苺の誘惑 ～御曹司副社長の甘い計略～

第４章 レッスン始まる

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「その石はガーネットなんだって物事を成功に導いてくれる石なんだって。だから、今回の計画がうまく行くように身につけてもらえたら嬉しいな。それに、その赤、ぜったいエリカに似合うと思ってね。パーティーのドレスもそれに合わせて作らせるよ」

　戸惑うわたしに構わず、芹澤さんは「ねえ、つけてみてよ」と無邪気に急かしてくる。

「じゃあ……」

　肩にかかる髪の毛を片側にまとめ、チョーカーを持つ手を後ろに回した。

　でも何しろ年代物なので留め金の形状が今のものとは違って、なかなか留められない。

「貸してごらん」

　そう言って、彼がわたしの後ろに回って留めてくれた。
　その手がかすかに首筋に触れた瞬間、胃がぐっと締めつけられるのを感じた。

「思ったとおりだ。よく似合うよ」

　芹澤さんは満足そうにわたしを見つめた。
　その瞳の輝きにつられて、わたしも彼を見つめてしまう。

　一瞬、眼差しが交差する。
　まずい。

　わたしはすぐに目をそらし、ごまかすように「ありがとうございます」と早口で礼を言った。

「今週末にでも、ドレスを作りに行かないとね」
　戸惑いから立ち直れないまま、上の空で返事していた。

「はい、わかりました。じゃあ、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」