『転生勇者の俺、家族に正体を隠さず話した結果、家族も最強になった件』

アルさんのシッポ

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第1部 第1章「七歳の朝、勇者の記憶」

第6話「村の朝と新たな決意」

第6話「村の朝と新たな決意」

 朝日が、粗末な木の窓から差し込んできた。
 俺は二段ベッドの上段で目を覚ました。昨日とは違い、身体は軽く、力に満ちている。
 そして、心も満たされていた。
 家族に全てを打ち明けた。前世のこと、勇者だったこと、転生したこと。
 それを、家族は受け入れてくれた。
 否定せず、恐れず、ただ抱きしめてくれた。
 これほど幸せなことがあるだろうか。
 ベッドから降りると、下のベッドで双子がまだ眠っている。レオとリナの安らかな寝顔。昨日の朝とは違い、血色も良く、穏やかな表情だ。
 そっと部屋を出ると、台所から良い匂いがしてきた。
「あら、おはよう、アレン」
 母が振り返って微笑む。その手には、フライパン。空間収納から出した卵を焼いているようだ。
「おはよう、母さん。朝から料理?」
「ええ。あなたが出してくれた食材、使わせてもらってるわ。久しぶりにまともな朝食が作れる」
 母の表情は明るい。昨日の恐怖から解放され、家族全員が無事で、そして未来への希望がある。
「姉さんと兄さんは?」
「もう起きてるわ。外で顔を洗ってる」
 窓の外を見ると、井戸のそばでソフィアとマルクが顔を洗っていた。朝日を浴びて、二人とも清々しい表情をしている。
「アレン」
 母が真剣な表情で俺を見た。
「昨日の話…まだ信じられない部分もあるけど、でも全部受け止めるわ。あなたは私の息子。それは変わらない」
「母さん…」
「それに、あなたの力で、この村の人たちを助けられるなら…それは素晴らしいことだと思う」
 母が優しく微笑む。
「万能丸薬を配りたいって言ってたわね。本当にいいの?」
「ああ。三万個もあるんだ。村の人たち全員に配っても、まだたくさん残る」
「じゃあ、朝食の後、村中に声をかけましょう。村長さんにも話を通さないと」
 しばらくして、家族全員が食卓に集まった。
 卵焼き、パン、チーズ、果物。この家では見たことのない豪華な朝食。双子は大喜びで、ソフィアとマルクも嬉しそうに食べている。
「美味しい!」
 レオが満面の笑みで言う。
「お母さん、すごい!」
 リナも嬉しそうだ。
 母が幸せそうに微笑む。
「アレンのおかげよ。食材があれば、私だっていくらでも料理できるわ」
 朝食を終えると、俺は空間収納から丸薬の入った袋を二つ取り出し、母に渡した。一袋に万能丸薬が百個ほど入っている。
「ここの村人は約二百人弱だから、これで足りる筈だよ」
 ソフィアが袋を見つめる。
「これで…村の人たちが…」
「ああ。病気や怪我で苦しんでいる人も、これで治る」
 準備が整うと、俺たちは外に出た。
 村の朝は静かだ。人々はまだ家の中にいるか、畑に向かっているか。活気があるとは言えない。
 それもそのはず、この村は貧しい。作物はろくに育たず、税は重く、多くの家族が飢えに苦しんでいる。
 俺たちはまず、村長の家に向かった。
 村長の家は、村の中では比較的大きいが、それでも他の村の普通の家と同程度だ。
 扉をノックすると、初老の男性が出てきた。村長のゲオルグ。白髪混じりの髪、深く刻まれた皺。この村の苦労を一身に背負ってきた顔だ。
「これは、エレナさん。昨日は大変でしたね。ご無事で何よりです」
「ありがとうございます、村長」
 母が頭を下げる。
「実は、村長にお願いがあって参りました」
「お願い?」
