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第一章 勇者と魔王
第1話 勇者は魔王城へ
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魔王城は石畳のずっと遠くで、辺りから騒ぎを聞きつけた魔族たちが現れ始めた。忌まわしい黒い髪とその間から生えたねじれた角が、彼らを人とは違う異質なものだと感じさせる。
「だが、俺の髪も黒いな。ははは。化け物と同類か……」
このどうしようもない現実に、ついつい愚痴がこぼれだすのはしかたがないだろう。俺は改めて大剣を正面に構えてから、足元に充分な魔力を注いだ。
キンッ!
強化された足でのめいっぱいの高速移動は、いつも耳に負担をかける。キーンとうっとおしい耳鳴りはもう慣れたものだ。音は聞こえにくいが気にもせず、進路上の魔族を数人切り捨てて、そのまま振り返りもせずに城の中へと侵入した。後方ではタイミングが合わなかった魔法がいくつもさく裂して、石畳や木々を吹き飛ばしている。
魔族は人族よりも魔法が得意だ。しかし人族よりもずっと数も少ない彼らは、個人主義というのだろうか、あまり組織立って攻撃してこない。バラバラの攻撃は俺の高速移動に攪乱され、ただのひとつも当たりはしない。
城の中に侵入してしまえば、ますます俺の独壇場だ。
「何者だ!」
「亜人か!虫けらのくせに」
叫ぶ魔族のセリフがキーンという耳鳴りと一緒に頭に響いた。魔族は俺たち人族の事を亜人と呼び、魔力が少ないことを馬鹿にしている。そう。混ざり者と呼ばれる奴隷の俺までも、魔族から見れば亜人という同じ括りなのだ。それがなんだか可笑しくて、俺は笑いながらその場を駆けた。
黒髪の俺たち一族は、黄金の髪を持つ人族からは忌み嫌われている。混ざり者、魔族の眷属とみなされ、見つかれば捕まり、奴隷として売られる。その中でも戦うのが得意な者は鍛えられ、剣闘士として見世物になり、ある程度以上の強さがあれば、こうして俺のように魔王城へと刺客として送り込まれるのだ。
城を出る時は、国民に向けて大々的に遠征をアピールされる。混じり者は金髪に見える幻影をかけられ、人族の勇者として大勢の人々に見送られる。国民はみな、大喜びだろう。
勇猛な勇者一行はしかし、魔国に入れば身を隠し無駄な戦いを避けてただただ奥地へと進む。その為の少人数編成だ。そして最後に奴隷である勇者だけを魔王城に放り込めば、あとはその魔王城での戦いは適当にでっちあげ、壮絶な最後も大げさに語り、歴代の勇者と並んで肖像が掲げられる。似ても似つかない金髪碧眼の美男子となって。そして主人である貴族には、褒賞が渡されるのだ。
そんな遠征が何度も行われたということは、魔王城に入った歴代勇者は、さぞかし死に物狂いで戦ってきたのだろう。戦わなければ自分が殺される。そしてもし魔王を倒せば、褒賞は自由の身。だが……。
ひたすら足に魔力を注ぎ、速さだけを追求し、城の階段を三段飛ばしで上へと向かう。これまで何度もあった勇者の来襲に備えて、戦えるよう場を整えている一階の大広間。それに対して上の階は磨き上げられ、豪奢に飾られている。今までの勇者はここまでは上がってこなかったのだろうか。
さすがに豪華な調度品や壁や床の被害を思うと、魔族たちも手が出しにくいとみえる。こちらに打ち込んでくる炎や氷の魔法の数がぐっと減った。それでもいくつかは飛んでくる氷の魔法の、そのうちのひとつを力技で剣で打ち払えば、氷の礫が壺に当たりガシャンと大きな音をたてて壊れた。ひっと息をのむ声がいくつも聞こえる。
たかが調度品のいくつかの為に、明らかに動きの鈍った魔族たち。所詮魔族といえど、人族と同じようなものなのかもしれない。人族の王城の調度品を思い浮かべて、あれが割れた時の王侯貴族の反応を想像すれば、こんな先のない戦いの場ですら、笑いがこみあげてくる。
