悪役令嬢は王太子の溺愛に気付いていない

はる乃

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本編

ディアナのピンチ?

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(貴族名鑑で確認したから間違いない。脅迫状の犯人はエンツェンス侯爵だわ)

あまり家と学院以外には行きたくけど、情報収集とかした方がいいかしら?

私はリーンハルト殿下を物理的に救うことは出来ないので、せめて脅迫状だけは見せないようにしたい。
最初から阻止出来ればそれが一番いいんだけど、公爵家の権力を使うとなったら、どうして私が暗殺とか脅迫状の事を知っているのか話さなくちゃいけなくなるし。

(前世の事はなるべく話さない方がいいよね……)

確か、最初に脅迫状が届くのは学院だった筈だ。そう、学院の生徒会室。

(……生徒会室の近く……生徒会室が見える場所で張っていれば、犯人が置いていった脅迫状を回収出来る筈……!)

私は来るべき日に備えるべく気合いを入れた。

その日から、私は休み時間の度に生徒会室を少し離れた場所から見張った。
幸いにも、生徒会室から廊下を挟んだ斜め向かいの資材室に身を潜める事が出来た。ここならすぐに脅迫状を回収出来るわ!!

(さてさて、今日は来るかしら?)

そうして今日も資材室へ足を踏み入れた私だったのだが…………

「えーと、この資料はこっちか?」

「………………っ」

なんてこった!!
誰かが資材室に授業で使ったらしい資料を返しに来ちゃったよ……!

……そりゃそうだよね。
全く使われていない訳ないですよね。
用もない私がどうしてここにいるのか問われても答えられないし、私は咄嗟に身を隠してしまったのだけど。

(ひぃっ!……よりにもよって男子生徒だよ……っ)

資材室で男子生徒と二人きりだなんて恐ろしすぎる。男はケダモノ。関わっちゃ駄目、絶対!!

そうして、私はその男子生徒の顔さえ見ないまま、何とか無事に見つからずに済んだ。

「さて、片付けも終わったし。教室に帰ろっと」

早く帰って!
秒で帰って!
二度と来ないでよね!!

私がそんな邪念を送ったせいだろうか。

「ああ、そうだ。鍵閉めなくちゃ」

え。

《ガチャリ》

「戸締まり完了っと。あー、お腹空いた~」

「………………………………………………」


ま じ か。

え?
鍵閉められたとか、やばくない?
誰も私がここに居るって知らないんだよ??

今は四時限目の授業が始まる前だ。
私のクラスは四時限目が自習だったから、このまま昼休憩が終わるまで見張ってるつもりだったのだけど…………

試しに扉を開けようとしたが、やはり開かない。
私は一気に顔色を青褪めさせた。

「ど、どうしよう…………?」

私は誰もいない資材室の中で、じわりと涙を滲ませたのだった。

「ううう、本当にどうしよう~~??」

誰か~~~!!


* * *
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