「はい。息子のアレンが、村の皆さんに薬を配りたいと言っておりまして」
 村長が俺を見る。
「アレン坊主が…? 昨日、盗賊を捕まえたという…」
「はい」
 俺は前に出た。
「村長、俺は偶然、魔法の才能があって、貴重な薬を手に入れることができました。それを、村の皆さんに配りたいんです」
「薬…?」
「万能薬です。病気や怪我を治し、栄養も補給できる薬です」
 村長が目を見開く。
「そんな…万能薬など…高価で…」
「大丈夫です。俺にはたくさんあります。村の全員に配れるくらい」
 村長は信じられないという表情だったが、母が頷くのを見て、真剣な顔になった。
「本当に…よろしいのですか?」
「はい。この村の皆さんには、いつもお世話になっています。少しでも恩返しがしたいんです」
 村長の目が潤む。
「アレン坊主…ありがとう…」
 老人が深々と頭を下げる。
「この村は貧しく、多くの者が病や怪我で苦しんでおります。治癒魔法を使える者もおらず、薬を買う金もなく…見ているしかなかった…」
 村長の声が震える。
「それを…救ってくださるとは…」
「村長、みんなを集めてもらえますか?」
「ああ、すぐに」
 村長が鐘を鳴らした。
 カンカンカン、と大きな音が村中に響く。
 これは、村の集会を知らせる合図だ。
 数分後、村の中央広場に人々が集まり始めた。
 老人、子供、女性、若者。皆、痩せていて、服はボロボロで、疲れた表情をしている。
 それでも、昨日救出された人々は、感謝の笑顔で俺を見ていた。
「あの子が…」
「私たちを助けてくれた…」
 囁き声が広がる。
 村長が前に出て、村人たちに説明した。
「皆の衆、聞いてくれ。アレン坊主が、我々のために貴重な薬を分けてくださるそうだ」
 村人たちがざわつく。
「薬…?」
「本当か…?」
 俺は前に出た。
「皆さん、おはようございます。俺はアレン・ヴァルトハイムです。今日、皆さんに万能薬を配りたいと思います」
 小さな袋を掲げる。
「この中には、病気や怪我を治し、栄養を補給できる薬が入っています。一人に一粒ずつ、お配りします」
 村人たちが驚きの表情を浮かべる。
「ただし、一つお願いがあります」
 俺は真剣な表情で言う。
「この薬のことは、村の外では話さないでください。もし外部の人間に知られたら、悪い人たちが狙ってくるかもしれません」
 村人たちが頷く。
「わかった」
「誰にも言わない」
「命の恩人の頼みだ、守るとも」
 俺は母と姉と兄と一緒に、一人ずつ薬を配り始めた。
 最初は、足を悪くしている老人だった。
「これを…どうぞ」
 袋を渡すと、老人が涙を流した。
「ありがとう…ありがとう…この足が治れば…また畑仕事ができる…」
「きっと治りますよ。一粒食べてみてください」
 老人が震える手で袋を開け、金色の丸薬を取り出す。
 そして口に入れた。
 数秒後――
「おお…!」
 老人の顔色が変わる。足を動かしてみると、痛みがないようだ。
「痛くない…! 足が…治った…!」
 杖を手放し、自分の足で立ち上がる老人。
 周囲の村人たちが驚愕する。
「本当だ…!」
「魔法の薬だ…!」
 次々と、村人たちに配っていく。
 病気の子供を抱えた母親。
「これで…この子が…」
 怪我をした若者。
「ありがとう、アレン!」
 栄養失調で痩せ細った家族。
「これで…お腹いっぱいになれる…」
 村人たちが次々と薬を服用し、みるみる元気になっていく。
 病気が治り、怪我が癒え、痩せた身体に肉がつき始める。
 広場は、歓声と涙に包まれた。
「治った…!」
「ありがとう、アレン!」
「神様のようだ…!」
 俺は、その光景を見て、心が温かくなるのを感じた。
 これだ。
 これが、俺がやりたかったこと。
