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第28話 ドライオーガズム
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ぼんやりと発光する花たちに囲まれながら、動けないナツキはスオウを眺める以外にできることが何もなかった。
スオウはいい男だと思う。いくらでもモテるだろうに、どうして自分なのだろう。ナツキは不思議でたまらない。自分のいったい何が男たちを惹きつけているのだろうか。
案外冷静でいられている自分が不思議だった。ゲームの中で起きている出来事は、意識のどこかで現実だとは思っていないのかもしれない。
眠りの中で見ている夢のような感覚なのだろうか。
スオウの息が荒い。獣みたいだった。自分のどこに彼を興奮させる要素があるのかまるでわからなかったが、その眼差しはナツキを捉えて離さない。
愛おしさと、性的興奮の、同居した瞳。
ナツキの服をまさぐり、胸元を開き、顔を寄せて、乳首に吸いついてきた。思わずナツキはまぶたを閉ざす。
「んっ、あっ」
「感じてる? ナツキ、感じてる?」
スオウが熱く問いかけてきた。ナツキは返事をしなかったが、自分の身体がやけに敏感になっていることには気づいた。
(……ああ、まずい。俺の身体、おかしい)
蔓の粘液による催淫効果はとうに切れているはずだった。なのに身体が敏感になっている。どういうことだろう。
スオウの指先がナツキの肌を這う。首筋にキスされる。
息があがった。
「んっ、くっ……」
全身を撫で回していたスオウの手が、ナツキの下腹部へと伸びた。ズボンの上から膨らみをやんわりと握られ、ゆるゆると揉み込まれる。
「あっ、やだっ」
ナツキは思わず身じろいだ。スオウの手にはためらいがない。
「やばいよ、ナツキ。色っぽい。色っぽすぎる。こんな風になるなんて」
スオウがますます興奮していく。
下着の中にスオウの手が入ってきた。じかに握られる。遠慮なく扱かれた。
「うっ、あっ」
ナツキはびくびくと小さく跳ねる。
「感じてるね。勃ってきた。俺の手でナツキが感じてるなんて、夢みたいだ」
スオウの全身が下へとさがり、ナツキの股間に顔を埋めてきた。先端に先走りの蜜がにじむそれを、スオウはためらいなく喉へと誘う。根元を手で扱きながら顔を上下させて、舌や唇も遣って濃厚に愛撫してきた。
スオウの口の中は熱く、唾液の滑りも手伝って、とてつもなく気持ちがいい。
「あぁっ、あっ、んっ、ふっ……」
ナツキの頭が真っ白になる。あっという間に何も考えられなくなった。
早く出したい。頭の中がそれでいっぱいになる。
「あっ、イクっ、イク……出る……っ」
ナツキは思わず小さく叫んだ。
スオウがそっと微笑む。
「いいよ、出して」
ビクンッとナツキの腰が揺れ、ドクドクと精が溢れ出る。飛び散りそうなほど勢いのいいそれを、スオウは口で受け止めた。
喉を鳴らしながら、ためらいなく嚥下する。
スオウはほぅ、と息をついた。
「感度いいね」
「……普通だよ……」
ナツキは消え入りそうな声で返事した。もうやめてほしいが、それを訴えたところできっと無駄だろう。スオウはすっかり興奮しており、中断させるのはとても難しそうだった。
ズボンも下着も脱がされ、剥き出しの股間をさらされ、両足が高く持ち上げられる。オムツを替える赤ん坊のような体勢にされた。否応なく、尻が浮く。
スオウは興奮しながらナツキの白い尻を撫で、すぐに窄まりに口づけてきた。きゅっとそこが一瞬縮む。
「……あっ」
シワの一本一本を丁寧に広げるように、舌でつついてくる。ぬるっと舌がねじ込まれ、ナツキはビクンッと小さく跳ねた。
「……やっ」
「ここ、舐められたの初めてですか?」
「……は、はじ、めて……っ」
ナツキはビクビクと小さく震えた。
唾液をまぶせながら、ヌクヌクと舌を抜き差しされ、ナツキの気が遠くなっていく。否応なく息があがる。
