!可愛いいいい!!」
わしゃわしゃと頭を撫でてくれるタカユキの掌に頭を押し付ける。
すると、タカユキは嬉しそうな顔で笑う。
それだけで胸の辺りがあったかくなるから、それでいい。
タカユキが大好きだから、自分できっと気付いてくれるはずだから。
...でも、あんまり待たせるようなら、怒ろうかな?
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