 前世では、魔王を倒しても、結局は一部の権力者のためにしかならなかった。
 でも、この世界では違う。
 本当に困っている人たちを、直接助けられる。
 その喜びが、顔に表れる。
 全員に配り終えた頃には、村中が活気に満ちていた。
 村長が涙を流しながら、俺の手を握った。
「アレン坊主…この恩は、一生忘れない…」
「村長、そんな大げさなこと言わないでください。俺はただのアレンです」
「いいや、あなたは我々の救世主だ」
 村人たちが口々に感謝の言葉を述べる。
 その中に、一人の中年女性がいた。彼女は泣きながら、小さな女の子の手を引いている。
「アレン…娘が…娘が…三年間、熱病で寝たきりだったのに…立てるようになった…!」
 女の子が、恥ずかしそうに俺を見ている。頬に赤みが戻り、目には輝きがある。
「よかった…」
 俺は女の子に優しく微笑みかけた。
「これからは、たくさん遊べるね」
 女の子が小さく頷いて、微笑んだ。
 母が俺の肩に手を置く。
「アレン…あなたは…素晴らしいわ…」
 その目には誇りと愛情が満ちている。
 ソフィアも感動している。
「私も…こんな風に人を助けられるようになりたい…」
 マルクも決意に満ちた表情だ。
「僕も…強くなって、困っている人を助けたい」
 双子も嬉しそうに飛び跳ねている。
「お兄ちゃん、すごい!」
「みんな元気になった!」
 俺は家族を見回した。
 この家族と一緒なら、どんなことでもできる気がした。
 そして、村人たちを見回した。
 かつての絶望的な表情は消え、希望に満ちた顔がそこにあった。
 村長が言う。
「アレン、これから我々に何かできることがあれば、何でも言ってくれ」
「村長、一つお願いがあります」
「何だ?」
「俺は、これから冒険者になろうと思っています。魔物を倒したり、依頼をこなしたりして、お金を稼ぎたい」
 村人たちがざわつく。
「冒険者…七歳で…?」
「でも、昨日盗賊を倒したんだ」
「確かに…あの子なら…」
「それで、時々村を留守にすることがあるかもしれません。その間、家族のことを見守っていてもらえますか?」
 村長が力強く頷く。
「もちろんだ。あなたの家族は、我々が命をかけて守る」
 村人たちも口々に言う。
「当然だ」
「恩人の家族だ、何かあったら皆で守る」
「アレンに何かあったら、この村全体で助ける」
 俺は深く頭を下げた。
「ありがとうございます」
 そして顔を上げる。
「それと、もう一つ。この村を、もっと豊かにしたいと思っています」
 村人たちが驚く。
「豊かに…?」
「ええ。農業の技術を改善したり、新しい作物を育てたり、商売を始めたり。時間はかかるけど、必ずこの村を、誰もが幸せに暮らせる場所にします」
 村長の目から、また涙が溢れる。
「アレン坊主…あなたは…本当に…」
「村長、俺はこの村で生まれ育ちました。この村が好きです。だから、良くしたいんです」
 村人たちが拍手を始めた。
 パチパチパチ、と温かい拍手が広場に響く。
 その拍手の中で、俺は決意を新たにした。
 この村を守る。
 この村を発展させる。
 家族と村人たちと一緒に、幸せな未来を作る。
 それが、俺の二度目の人生の目標だ。
 集会が終わり、家に戻ると、母が言った。
「アレン、今日は本当にありがとう。村のみんな、あんなに嬉しそうだった」
「俺も嬉しかったよ、母さん。人を助けるって、こんなに気持ちいいことなんだって、初めて実感した」
 ソフィアが言う。
「ねえ、アレン。訓練、今日から始めるの?」
「ああ。でもまずは基礎からだ。いきなり魔法を使おうとしても、身体がついていかない」
 マルクが聞く。
「どんな訓練?」
