58 / 121
本編
ニールたんからの手紙
しおりを挟むアルとマックスが男同士の話?をしてきた時は本当に驚いたわ。
まさか私の天使が拳を振るう程に勇ましくなっていたとは。
本来なら暴力は良くないし、怒るべきところかもしれないけど……
『婚約前にそういう事は駄目だよ。アリス、危険を感じたらすぐに僕に言ってね。絶対に僕が守ってあげるから』
ズキューーーーーンン!!!
あああアル!!アルフォンス!!
私の天使は健在でありました!!
こんなに想ってくれていたなんて、お姉ちゃんは幸せだよう!!!
僕が守ってあげるから、だってさ!もうもう、なんて可愛いの?!これは怒れないわ!むしろ頭撫で回したいっ!!
……マックスはね、ちょっと反省しなきゃだと、思う。勿論マックスと両想いになれたのは嬉しいし、ぎゅうってされるのも、き、キスも、好きだけど……
アルに言っちゃ駄目でしょ。
身内に彼氏とのイチャコラをバラされるって何の拷問??
聞いた時、めちゃくちゃ恥ずかしかった!!マックスは反省すべきよ!!
実はちょっと意地悪だったし、4回目の時なんて舌まで………………
し、舌まで………………っ!!!
もおおお!!思い出しちゃったじゃんかよおおおおお!!!
顔が!顔がめっちゃ熱い!!鎮まれ煩悩おおおおおおおお!!!
……そんな感じで、私が夜に一人自室で百面相をしていた時。水鏡通信で一通の手紙が送られてきた。
こんな時間に誰だよ。
ハッ!も、もしやマックス??
前世で言うところの、おやすみメール、とか?うきゃー!!どうしよどうしよ!!まさかそんな!!
私はウキウキワクワクしながら手紙を受け取った。そしてすぐに自分の馬鹿な勘違いに気付いた。
「……ニールたんからだわ」
どうやら私も相当浮かれていたらしい。
うん、ちょっと落ち着こう。恥ずかし過ぎて死にたい。
「とりあえず読んでみよう。なになに?騎士団長の件は無事に解決しました。……解決しましたぁ?!」
早くない?!
え、頼んだの、ついこの間……
っていうか、昨日、だよね??
昨日頼んで、昨日解決したの?!
早すぎない?!やば過ぎでしょ、ニールたん!!
「でも、無事に解決出来たなら良かった。どうやって解決したんだろう?えーと…………………………………………………………………………………………………」
あれ?
おかしいな。私、目が疲れてるのかな??なんか、とりあえず氷漬けにしたって書いてあるような…………
え。嘘。本当に??
ちょ、待って。確かに騎士団長を何とか説得出来ないか頼んだの私だけど、氷漬けって。氷漬け。…………頼んだのは、私…………………………。
……………………………………………………
…………………………
翌日。
気付いたら朝になってました。
頭とか背中とかがやたら痛いし、何だか寒気がします。どうやら、うっかり卒倒してしまったらしい。
何とか起き上がるも、身体がめちゃくちゃ怠い。やばい、これ。完全に風邪引いた。
コンコンと扉を叩く音。
きっと侍女のライラが身支度を整えに来てくれたんだろう。
ぐっどたいみんぐ。
助けてライラ。今日はもう動けそうにありません。昨日仮病使ったバツだろうか。
「失礼致します。アリスお嬢様、おはようございま…………あ、アリスお嬢様?!一体どうさなったのです?!」
どうもこうも、この様よ。
笑ってくれていいんだぜ☆
「まあ!!なんて凄い熱!!早くベッドへ!!急ぎ、お医者様を呼んで参りますっ!!!」
ありがと~ライラ。
ライラが居てくれて良かった~。
そうして私はその日一日寝込んだ。
大事を取る為に、授業は三日も休んでしまった。
仕方ないよね。
なんせ私は、騎士団長を氷漬けにしろと命じた黒幕になってしまったのだから。
解決したのは嬉しいけど、やり過ぎだよ。
うう、ニールたんの馬鹿~~~!!
* * *
そうして私が体調を崩している間。
様々な変化があったらしい。
騎士団長であったブルストロード卿は、氷からは出れたものの、牢屋からは出れなくなってしまったらしい。どうやら今回の事をきっかけに監査が入ったらしく、色々な事が明るみになって、結局捕まったそうだ。横領とか、結構悪い事をしていたらしい。
ただブルストロード卿は一応侯爵であり、領地は西側国境付近の辺境だ。古くからの土地なので、治める家は変わらぬ方が良いと、子息であるレジナルド様が爵位を継いだ。
ちなみに私のお家。リトフォード侯爵家も領地は辺境にある。東側だけどね。一応この国には各領地に転移魔法陣が設置してあるので割りと移動は楽なのです。前にフィリップ殿下から王城の庭園に招待された時も、転移魔法陣で王都まで移動して、そこから馬車に乗って王城まで行きました。
「まぁそんな訳で、確かに騎士団長の件は無事に解決致しました」
そして様々な変化を教えに来てくれたのがニールたんである。
私が風邪で寝込んだと聞いて、王城から学園へ戻ってきたそうだ。
「アリスお嬢様がお風邪を召されるだなんて、その体内にいる風邪菌が羨ましくてなりません」
風邪菌が羨ましいってどゆこと?
それとも高熱故の聞き違いかな??
つーか、熱出た原因はニールたんだからね?
「風邪を引いたのはコドウェル先生のせいです」
あれ。ニールたんが目を見開いて固まった。
「私のせいで風邪を……?」
「……そうです」
「あ、アリスお嬢様が私のせいで風邪を引いただなんて!!光栄ですっ!!!」
なんでだよおおおおおおお!!!
なんでそーなるの?!おかしいでしょ!!
ニールたんの頭の中は一体どうなってるわけ?!!
というか、また鼻血!!
鼻血出てるからっっ!!!
* * *
11
あなたにおすすめの小説
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる