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第4章 レッスン始まる

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 どれもこれも、本当に美味しそう。

 わ、あのフルーツ・パフェ、食べたい!

 いや、ダメダメ。
 セーブしないと、こんな環境に居たら、あっという間におデブ街道まっしぐらだ。

 ただでさえ、“あのイケメンにふさわしい美女に変身”なんて無理がある話なのに、その上、おデブになってしまったら、とんでもない話だ。

 帰る前に広場にも回ってみた。

 ニシキ鯉が優雅に泳ぐ小川が引かれ、水辺の風情も楽しめる和の趣きのある広場だ。

 広場の突きあたりには舞台が設えられており、定期的に伝統芸能の公演が開催されたり、また季節ごとに、夜桜見物や蛍の鑑賞会、月見の会なども催されるらしい。

 そのなかで一番目を惹くのは、この広場のシンボルツリー、枝垂れ桜の巨木。

 満開になったらお花見したいな。
 もし芹澤さんと来られたら、最高なんだけど……
 それは無理だろう、きっと。

 こうしてサニーヒルズ・ビレッジをゆっくり歩いてみて、改めて思う。

 なんて贅沢な場所にいるんだろう、と。

 占い師さんに感謝しなければ。
 その人が芹澤さんにアドバイスしなければ、わたしが今、こうして、この場所を歩いていることさえなかったのだから。
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