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第1章 最悪の第一印象
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「おう」
「こんなところで、何、派手にやらかしてんのよ」
うわ、さすが沙織先輩。鬼沢相手にどうどう渡り合ってるって、あたりまえか。同期なんだから。
「飲み屋で二言、三言、口きいたらあっちが勝手についてきて、お前みたいなネジがゆるんだような女と寝る気はないと言ったらブチ切れた」
「呆れた。もう、いい年なんだから。いいかげん落ち着けば」
沙織先輩は腰に手を当てて、鬼沢を睨みつけた。
「おお、怖え。女も30すぎると怖いもんなしだな」
「何言ってんのよ。この、ハラハラ男」
「なんだ、そのハラハラってのは」
「パワハラ、セクハラなんでもござれの化石燃料なみに時代遅れな男のこと!」
「化石だったらそっちのことだろうが。そのうち、どんな野郎にも相手にされなくなるぞ」
お酒が入ってることもあって、2人の言い合いはエスカレートし始めた。
「せ、先輩。行きましょう。注目集めてますよ」
遠慮がちに声をかけると、木沢ハラハラ彰吾はわたしに視線を移した。
「明日、面白がって会社で言いふらすなよ、辻本花梨」
そう言い捨てると、じゃあなと一言残し、去っていった。
えっ?
な、なんで?
なんで鬼沢がわたしのフルネーム、知ってるの~⁉︎
……思えばこれが、受難の日の訪れを告げる前触れだったのだ。
翌朝、出社すると掲示ボードの辞令に人だかりが出来ていた。
「あっ、主役のご登場だ。花梨、ご愁傷様。ブランディング戦略部に異動だって」
先に来ていた同僚の優実が、教えてくれた。
ブランディング戦略って……
ちょっと待って。
鬼沢の率いてる部じゃん!
ひ、ひえー! 聞いてないって。
「こんなところで、何、派手にやらかしてんのよ」
うわ、さすが沙織先輩。鬼沢相手にどうどう渡り合ってるって、あたりまえか。同期なんだから。
「飲み屋で二言、三言、口きいたらあっちが勝手についてきて、お前みたいなネジがゆるんだような女と寝る気はないと言ったらブチ切れた」
「呆れた。もう、いい年なんだから。いいかげん落ち着けば」
沙織先輩は腰に手を当てて、鬼沢を睨みつけた。
「おお、怖え。女も30すぎると怖いもんなしだな」
「何言ってんのよ。この、ハラハラ男」
「なんだ、そのハラハラってのは」
「パワハラ、セクハラなんでもござれの化石燃料なみに時代遅れな男のこと!」
「化石だったらそっちのことだろうが。そのうち、どんな野郎にも相手にされなくなるぞ」
お酒が入ってることもあって、2人の言い合いはエスカレートし始めた。
「せ、先輩。行きましょう。注目集めてますよ」
遠慮がちに声をかけると、木沢ハラハラ彰吾はわたしに視線を移した。
「明日、面白がって会社で言いふらすなよ、辻本花梨」
そう言い捨てると、じゃあなと一言残し、去っていった。
えっ?
な、なんで?
なんで鬼沢がわたしのフルネーム、知ってるの~⁉︎
……思えばこれが、受難の日の訪れを告げる前触れだったのだ。
翌朝、出社すると掲示ボードの辞令に人だかりが出来ていた。
「あっ、主役のご登場だ。花梨、ご愁傷様。ブランディング戦略部に異動だって」
先に来ていた同僚の優実が、教えてくれた。
ブランディング戦略って……
ちょっと待って。
鬼沢の率いてる部じゃん!
ひ、ひえー! 聞いてないって。
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