二階の豪華で広い謁見の間のような場所から、さらに上に向かう一番広い階段を上る。それはいかにも玉座へと続いているように見えるのに、ここにきて魔族たちの攻撃の手は明らかに弱まった。しかも行く手を阻む様子もなくなり、逆に後ろから追い立てられるように前へ、上へと進まされる。
最初は先程と同じように、城の中を荒らされるのを恐れてかとも思ったが。
「これは……罠に嵌ったかな」
だが走る今更スピードを緩めるわけにもいかない。追い立てられるように大きなドアの前に立ち、力を込めて押した。それは見上げるほど大きな扉であるにもかかわらず、音もなくスッと開き、飛び込んだ俺の後ろでまた音もなく閉まった。
誰も追ってはこない。扉に手をかけると、今度はピクリとも動かない。
「閉じ込められた……のか。……そうか。ここが俺の最後の戦場か」
「ほほう、たった一人でここまで上がって来るとは。今回の勇者が見事なのか、それとも魔族のカスどもが情けないのか」
広間に澄んだアルトの声が凛と響いた。玉座から立ち上がったのは、一人の美しい少女だ。まだ成長途中らしきすらっと伸びた身体は、俺の肩ぐらいの身長だろうか。魔族にはとても見えない真っ白い髪を腰まで流して、魔族の角を模したきらびやかな黄金の冠を付けている。シンプルな赤いドレスは動きやすいミニ丈で、身体に似合わぬ大きなハルバードを手にして、俺の目をしっかと見据えた。
「おや、そなた……森の民か」
「森の民?なんだそれは。確かに俺たちは昔、森に隠れ住んでいたが」
「ふふふ。森の民は草原の民に飼われて己が起源も忘れたのか。情けなや。とはいえ、私もまた同じ囚われの身」
少女は玉座からひらりと飛び降りて、ふーっと大きく息をつくと、その赤い瞳を細めてにーっと笑った。
「我等のどちらかの囚われの時が、これで終わる。悔いなく戦え!」
少女のハルバードが風を切り唸り声をあげて、俺に襲い掛かってきた。
「だが、俺の髪も黒いな。ははは。化け物と同類か……」
このどうしようもない現実に、ついつい愚痴がこぼれだすのはしかたがないだろう。俺は改めて大剣を正面に構えてから、足元に充分な魔力を注いだ。
キンッ!
強化された足でのめいっぱいの高速移動は、いつも耳に負担をかける。キーンとうっとおしい耳鳴りはもう慣れたものだ。音は聞こえにくいが気にもせず、進路上の魔族を数人切り捨てて、そのまま振り返りもせずに城の中へと侵入した。後方ではタイミングが合わなかった魔法がいくつもさく裂して、石畳や木々を吹き飛ばしている。
魔族は人族よりも魔法が得意だ。しかし人族よりもずっと数も少ない彼らは、個人主義というのだろうか、あまり組織立って攻撃してこない。バラバラの攻撃は俺の高速移動に攪乱され、ただのひとつも当たりはしない。
城の中に侵入してしまえば、ますます俺の独壇場だ。
「何者だ!」
「亜人か!虫けらのくせに」
叫ぶ魔族のセリフがキーンという耳鳴りと一緒に頭に響いた。魔族は俺たち人族の事を亜人と呼び、魔力が少ないことを馬鹿にしている。そう。混ざり者と呼ばれる奴隷の俺までも、魔族から見れば亜人という同じ括りなのだ。それがなんだか可笑しくて、俺は笑いながらその場を駆けた。
黒髪の俺たち一族は、黄金の髪を持つ人族からは忌み嫌われている。混ざり者、魔族の眷属とみなされ、見つかれば捕まり、奴隷として売られる。その中でも戦うのが得意な者は鍛えられ、剣闘士として見世物になり、ある程度以上の強さがあれば、こうして俺のように魔王城へと刺客として送り込まれるのだ。