「まずは体力作り。走ったり、筋トレしたり。それから、魔力を感じる練習。魔法を使うには、まず自分の中の魔力を感じ取れないといけない」
 双子も興味津々だ。
「僕たちも!」
「私も!」
「双子はまだ小さいから、遊びながら魔力を感じる練習だけでいい。本格的な訓練は、もう少し大きくなってからだ」
 母が言う。
「私も…できるかしら…」
「もちろんだよ、母さん。母さんには治癒術師になってほしい。村の人たちを癒せる、素晴らしい治癒術師に」
 母が優しく微笑む。
「わかったわ。頑張る」
 その時、双子のレオがクスクスと笑い出した。
「ねえねえ、リナ」
「何?」
「お兄ちゃんの喋り方、おじさんみたい」
 リナも笑い出す。
「本当だ! 『俺』とか『ああ』とか、おじさんみたい!」
「お兄ちゃん、七歳なのに!」
 二人が笑いながら俺を見る。
 その言葉に、俺は――いや、僕は――ハッとした。
 そうだ。
 記憶が戻ってから、ずっと前世の人格に引っ張られていた。
 二十七歳で死んだ勇者、ハルト・タカハシの人格に。
 「俺」という一人称。
 大人びた口調。
 冷静で戦略的な思考。
 でも、今の僕は――七歳のアレン・ヴァルトハイムなんだ。
 確かに前世の記憶はある。でも、この七年間、この家族と過ごしてきた記憶もある。
 母さんに抱かれた温もり。
 姉さんや兄さんと遊んだ日々。
 双子が生まれた時の喜び。
 この家族と過ごした、大切な七年間。
 急に、今までの自分の言動が恥ずかしくなってきた。
 七歳の子供が「俺」とか言って、大人びた口調で…
 顔が熱くなる。
「あ、あの…」
 僕は慌てて言い直す。
「ご、ごめん。最近、ちょっと変だったかも…」
 母さんが優しく微笑む。
「アレン、無理しなくていいのよ。あなたは七歳なんだから」
 ソフィアも頷く。
「そうだよ。前世がどうとか、勇者がどうとか、そんなの関係ない。あなたは私たちの可愛い弟なんだから」
 マルクも言う。
「うん。普通に喋っていいよ」
 双子が嬉しそうに抱きついてくる。
「お兄ちゃん、可愛い!」
「恥ずかしがってる!」
 家族のその言葉に、心が温かくなった。
 そうだ。
 前世は前世。今は今。
 確かに前世の記憶と経験は大切だ。でも、それに引っ張られすぎていた。
 今の僕は、七歳のアレン。
 この家族の一員なんだ。
「うん…これから、もうちょっと…七歳らしく…喋るね」
 僕は少し照れながら言った。
 家族がみんな、温かく微笑んでくれる。
「それでいいのよ」
 母さんが優しく頭を撫でてくれる。
「さあ、お昼ご飯にしましょう。今日は特別に豪華にするわ」
「やった!」
 双子が喜ぶ。
 家族の笑い声が、家の中に響く。
 温かく、優しく、幸せな音。
 これが、僕の二度目の人生。
 これが、僕が守りたいもの。
 そして、これが、僕のこれからの日々の始まりだった。
 ――元勇者の少年が、家族と共に歩む、新しい物語が、今、始まろうとしていた。
 その夜、ベッドに入る前に、窓の外を見上げた。
 満天の星空。
 その中で、一つの星が特に明るく輝いていた。
「セレスティア、見ていてくれた?」
 小さく呟く。
「家族に全てを話して、受け入れてもらえたよ。それに…本当の自分を取り戻せた気がするんだ」
 星が優しく瞬く。
 まるで、女神が微笑んでいるかのように。
「これからは、七歳の僕として。でも、前世の経験も活かして。家族と一緒に、頑張るね」
 そして、僕は安らかな眠りについた。
 明日も、家族と一緒に。
 新しい一日が、待っている。


次回:第7話「冒険者への第一歩」


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