「や、だ……そんな、とこ、舐めな……で」
スオウは満足げに微笑んだ。
「気持ちいいんですね。ピクピクしてる」
「ふ……っ、あっ……」
中に唾液を注ぎ込まれ、舌の次は指を突き入れられた。
「あっ」
「温かい。ナツキの中、すごく熱い」
内壁を指先で撫でられた。そこを擦られると、どうしてもリュウトとのセックスを思い出してしまう。体内を好き勝手に動いていた蔓を思い出してしまう。同時にあの時の快感も思い出してしまう。
「あっ、だめっ」
ナツキはのけぞった。
スオウが楽しそうな顔になる。
「いいんですね。知ってます? ここに前立腺っていうのがあるんですよ」
指先で中の一点をトントンと押され、ナツキはビクビクと跳ねた。
「あっ、やあぁっ、そこ、だめっ……」
ビクンッとのけぞった。
「ここ、好きみたいですね。もっと触ってあげますよ」
「あぁっ、だめ、やめっ、いやっ……」
集中的に前立腺をいじられて、ナツキは再びビクンッとのけぞった。
「うあぁっ、あぁあぁ、あぁ……っ」
「気づいてます? 射精してないんですよ。ドライオーガズムって言うんですよね、それ」
スオウが楽しそうに説明する。ナツキはもう息も絶え絶えだった。頭も働かず、スオウの話もよく聞こえない。
「……はぁっ、あっ、あぁっ……」
ガクガクとナツキの全身が小刻みに震える。そんなナツキを愛おしそうに眺めながら、スオウはさらに言った。
「ドライオーガズムってね、女の人のオーガズムと同じで、ずっとイケるんですよ。何度も何度も、波が寄せては返すみたいに、何度でもイキ続けることができるんです」
「……も、やだ……っ」
ナツキの目元に涙の粒が浮かぶ。ふるふると力なく左右に首を振った。
スオウは優しく微笑む。
「何言ってるんですか、すごく気持ちよさそうですよ」
ナツキはさらに泣きそうな顔になった。
「……やだ、もう、死んじゃう……」
「大丈夫ですよ。死にません」
スオウの指先が再びナツキの中をいじり始めた。ナツキははぁはぁと苦しげな呼吸を繰り返しながら、されるがままになるしかなかった。
スオウはいい男だと思う。いくらでもモテるだろうに、どうして自分なのだろう。ナツキは不思議でたまらない。自分のいったい何が男たちを惹きつけているのだろうか。
案外冷静でいられている自分が不思議だった。ゲームの中で起きている出来事は、意識のどこかで現実だとは思っていないのかもしれない。
眠りの中で見ている夢のような感覚なのだろうか。
スオウの息が荒い。獣みたいだった。自分のどこに彼を興奮させる要素があるのかまるでわからなかったが、その眼差しはナツキを捉えて離さない。
愛おしさと、性的興奮の、同居した瞳。
ナツキの服をまさぐり、胸元を開き、顔を寄せて、乳首に吸いついてきた。思わずナツキはまぶたを閉ざす。
「んっ、あっ」
「感じてる? ナツキ、感じてる?」
スオウが熱く問いかけてきた。ナツキは返事をしなかったが、自分の身体がやけに敏感になっていることには気づいた。
(……ああ、まずい。俺の身体、おかしい)
蔓の粘液による催淫効果はとうに切れているはずだった。なのに身体が敏感になっている。どういうことだろう。
スオウの指先がナツキの肌を這う。首筋にキスされる。
息があがった。
「んっ、くっ……」
全身を撫で回していたスオウの手が、ナツキの下腹部へと伸びた。ズボンの上から膨らみをやんわりと握られ、ゆるゆると揉み込まれる。
「あっ、やだっ」
ナツキは思わず身じろいだ。スオウの手にはためらいがない。
「やばいよ、ナツキ。色っぽい。色っぽすぎる。こんな風になるなんて」
スオウがますます興奮していく。
下着の中にスオウの手が入ってきた。じかに握られる。遠慮なく扱かれた。
「うっ、あっ」
ナツキはびくびくと小さく跳ねる。
「感じてるね。勃ってきた。俺の手でナツキが感じてるなんて、夢みたいだ」
