上 下
19 / 88

20

しおりを挟む
俺は病気にならなかった。
先天的な体の丈夫さがあったのだ、と勝手に思っている。
誰がこの世界に連れてきたのかは知らないが、体の方は上手くしてくれていたのだ。

俺は少し走れるようになった。
これでも成長早い方なんだぞう、きっと。
言葉もよく話せるようになった。

なにせ、発音ができたらいいのだ。
俺は産まれながらにして語彙力がある。
ふっふ、これぞ天才というものよ。

トテテテと走ってバタンとこける。
それを繰り返し、繰り返しする。
時々役人みたいな人も来る、千鶴が飛び出ていってへこへこしてる。
米は取られる。
それでもみんな生きている。

鳥がよく飛んでいる。
例えばメジロが首を傾げている。
「おーい」と言うと
「なんだなんだ」と言ってくる。
動物とも話せるらしい。
こいつは驚きだ。


俺はもう大きくなってきた。
相変わらず生活は変わらない。
千鶴は川へ洗濯に行ったり稲を育てたりしているし、もう一通り終わったろうけど、おじいさんは山へシバ刈りに、もしくは別のことをしに遠出をしている。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

未来に向かって突き進め!

青春 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:1,096

逆算方程式

SF / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

となりの宮川さんは人気Vtuberになりたい

青春 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:8

オタクをプロデュース。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

瑠壱は智を呼ぶ

青春 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

悪役令嬢とあおり運転

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

処理中です...