苺の誘惑 ～御曹司副社長の甘い計略～

第３章 とまどい？ ときめき？ ルームシェア

５

「事務所からもらったデータに合わせたから、サイズは問題ないと思うけど、もし合わないようなら、遠慮なく言って」

「えっ、もしかして……」

「きみ用に揃えさせたものだよ。趣味に合わないかもしれないけど、それはすこし我慢してもらえるかな。店の人にきみの写真を見せてイメージに合うものを選んではもらってはあるけどね」
　
　ひえー！　わたし用なの？　これ、全部！

　わたしが驚いてあわあわしているうちに芹澤さんはもう部屋から出ようとしていた。

　次に案内されたのは、トレーニング・ルーム。

　そっか、エグゼクティブは体調管理も仕事の内だって言うから……あれ、でも、マシーンが全部新品みたいだけど、まさか……

「この先、たぶん忙しくて、なかなか外に出られないと思うから、運動不足解消に使ってもらおうと思って。でも、どれも家庭用のマシーンだから、たいした機能はついてないよ」

「えっ、これもわたしのために揃えていただいたんですか？」

「そうだよ。ぼくは会社のフィットネス・ルームに行けるから」
　芹澤さんはいとも平然とのたまった。