スオウの全身が下へとさがり、ナツキの股間に顔を埋めてきた。先端に先走りの蜜がにじむそれを、スオウはためらいなく喉へと誘う。根元を手で扱きながら顔を上下させて、舌や唇も遣って濃厚に愛撫してきた。
スオウの口の中は熱く、唾液の滑りも手伝って、とてつもなく気持ちがいい。
「あぁっ、あっ、んっ、ふっ……」
ナツキの頭が真っ白になる。あっという間に何も考えられなくなった。
早く出したい。頭の中がそれでいっぱいになる。
「あっ、イクっ、イク……出る……っ」
ナツキは思わず小さく叫んだ。
スオウがそっと微笑む。
「いいよ、出して」
ビクンッとナツキの腰が揺れ、ドクドクと精が溢れ出る。飛び散りそうなほど勢いのいいそれを、スオウは口で受け止めた。
喉を鳴らしながら、ためらいなく嚥下する。
スオウはほぅ、と息をついた。
「感度いいね」
「……普通だよ……」
ナツキは消え入りそうな声で返事した。もうやめてほしいが、それを訴えたところできっと無駄だろう。スオウはすっかり興奮しており、中断させるのはとても難しそうだった。
ズボンも下着も脱がされ、剥き出しの股間をさらされ、両足が高く持ち上げられる。オムツを替える赤ん坊のような体勢にされた。否応なく、尻が浮く。
スオウは興奮しながらナツキの白い尻を撫で、すぐに窄まりに口づけてきた。きゅっとそこが一瞬縮む。
「……あっ」
シワの一本一本を丁寧に広げるように、舌でつついてくる。ぬるっと舌がねじ込まれ、ナツキはビクンッと小さく跳ねた。
「……やっ」
「ここ、舐められたの初めてですか?」
「……は、はじ、めて……っ」
ナツキはビクビクと小さく震えた。
唾液をまぶせながら、ヌクヌクと舌を抜き差しされ、ナツキの気が遠くなっていく。否応なく息があがる。
「や、だ……そんな、とこ、舐めな……で」
スオウは満足げに微笑んだ。
「気持ちいいんですね。ピクピクしてる」
「ふ……っ、あっ……」
中に唾液を注ぎ込まれ、舌の次は指を突き入れられた。
「あっ」
「温かい。ナツキの中、すごく熱い」
内壁を指先で撫でられた。そこを擦られると、どうしてもリュウトとのセックスを思い出してしまう。体内を好き勝手に動いていた蔓を思い出してしまう。同時にあの時の快感も思い出してしまう。
「あっ、だめっ」
ナツキはのけぞった。
スオウが楽しそうな顔になる。
「いいんですね。知ってます? ここに前立腺っていうのがあるんですよ」
指先で中の一点をトントンと押され、ナツキはビクビクと跳ねた。
「あっ、やあぁっ、そこ、だめっ……」
ビクンッとのけぞった。
「ここ、好きみたいですね。もっと触ってあげますよ」
「あぁっ、だめ、やめっ、いやっ……」
集中的に前立腺をいじられて、ナツキは再びビクンッとのけぞった。
「うあぁっ、あぁあぁ、あぁ……っ」
「気づいてます? 射精してないんですよ。ドライオーガズムって言うんですよね、それ」
スオウが楽しそうに説明する。ナツキはもう息も絶え絶えだった。頭も働かず、スオウの話もよく聞こえない。
「……はぁっ、あっ、あぁっ……」
ガクガクとナツキの全身が小刻みに震える。そんなナツキを愛おしそうに眺めながら、スオウはさらに言った。
「ドライオーガズムってね、女の人のオーガズムと同じで、ずっとイケるんですよ。何度も何度も、波が寄せては返すみたいに、何度でもイキ続けることができるんです」
「……も、やだ……っ」
ナツキの目元に涙の粒が浮かぶ。ふるふると力なく左右に首を振った。
スオウは優しく微笑む。
「何言ってるんですか、すごく気持ちよさそうですよ」
ナツキはさらに泣きそうな顔になった。
「……やだ、もう、死んじゃう……」
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スオウの指先が再びナツキの中をいじり始めた。ナツキははぁはぁと苦しげな呼吸を繰り返しながら、されるがままになるしかなかった。
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