スカーレットオーク

はぎわら歓

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第二部

21 深緋

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 優樹が乳を求めて泣き始め、緋紗はいそいそと幼子を抱き乳を与える。
 「吸い付き過ぎじゃないか?」
 「こんなものじゃないですか?」
 「ふーん……」
 「直樹さんにもあとであげましょうか?」
  そう言われてさすがに大人げない自分に自嘲気味に笑った。
 「優樹に譲るよ」

  良く乳をのんだ優樹の背中をさすりゲップをさせる。
 「あら。また寝ちゃった。よく寝ますねえ」
  二人のスカーレットオークのベッドの横に置かれた、小さなベビーベッドに優樹をそっと寝かし、緋紗は優しく赤ん坊を見つめ子守歌のような歌をハミングする。

 「緋紗もちょっと寝たら。ご飯俺がするから」
  そう言いながら緋紗を見ると、すでにうとうとしながら目を閉じるところだった。
 直樹はそっと緋紗を抱いてベッドに横たわらせ、頬に優しくキスをし優樹の頬を撫でた。
 (少し散歩してくるか)
 静かに寝室を出て直樹は家の外の空気を吸った。


  そろそろ風も冷たくなって冬の到来を告げる。
 (今年はうちのスカーレットオークも綺麗な紅葉になったな)
スカーレットオークの前に立つと、風で揺れて真っ赤な葉を一枚落とした。
 直樹はそっと拾い上げて軸をもってクルクル回す。
そして緋紗を抱きしめるようにスカーレットオークの細い幹を抱きしめた。
  緋紗とこれから歩む人生がもっと深く色付くことを想像しながら。
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