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第14羽 復讐の連鎖
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生まれ変わりってもすぐに記憶は戻らず、空を飛べるほど成長した時点で戻るという。
そして話は人間時代の話になった。
妻と子供が三人いたこと、留守中敵対している部族に子供が殺され妻も重症を負ったこと、復讐に乗り込んだが逆に何丁もの銃で撃ち殺されたこと。
カラスになり、敵対部族に復讐を開始したこと。
《五人殺した、皆殺しにするつもりだった。だが長年憎みあうのでルガバが怒った、まあ神の怒りだと互いの部族長が話し合い、敵対関係は終結した。知った顔や妻が敵対部族の連中と抱き合っているのを見たときは気が狂いそうだったよ》
カラスは自嘲するように澄んだ短い声で二度鳴いた。
《やるべきことを失い、何度死んで生まれ変わったか。そして気付けばここにいる、といったところだ。ああ、すまなかった、これからが本題だ》
悠の前を小学生くらいの少年の手を繋いだ若い女性が通り過ぎ、駐車場へ歩いていったが照明灯のカラスに気付くと、リアウィンドーにヌイグルミがぎっしり並ぶ軽自動車に小走りで駆け寄り、少年を後部座席に押し込むと自らも運転席にそそくさと乗り込むのが見えた。
《いつから人間がカラスに転生するようになったかは誰も知らない。だが、ここ数年の増え方は尋常ではない。そして、それと共に私のような目的を失った連中も大勢増えた。こんな話を耳にした。私のような連中と本来の目的を持った連中がふとしたことで争いになり、ほぼ双方全滅したそうだ。そして、お互い争って死んだ連中の転生した姿は見たことがないというのだよ》
悠はごくりと唾を飲み込んだ。
《私が思うに浄化作用なのかも知れない。この世の人智を超えた何かが病を患い、復讐という名のカラスが生まれ、その病が重症化し点滴のようなものを受けて私たちのような変化したカラスを発生させた。陰と陽、プラスとマイナス、ひとつの予定調和なのかもね》
退屈な講習を黙って聞いていたような悠がぽつりと頭の中でつぶやいた。
《人を馬鹿にしている》
同情してくれた者に対する感謝を込めた、それと寂しげな響きを含めた「ふっ」という笑い声をカラスは吐き出した。
《世界各地で同志達が浄化計画を予定している、もうすぐここでもね。人間達は何故カラス達が同士討ちを始めたのかわからないだろう。早く輪廻の輪から抜け出したいのが一番の理由だが、復讐の連鎖を終わらせたいという思いもある。お譲さんに伝えたいのはそこだ。誰かにそのことだけは伝えたかったんだ》
今に始まったことではないが、悪い夢だと悠は思いたかった。知ったところで何になる?
といったところで、これ以上カラスの、自分とは違う世界のことは知りたくなかった。
早く迎えに来た琴音の車に乗り込み、中島美嘉の曲が流れる心地よい車内でシートに体を預けたかった。
そして話は人間時代の話になった。
妻と子供が三人いたこと、留守中敵対している部族に子供が殺され妻も重症を負ったこと、復讐に乗り込んだが逆に何丁もの銃で撃ち殺されたこと。
カラスになり、敵対部族に復讐を開始したこと。
《五人殺した、皆殺しにするつもりだった。だが長年憎みあうのでルガバが怒った、まあ神の怒りだと互いの部族長が話し合い、敵対関係は終結した。知った顔や妻が敵対部族の連中と抱き合っているのを見たときは気が狂いそうだったよ》
カラスは自嘲するように澄んだ短い声で二度鳴いた。
《やるべきことを失い、何度死んで生まれ変わったか。そして気付けばここにいる、といったところだ。ああ、すまなかった、これからが本題だ》
悠の前を小学生くらいの少年の手を繋いだ若い女性が通り過ぎ、駐車場へ歩いていったが照明灯のカラスに気付くと、リアウィンドーにヌイグルミがぎっしり並ぶ軽自動車に小走りで駆け寄り、少年を後部座席に押し込むと自らも運転席にそそくさと乗り込むのが見えた。
《いつから人間がカラスに転生するようになったかは誰も知らない。だが、ここ数年の増え方は尋常ではない。そして、それと共に私のような目的を失った連中も大勢増えた。こんな話を耳にした。私のような連中と本来の目的を持った連中がふとしたことで争いになり、ほぼ双方全滅したそうだ。そして、お互い争って死んだ連中の転生した姿は見たことがないというのだよ》
悠はごくりと唾を飲み込んだ。
《私が思うに浄化作用なのかも知れない。この世の人智を超えた何かが病を患い、復讐という名のカラスが生まれ、その病が重症化し点滴のようなものを受けて私たちのような変化したカラスを発生させた。陰と陽、プラスとマイナス、ひとつの予定調和なのかもね》
退屈な講習を黙って聞いていたような悠がぽつりと頭の中でつぶやいた。
《人を馬鹿にしている》
同情してくれた者に対する感謝を込めた、それと寂しげな響きを含めた「ふっ」という笑い声をカラスは吐き出した。
《世界各地で同志達が浄化計画を予定している、もうすぐここでもね。人間達は何故カラス達が同士討ちを始めたのかわからないだろう。早く輪廻の輪から抜け出したいのが一番の理由だが、復讐の連鎖を終わらせたいという思いもある。お譲さんに伝えたいのはそこだ。誰かにそのことだけは伝えたかったんだ》
今に始まったことではないが、悪い夢だと悠は思いたかった。知ったところで何になる?
といったところで、これ以上カラスの、自分とは違う世界のことは知りたくなかった。
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