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第二章
報酬と休暇
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「レイス、フィリム、クレア、朗報だ。此度の活躍と功績の報酬が出た」
ヨハネスは持っていた金貨三枚を俺たちに一枚ずつ手渡した。金貨……初めて手にした。
「ヨハネス、国からこんな大金──」
「少なかったか?」
逆だよ! 金貨一枚で豊穣祭、いや、その先まで不自由なく生活できてしまうくらいの価値はある。
遠慮しがちな俺に、良いから良いからと、フィリムが言うもんだから、フィリム得意の誘導に乗せられてしまい、金貨をマジックボックスに収納した。
「それから、豊穣祭まで時間がある。豊穣祭の後から急に忙しくなることが想定されるからな。それまでの間は何かが起きるまではそれぞれ自由にしてくれ。休暇だ」
ヨハネスが国王陛下になれば色々とガラッと変わる。毎日忙しくなるから事前に休んどけという意味なのだろうけど、ヨハネスは俺たちに対しても新しく監修し始めたギルドガブリエルに対しての配慮も良すぎる。
「王位継承まで大丈夫かしらね?」
「問題ない。私が常に警戒しているからな。何かありそうな時はすまないがすぐに連絡させてもらう。だが、念のために状況を整理しておくか」
豊穣祭までに他の王子達が国王継承を邪魔してくる可能性があるので、クレアに状況説明も兼ねて、俺たちは今までの流れと今後の対策を話し合った。
「ダイン第一王子は義弟のミルトを連れていたのが気になるけど、暗殺計画の黒幕を教えてもらったり、ザガル伯爵達を捕まえてくれた。表彰式では大臣達を黙らせて無事に終わったり……何を考えているのかよく分からない」
「その後もあの魔道具を使ったような動きもない。より厳重に警戒は必要だ」
「問題はガブネス第二王子よ!」
ダイン王子を後回しで良いと言うような口振り。フィリムはガブネス王子を警戒しているようだ。
「うむ。確かに既に暗殺の実行やギルドの不正を行なっていた実行犯だからな。後に私は王の権限だけで今回の件は潰せる。当然兄上もそのことは理解しているだろう。豊穣祭までに兄上は行動に出る可能性が高い」
「で……では、私たちは休んでいるわけにはいかないと思いますが……」
「クレア、心配はいらん。兄上とて今派手に動けば今度こそ自分自身が捕まると考えているはずだ。更に私がウイガルに取り付けた小型盗聴器もまだ生きている。何かあればすぐに分かる。もちろん、この部屋も今は盗聴されないように魔道具を使っているから心配無用だ」
以前に誰かに盗聴器を付けた相手ってウイガルだったのか。
「あんた、本当に用意周到ね……」
「だからこそ休暇を与えられるのだ」
「第三王子や第一皇女は大丈夫なの?」
俺は以前から名前だけは聞いていたが、今まで情報があまりなかったのでヨハネスに直接聞いてみた。
「兄上は地下に幽閉されている。姉上も国務も縁談も放棄して世界を旅して遊びまわっている状態なのだ。今のところは問題はない。だが、一応警戒はしておこう」
「つまり全員警戒してるってことか」
「当然だ」
ここまで頑張っているヨハネスがいるのに、俺たちだけ休暇をいただいて良いのだろうかと疑問に思っている。
まるで察したかのようにヨハネスは俺にこう言った。
「レイス。気持ちは嬉しい。だが、少しはリフレッシュすること大事なのだ。これから世界を変えていこうと大きな難題に立ち向かうには特にだ」
「……ありがとうヨハネス」
俺達の休暇が始まる。自由に過ごしたことなど今までなかったから、どうやって過ごそうかワクワクしていた。
ヨハネスは持っていた金貨三枚を俺たちに一枚ずつ手渡した。金貨……初めて手にした。
「ヨハネス、国からこんな大金──」
「少なかったか?」
逆だよ! 金貨一枚で豊穣祭、いや、その先まで不自由なく生活できてしまうくらいの価値はある。
遠慮しがちな俺に、良いから良いからと、フィリムが言うもんだから、フィリム得意の誘導に乗せられてしまい、金貨をマジックボックスに収納した。
「それから、豊穣祭まで時間がある。豊穣祭の後から急に忙しくなることが想定されるからな。それまでの間は何かが起きるまではそれぞれ自由にしてくれ。休暇だ」
ヨハネスが国王陛下になれば色々とガラッと変わる。毎日忙しくなるから事前に休んどけという意味なのだろうけど、ヨハネスは俺たちに対しても新しく監修し始めたギルドガブリエルに対しての配慮も良すぎる。
「王位継承まで大丈夫かしらね?」
「問題ない。私が常に警戒しているからな。何かありそうな時はすまないがすぐに連絡させてもらう。だが、念のために状況を整理しておくか」
豊穣祭までに他の王子達が国王継承を邪魔してくる可能性があるので、クレアに状況説明も兼ねて、俺たちは今までの流れと今後の対策を話し合った。
「ダイン第一王子は義弟のミルトを連れていたのが気になるけど、暗殺計画の黒幕を教えてもらったり、ザガル伯爵達を捕まえてくれた。表彰式では大臣達を黙らせて無事に終わったり……何を考えているのかよく分からない」
「その後もあの魔道具を使ったような動きもない。より厳重に警戒は必要だ」
「問題はガブネス第二王子よ!」
ダイン王子を後回しで良いと言うような口振り。フィリムはガブネス王子を警戒しているようだ。
「うむ。確かに既に暗殺の実行やギルドの不正を行なっていた実行犯だからな。後に私は王の権限だけで今回の件は潰せる。当然兄上もそのことは理解しているだろう。豊穣祭までに兄上は行動に出る可能性が高い」
「で……では、私たちは休んでいるわけにはいかないと思いますが……」
「クレア、心配はいらん。兄上とて今派手に動けば今度こそ自分自身が捕まると考えているはずだ。更に私がウイガルに取り付けた小型盗聴器もまだ生きている。何かあればすぐに分かる。もちろん、この部屋も今は盗聴されないように魔道具を使っているから心配無用だ」
以前に誰かに盗聴器を付けた相手ってウイガルだったのか。
「あんた、本当に用意周到ね……」
「だからこそ休暇を与えられるのだ」
「第三王子や第一皇女は大丈夫なの?」
俺は以前から名前だけは聞いていたが、今まで情報があまりなかったのでヨハネスに直接聞いてみた。
「兄上は地下に幽閉されている。姉上も国務も縁談も放棄して世界を旅して遊びまわっている状態なのだ。今のところは問題はない。だが、一応警戒はしておこう」
「つまり全員警戒してるってことか」
「当然だ」
ここまで頑張っているヨハネスがいるのに、俺たちだけ休暇をいただいて良いのだろうかと疑問に思っている。
まるで察したかのようにヨハネスは俺にこう言った。
「レイス。気持ちは嬉しい。だが、少しはリフレッシュすること大事なのだ。これから世界を変えていこうと大きな難題に立ち向かうには特にだ」
「……ありがとうヨハネス」
俺達の休暇が始まる。自由に過ごしたことなど今までなかったから、どうやって過ごそうかワクワクしていた。
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