城を出る時は、国民に向けて大々的に遠征をアピールされる。混じり者は金髪に見える幻影をかけられ、人族の勇者として大勢の人々に見送られる。国民はみな、大喜びだろう。
勇猛な勇者一行はしかし、魔国に入れば身を隠し無駄な戦いを避けてただただ奥地へと進む。その為の少人数編成だ。そして最後に奴隷である勇者だけを魔王城に放り込めば、あとはその魔王城での戦いは適当にでっちあげ、壮絶な最後も大げさに語り、歴代の勇者と並んで肖像が掲げられる。似ても似つかない金髪碧眼の美男子となって。そして主人である貴族には、褒賞が渡されるのだ。
そんな遠征が何度も行われたということは、魔王城に入った歴代勇者は、さぞかし死に物狂いで戦ってきたのだろう。戦わなければ自分が殺される。そしてもし魔王を倒せば、褒賞は自由の身。だが……。
ひたすら足に魔力を注ぎ、速さだけを追求し、城の階段を三段飛ばしで上へと向かう。これまで何度もあった勇者の来襲に備えて、戦えるよう場を整えている一階の大広間。それに対して上の階は磨き上げられ、豪奢に飾られている。今までの勇者はここまでは上がってこなかったのだろうか。
さすがに豪華な調度品や壁や床の被害を思うと、魔族たちも手が出しにくいとみえる。こちらに打ち込んでくる炎や氷の魔法の数がぐっと減った。それでもいくつかは飛んでくる氷の魔法の、そのうちのひとつを力技で剣で打ち払えば、氷の礫が壺に当たりガシャンと大きな音をたてて壊れた。ひっと息をのむ声がいくつも聞こえる。
たかが調度品のいくつかの為に、明らかに動きの鈍った魔族たち。所詮魔族といえど、人族と同じようなものなのかもしれない。人族の王城の調度品を思い浮かべて、あれが割れた時の王侯貴族の反応を想像すれば、こんな先のない戦いの場ですら、笑いがこみあげてくる。
二階の豪華で広い謁見の間のような場所から、さらに上に向かう一番広い階段を上る。それはいかにも玉座へと続いているように見えるのに、ここにきて魔族たちの攻撃の手は明らかに弱まった。しかも行く手を阻む様子もなくなり、逆に後ろから追い立てられるように前へ、上へと進まされる。
最初は先程と同じように、城の中を荒らされるのを恐れてかとも思ったが。
「これは……罠に嵌ったかな」
だが走る今更スピードを緩めるわけにもいかない。追い立てられるように大きなドアの前に立ち、力を込めて押した。それは見上げるほど大きな扉であるにもかかわらず、音もなくスッと開き、飛び込んだ俺の後ろでまた音もなく閉まった。
誰も追ってはこない。扉に手をかけると、今度はピクリとも動かない。
「閉じ込められた……のか。……そうか。ここが俺の最後の戦場か」
「ほほう、たった一人でここまで上がって来るとは。今回の勇者が見事なのか、それとも魔族のカスどもが情けないのか」
広間に澄んだアルトの声が凛と響いた。玉座から立ち上がったのは、一人の美しい少女だ。まだ成長途中らしきすらっと伸びた身体は、俺の肩ぐらいの身長だろうか。魔族にはとても見えない真っ白い髪を腰まで流して、魔族の角を模したきらびやかな黄金の冠を付けている。シンプルな赤いドレスは動きやすいミニ丈で、身体に似合わぬ大きなハルバードを手にして、俺の目をしっかと見据えた。
「おや、そなた……森の民か」
「森の民?なんだそれは。確かに俺たちは昔、森に隠れ住んでいたが」
「ふふふ。森の民は草原の民に飼われて己が起源も忘れたのか。情けなや。とはいえ、私もまた同じ囚われの身」
少女は玉座からひらりと飛び降りて、ふーっと大きく息をつくと、その赤い瞳を細めてにーっと笑った。
「我等のどちらかの囚われの時が、これで終わる。悔いなく戦え!」
少女のハルバードが風を切り唸り声をあげて、俺に襲い掛かってきた。
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